- この記事の要約
- この記事について
- ダイジェスト版
- この記事に掲載しているトラブル解決のステップと目安時間
- 本文
- Q&A
- 記事中の専門用語の解説
- おまけなど
- 最後に:誤解を解き、正しい手順でPCを救出しよう
- この記事中の広告リンクについて
この記事の要約
※ この要約はGoogle Geminiを利用して作成されました
BitLockerを「使っていない」のに回復キーを要求される、または「正しいキー」でもループするのは、OSの「誤作動」が原因です。
この記事では、回復キーを探すという誤った対処を止め、「キーを使わない」でOSの不整合を修復する具体的な手順(回復環境、コマンドプロンプト、BIOS設定など)に特化して解説します。
解説動画
この記事について

この記事は、最初に要点をおさえた「ダイジェスト版」を、その後に詳しい「本文」を掲載しているよ!
この記事は、Windowsトラブルシューティング20年以上の筆者が、AI(Gemini)との協働により、Web上の情報の調査と検証、過去の私のPCでのBitLocker誤作動、およびWinRE/Linuxからの暗号化状態確認といった一次検証を経て執筆しています。
このサイトのBitLocker回復キー関連の記事には、日々とてもたくさんのアクセスを頂いています。しかし最近、アクセス解析ヒートマップ(読者の記事内での行動を可視化したものです)を調査していて、ある重大な「気づき」がありました。
どうも、「誤作動でのBitLocker回復キー要求は、回復キー無しで直せます。というか、回復キーでは直せないのだ」というのが、読者の皆様に十分に伝わっていないようなのです。
記事を見に来てくれた方のほとんどが「回復キーの探し方/見つけ方の項目に飛んでいる」のです。
もう一度言います。
BitLockerを利用していない(または正しいキーでもループする)にもかかわらず回復キー要求画面が出てしまった場合は、それは「OSの誤作動」です。キー入力では直りません。
存在しない回復キーや、システムが拒否している(錠前が壊れている)キーを何度入力しても、仕方がありません。それは、パスワードが設定されていないアカウントに、必死にパスワードを入力しているのと同じ行為であり、サインイン(解除)できるわけがないのです。
この記事では、その「キー入力ループ」から脱出し、キーを使わない「修復手順」に焦点を当てて解説します。
ダイジェスト版
スライドショー動画(約8分)
GoogleノートブックLMで作成したスライドショー動画です。(日本語字幕付き)
テキスト版ダイジェスト
Windows PCの起動時に突然「BitLocker 回復キー」を要求され、「使っていないのに!」あるいは「正しいキーを入れてもループする!」とお困りではありませんか? その原因は、キーの紛失ではなく、Windows Updateやプロファイル破損などによって引き起こされる「OSの誤作動」である可能性が非常に高いです。
この記事は、その「誤作動」に焦点を当て、回復キーを探し続けるという無駄な努力を止め、「キーを使わない」修復手順を徹底的に解説します。主な解決策は以下の3ステップです。
- 【状態確認】まず、WinREやLinuxを使い、ドライブが「本当に暗号化されているか」を診断します。(多くの場合、暗号化されていません)
- 【データ保全】修復作業の前に、WinPEやLinux起動ディスクを使って、PCを分解せずに安全にデータを救出します。
- 【論理修復】放電や再起動、WinREの「スタートアップ修復」「システムの復元」、さらにはBIOS/TPM設定の見直しといった、OSの誤作動を解消するための手順を、安全なものから順に試します。
この記事を読めば、なぜキー入力が無意味だったのかを理解し、正しい手順でPCを復旧させる道筋が見えてきます。
この記事に掲載しているトラブル解決のステップと目安時間
この記事で解説する「誤作動」の修復ステップについて、難易度と想定される作業時間の目安をまとめました。データ保全(ステップ2)を最優先し、修復作業(ステップ3)は安全なものから順に試すことを強く推奨します。
