この記事について
2026/05/14 の Windows Update(WinUp)適用後、Hyper‑V 上の Windows 11 仮想マシンが起動できなくなる事象が発生しました。
2026年3月プレビュー更新(KB5085516 など)でも「保存状態から復帰できず 0xC03A0014 が発生する」という既知問題がありましたが、今回はそれと似ているものの、主因は “Virtual TPM のハッシュ不一致” でした。
参考:
【不具合追跡】2026年3月25日プレビューKB更新後の状況推移【2026/03/25】
(2026/03/28 10:30時点:Hyper-V(24H2)および実機での挙動報告セクション)
すべての環境で再現するわけではありませんが、手元で実際に復旧できた方法を暫定版として共有します。
今回の事例
最初のエラー画面(Virtual TPM のハッシュ不一致)

2回目のエラー画面(ISO マウントの不整合 → 0xC03A0014)

保存された状態を削除する場所

今回の復旧に必要だったポイント(暫定)
1. 保存状態(.vmrs)が破損していた
保存状態が壊れると、Hyper‑V は以下を正しく読み込めなくなります:
- Virtual TPM の状態
- SCSI コントローラ
- マウントされている ISO
- メモリスナップショット
その結果、「認証ダイジェスト不一致」→ 復元不可 という状態になります。
2. 保存状態の削除 → ISO が“見えるようになる”
保存状態を削除すると、Hyper‑V が本来の構成(ISO マウント状態など)を正しく読み込めるようになります。
今回も、保存状態削除後に ISO が突然見えるようになった ため、保存状態破損が確定しました。
3. ISO をアンマウントすると起動できた
VTPM は起動時に「構成ハッシュ」を計算しますが、ISO がマウントされたままだと構成変更扱いになり、整合性チェックが通らない場合があります。
ISO を外すことで構成がシンプルになり、VTPM の整合性チェックが通過 → 起動成功 となりました。
システム領域を拡張済みでも発生する理由
今回の環境では、EFI システム領域(517MB)・MSR・回復パーティションを含め、Windows Update が要求するシステム領域はすべて十分に確保されていました。
そのため、「領域不足が原因で Hyper‑V が起動できなくなった」 という典型的なケースではありません。
それでもエラーが発生した理由は、以下のように TPM 周りの変更と保存状態の整合性破損 が重なったためと推定されます。
- Windows Update により Virtual TPM の PCR 値が更新された
- 保存状態(.vmrs)に記録されている旧 PCR と一致しなくなった
- Hyper‑V が「整合性不一致」と判断し、復元を拒否
- さらに ISO がマウントされたままだったため、構成ハッシュが変化
- 結果として 0xC03A0014(構成不整合)が発生
このように、システム領域を拡張していても、TPM の仕様変更が絡むと Hyper‑V が起動できなくなるケースがある ため、注意が必要です。
今回の事例以外の発生原因と解決手法(暫定)
1. VTPM の PCR 更新による整合性エラー
Windows Update により VTPM の PCR が更新され、保存状態の PCR と一致しなくなるケースです。
対処:保存状態の削除 → 通常起動
2. ISO / VHDX のパス変更・アクセス権問題
外付け SSD のドライブレター変更、NAS 切断、ISO の移動などで発生します。
対処:パス修正 or アンマウント
3. チェックポイントの破損
TPM を含むチェックポイントは破損すると全て復元不可になります。
対処:チェックポイント削除 → 通常起動
4. 構成ファイル(.vmcx)の破損
稀に構成ファイルが壊れることがあります。
対処:新規 VM を作成し、既存 VHDX を接続
暫定版まとめ
- 今回は「保存状態破損 + VTPM 整合性エラー + ISO マウント不整合」が重なったケース
- 保存状態削除 → ISO アンマウント → 起動成功
- 3月プレビューの既知問題と似ているが原因は別系統
- 正式版では技術背景と再発防止策を追記予定

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