※ PCのスペックにより、再起動などの所要時間はかなり異なります。所要時間の目安は、標準よりも少し上のPC、ある程度操作に慣れたユーザーが操作する場合を想定しています。
1. ステップ1:状態確認
まず、ドライブが本当に暗号化されているか診断します。
2. ステップ2:データ保全(修復作業より優先)
ステップ1で「暗号化されていない(誤作動)」と判断できた場合の、データを救出する手順です。
3. ステップ3:回復キーを使わない修復手順
データ保全後、OSの誤作動を解消するための手順です。安全な順に並んでいます。
難易度目安:
★☆☆☆☆:初心者でも簡単 / ★★☆☆☆:手順を確認すれば可能 / ★★★☆☆:少しPC知識が必要 / ★★★★☆:慎重な操作が必要 / ★★★★★:高度な知識とリスク理解が必要
リスク目安:
(低):操作ミスによるデータ消失の可能性は低い。
(中):システムファイルを変更するため、予期せぬ不具合の可能性がゼロではない。
(高):【ケース2(暗号化済み)】のPCで実行すると、データを永久に失う危険性がある操作。
(極高):操作ミスがシステムの起動不能に直結する、最も危険な操作。
本文
時間がない方へ:この記事での「クイック解決」
この記事で解説している「BitLockerを使っていないのに回復キーを要求される」問題は、以下の手順で解決できる可能性が高いです。
- まず、誤作動のケースでは、キー入力は無意味(またはループする)であることを理解し、キーを探すのをやめます。これは「OSの誤作動」です。
- PCを回復環境(WinRE)で起動します。(サインイン画面でShiftキーを押しながら再起動)
- WinREの「詳細オプション」から、「スタートアップ修復」(複数回試す)、「システムの復元」、または「更新プログラムのアンインストール」を実行します。
この記事では、各手順の詳細や、なぜそれが必要なのか、そして修復作業の前にデータを安全に救出する(バックアップする)ための重要な注意点についても必要分解説します。(この記事は手順中心に具体的に作成しています。詳細な情報を知りたい方は、記事下部の「ブログ内関連記事のリンクまとめ」を参照してくださいね。
【重要1】この記事で取り扱う「不具合」の定義と修復操作上の危険性
この記事は、BitLockerやデバイス暗号化の「誤作動」による不具合に特化した、少し特殊な記事です。
必ず、この記事で取り扱う「不具合」の定義(重要)をお読みになり、ご自分の状況と回復操作に伴う危険性なども承知したうえで回復手順を進めてください。
=====
まず、ご自身の状況が以下の2つのパターンのどちらに当てはまるかをご確認ください。
- 全くBitLockerやデバイス暗号化を「利用していない」のに、回復キーを要求された。
- BitLockerを「利用している」が、正しいはずの回復キーを入力してもロックが解除されない(ループする)。
この記事では、上記2つのケースを「OSの誤作動」として扱います。そして、特に「ドライブ自体は実際には暗号化されていない」場合の修復手順を中心に解説します。
【重要】2つのケースと、それぞれの回復可能性
「誤作動」といっても、ドライブの状態によって回復の可能性が大きく異なります。
ケース1:ドライブが「実際には暗号化されていない」場合(この記事のメインターゲット)
- 状況:「利用していない」のに要求された場合や、「利用している」がOS側の不整合だけで、ドライブ自体はロックされていない場合。
- 回復の可能性:高いです。OSの起動プロセス(鍵穴)が壊れているだけなので、この記事で紹介する修復手順(WinRE、SFC/DISMなど)でOSを直せれば、正常に起動できるようになります。
- データ:OSが起動しなくても、データは暗号化されていないため、データの救出(サルベージ)は比較的容易です。
ケース2:ドライブが「実際に暗号化」されており、キー入力も拒否される場合(最も厄介なケース)
これは「鍵」も「鍵穴」も正しいのに、OSが「ハードウェアが変わった」と誤認してドアを開けない状態です。
ケース2:ドライブが「実際に暗号化」されており、入力した(ただしい)キー入力も拒否される場合(最も厄介なケース)
これは「鍵」も「鍵穴」も正しいのに、OSが「ハードウェアが変わった」と誤認してドアを開けない状態です。
もっと具体的に言えば、PCの部品を交換したり、ディスクを別のPCに接続したりといった、BitLockerが作動する正当な理由(ロック要因)が何もないにもかかわらず、いつものようにPCを起動しただけで突然回復キーを要求され、 さらに、Microsoftアカウントなどから探してきた「正しいはずのキー」を入力しても、システムがそれを(誤作動で)拒否し、先に進めなくなってしまった状態を指します。
- 状況:「利用している」かつ「正しいキーでもループする」場合。
- 回復の可能性:低いです。回復は実質的に神頼みとなり、以下のハードウェア的なリセット操作で誤認が解消されることを祈るしかありません。
安全な操作
- 完全シャットダウンと放電
- 再駆動の繰り返し
比較的安全な操作(完全に安全と言う事ではありません)
- スタートアップ修復(複数回)
- マザーボードの電池交換(稀なケース)
危険が伴う操作
操作を行うことで回復できる場合があるが、回復に失敗した場合は「完全に回復が困難になる」可能性が低くない操作になります。
- BIOS/UEFI設定の確認(TPMとSecure Bootの無効化/有効化)
- CMOSクリア(BIOSリセット)
- データ:ドライブが暗号化されているため、これらの手順でロックが解除されない限り、データ救出もOS修復も絶望的です。コマンド操作なども受け付けないことが大半です。
【重要2】修復時に利用する回復環境について
この記事で取り扱う回復環境での操作は、PCシステムに内包されている回復環境を起動して利用するとうまく動作しない場合があります。(当たり前といえば当たり前ですが、インストールされているシステム自体に障害が発生している状態で操作をしようとしているためです)
できる限り、OSインストールメディアないしはUSB回復ドライブなどの外部メディアからWinREを起動の上操作してください。
はじめに:その回復キー入力、無意味かも?「OSの誤作動」を疑え
Windows PCの起動時に突然、青い画面で「BitLocker 回復キー」の入力を求められ、慌ててこの記事にたどり着いた方も多いかと思います。
多くの方は、まず「回復キーの探し方」を検索するでしょう。しかし、当サイト(Win PCトラブル解決ガイド)のアクセス解析ヒートマップ(読者の記事内での行動を可視化したものです)を見ていると、回復キーの探し方の項目に飛んだ読者の多くが、結局解決できていない様子が伺えます。
それもそのはずです。
もしあなたが「BitLockerを有効にした覚えがない」のであれば、その現象は「OSの誤作動」である可能性が非常に高いのです。(利用しているが完全に誤作動で要求されているケース・・・正しい回復キーの入力をしても回復キー要求ループになるケース・・・を含みます)
ですから、回復キーを探して入力ても直らないケースが多くなるということになります。
「キー入力ループ」は誤作動のサイン
「誤作動」であるため、以下のどちらかの現象が発生します。
- 「使っていない」ケース: そもそもキーが存在しないため、何を入力しても解除できません。
- 「使っているが誤作動」ケース: Microsoftアカウントから探してきた正しいはずの48桁のキーを入力しても、(誤作動であるがゆえに)「キーが正しくありません」と表示されたり、受け付けられず再度キー入力画面に戻る(=キー入力ループ)現象が発生します。(例外的に、古いキーなどの「実は正しくないキー」を入力しているケースもありえます)
- 更に、WinPEなど手段でPCを起動しファイルを確認できる・・・実際には暗号化されていない・・・ということが確認できた場合は、完全にOSの誤動作です。
これは、例えるなら「鍵穴(BitLockerの仕組み)自体が壊れている」か、「鍵穴がないドア(非暗号化ドライブ)に対して鍵を差し込もうとしている」のと同じ状態です。どちらの場合も、正しい鍵(回復キー)を使ってもドアは開きません。
この記事は、そのような「キー入力では解決しない、OSの誤作動」に焦点を当て、キーを使わない「修復手順」を解説します。
ステップ1:【最重要】まず「本当に暗号化されているか」を確認する
修復作業の前に、ドライブが「本当に暗号化されているのか」、それとも「暗号化されていないのに、OSが勘違いしているだけ」なのかを切り分けることが重要です。これにより、データ救出の難易度が大きく変わります。
確認は「回復環境(WinRE)」から行います。
方法A:簡単な確認方法(システムの復元を試す)
- WinRE(青い画面)の「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「システムの復元」を選択します。
- 「システムの復元」ウィザードが起動し、もし「復元ポイントの一覧」が正常に表示されるようであれば、Windowsがドライブの内容を読み取れている証拠です。この場合、ドライブは暗号化されていない(=誤作動である)可能性が非常に高いです。
- (もし「ドライブのロックを解除してください」といったメッセージが表示された場合は、残念ながらドライブは実際に暗号化されています)
方法B:確実な確認方法(コマンドプロンプト)
「システムの復元」で判断がつかない場合や、より確実に状態を知りたい場合は、コマンドプロンプトを使うのが最も信頼できる方法です。
- WinREの「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」を選択します。
- 黒い画面が表示されたら、以下のコマンドを入力して Enter キーを押します。
(※通常、WindowsドライブはC:ですが、WinRE上ではD:やE:になっている場合があります。C:でエラーが出る場合はD:などで試してください)manage-bde -status C: - 表示された結果の、以下の2項目を確認します。
- 【暗号化されていない(誤作動)場合】
変換状態 (Conversion Status):完全に復号化済み (Fully Decrypted)保護状態 (Protection Status):保護オフ (Protection Off)- → この表示が出れば、「OSの誤作動」で確定です。キーは不要です。
- 【本当に暗号化されている場合】
変換状態 (Conversion Status):完全に暗号化済み (Fully Encrypted)ロック状態 (Lock Status):ロック済み (Locked)- → この表示が出た場合は、本当にロックされています。 回復キーが必須です。
(上級者向け)Linux Live USBでの確認
より確実な方法として、Linux(Ubuntuなど)の起動USBメモリからPCを起動し、内蔵ストレージにアクセスしてみる方法があります。もしフォルダやファイルが正常に見えるようであれば、それは「暗号化されていない」ことの確実な証拠です。
ステップ2:【データ保全】修復作業の前にデータを救出する(推奨)
ステップ1で「暗号化されていない」可能性が高いと分かったら、本格的な修復作業に入る前に、PC内の大切なデータを救出(バックアップ)することを強く推奨します。なぜなら、これからの修復作業(システムの復元など)が必ず成功するとは限らず、最悪の場合OSのクリーンインストールが必要になる(=データが消える)可能性もあるからです。
データ救出の方法(スキル・機材別)
【推奨】ディスクを搭載したまま救出する(安全な方法)
OSが起動しない状態でのデータ救出は困難ですが、
- OSインストールメディアやUSB回復ドライブ(コピーコマンドを利用する)
- WinPE起動ディスク(バックアップソフトの機能で作成したもの)
- 前述のLinux Live USB
を使う方法があります。これらは、PCを別の小さなOSで起動し、内蔵ストレージから外付けHDDへファイルをコピーするものです。
メリット: PCを物理的に分解する必要がないため、静電気や物理破損のリスクがなく、TPMのさらなる誤作動を引き起こす危険性も低い、最も安全なデータ救出方法です。操作には一定の知識が必要ですが、分解困難なノートPCでも実行できます。
【上級者向け・次善策】ディスクを取り外さないで救出する
「セクタバイセクタ」でのクローンが可能なソフトを所持していない場合は代替手段として、M/BのRAID機能を利用してRAID1を構成することでディスクの完全なコピーを作成することも可能です。ただし、これはBIOS/UEFI設定の変更とリビルドの知識が必要な、非常に高度な手順です。
【上級者向け・次善策】ディスクを取り外して救出する
上記のブータブルメディアでドライブが認識できない場合など、ディスクを取り外すしかない場合の次善策です。
問題のPCからストレージ(HDD/SSD)を取り外し、別の正常なPCにUSBなどで接続して、必要なファイルをコピーします。 また、「セクタバイセクタ」でのクローン(ディスク丸ごとコピー)も有効な保全手段です。(ただし、万が一暗号化されていた場合、コピー先も暗号化されたままになるため、回復キーがなければ開けません)
ステップ3:回復キーを使わない「誤作動」修復手順(簡単な順)
データ保全が完了した(またはリスクを承知の上で進める)場合、以下の手順を簡単なものから順番に試します。すべて回復環境(WinRE)から実行します。
(※WinREの起動方法が分からない方は、Windows Helloの記事の「ステップ3:回復環境 (WinRE) を起動する」を参照してください)[ここにWinRE起動方法の記事へのリンクを挿入]
===ほぼ完全に安全な(現状より悪化することがない)手法です。===
番外:単純に再起動を繰り返してみる
最初に放電を実行します。
次に、10回の再起動繰り返しを1セットとして、正常に起動ができるようにならない場合は合計3セット程度試行してみます。(それ以上は無駄です)
誤認識で回復キー要求が発生している場合は、これだけで回復するケースも少なくありませんので必ず試してみてください。
===1と2はほぼ安全な手法です。ただし完全に安全というわけではありません===
1. スタートアップ修復(まずは3~5回試す)
WinREの「詳細オプション」にある「スタートアップ修復」を実行します。1回でダメでも、異なるエラーを検知して段階的に修復することがあるため、3~5回はしつこく試してみてください。
2. システムの復元
ステップ1で確認した「システムの復元」を、今度は実際に実行します。問題が発生する(BitLocker画面が出始める)より前の日付の復元ポイントを選択し、システムを巻き戻します。これが最も確実な修復方法の一つです。
===以下は、ディスクのデータに完全にアクセスできなくなる危険性を伴う操作です===
危険性を理解し、データ消失の発生を容認できる(ないしはデータの救出が済んでいる)場合、また修復操作の結果をリカバリー可能な方だけに限った操作です。
3. BIOS/UEFI設定の確認(TPMとSecure Boot)
Windows Updateやハードウェアの変更(メモリ増設など)が引き金で、TPM(セキュリティチップ)がOSとの連携に失敗し、誤作動を起こしているケースです。
- PCを再起動し、BIOS/UEFI設定画面(起動時にF2, Delキーなど)に入ります。
- 「セキュリティ」や「ブート」といった項目を探し、「Secure Boot(セキュアブート)」と「TPM(またはfTPM)」の設定を一時的に「Disabled(無効)」にして保存・再起動します。
- これでWindowsが起動できるか試します。(起動できたら、再度有効に戻すことを推奨します)
4. CMOSクリア(BIOSリセット)
BIOS/UEFIの設定自体が不安定になっている場合、マザーボードのCMOSをクリア(設定を工場出荷状態に戻す)することで解決する場合があります。
5. SFC / DISM(オフライン実行)
OSのシステムファイル自体が破損している場合、WinREのコマンドプロンプトからSFC(システムファイルチェッカー)やDISM(展開イメージのサービスと管理)をオフライン実行することで修復できる場合があります。これは高度な操作であり、手順が長くなるため、詳細は以下の関連記事を参照してください。
→【SFCとDISM】究極奥義「オフライン実行」でOSを徹底修復-完全解説版【2025/08/12】
6.ユーザープロファイルの修復
最近多いOSのアップグレードやクリーンインストール時の「ライセンス条項の確認でもエラー発生」同様にユーザープロファイルの破損が誤作動発生となっているケースも考えられます。
5.までで直らない場合は、非常に高度な操作となりますが、ユーザープロファイルの修復も試みてください。
※ 以下は、OSが起動する場合の手順です。OSが起動しない場合の手順は、少々長くなりますので記事後方の「おまけ2:WinPE/WinREからオフラインレジストリを編集する手順」に記述します。
ステップ4:何を試しても解決しない場合の最終手段
上記の修復ステップを全て試しても解決しない場合、OSの論理的な破損が深刻であるか、我々がまだ認識していない別の原因があると考えられます。
この段階での最終手段は、ステップ2で救出したデータを元に戻すことを前提とした、「OSのクリーンインストール(初期化)」です。
Windowsインストールメディアから起動し、OSを再インストールします。その際、インストーラーがドライブを認識しない場合は、WinREのコマンドプロンプトからdiskpartコマンドを使って、一度ドライブをクリーン(全消去)する必要があるかもしれません。
なお、どういうわけか実際の経験上「diskpartコマンドを使って、一度ドライブをクリーン(全消去)」してもクリーンインストールができない場合があります。
その場合は、
- ツールを利用してディスクをローレベルフォーマットする
- パーティションツールなどに付属のデータ完全消去ツールを利用する
- 他のWin PCに接続して、MBR⇔GTPの相互変換を数回行う
などの手法を適用してください。
【解決策】データ救出とOS修復に備える「最後の保険」
本文で解説したように、OSが起動しなくなるトラブルでは「OSの外から」データを救出したり、修復したりする必要があります。
「MiniTool Partition Wizard」や「MiniTool ShadowMaker」のような高機能なパーティション・バックアップソフトは、OSが起動しなくても使える「WinPE起動ディスク」を作成する機能を備えています。これ一本あれば、データ救出(ファイルコピー)から、ディスクのクローン、パーティションの修復まで、トラブル発生時に頼りになる「最後の保険」として機能します。
Q&A
この記事の内容について、読者の皆様が抱きそうな疑問点をQ&A形式でまとめました。
一般向け
Q1: Microsoftアカウント(aka.ms/myrecoverykey)を探しても、回復キーが見つかりませんでした。なぜですか?
A1: いくつかの可能性が考えられます。
- ローカルアカウントを使用している: 回復キーがMicrosoftアカウントに自動バックアップされるのは、基本的にMicrosoftアカウントでPCにサインインしている場合です。ローカルアカウントを使用している場合、キーは自動では保存されません。
- 自動保存の不具合: 記事本文でも触れましたが、PC初期設定時などにキーがMicrosoftアカウントへ自動保存される処理が、何らかの理由で失敗しているケースも報告されています。
- 別のアカウントで探している: PCのセットアップ時に使ったMicrosoftアカウントと、今探しているアカウントが異なっている可能性があります。心当たりのある別のアカウント(ご家族のアカウントなど)でもログインして確認してみてください。
- そもそも暗号化されていない: この記事のメインターゲットである「OSの誤作動」の場合、ドライブは暗号化されていないため、回復キー自体が(最初から)存在しません。
Q2: 「スタートアップ修復」を何度も(3~5回)実行して、PCがもっと壊れたりしませんか?
A2: ご心配はもっともですが、「スタートアップ修復」は、Windowsの起動に関する問題を診断し、修復を試みる機能です。基本的に、この操作を繰り返すことでOSがさらに深刻な状態になることは考えにくいです。
1回で直らない問題でも、複数回実行することで、異なる問題が段階的に修復されていくケースが(稀にですが)あるため、試してみる価値のある比較的安全な操作とされています。ただし、記事で解説した「危険が伴う操作」とは異なり、データ消失のリスクは低いですが、100%安全とは言い切れません。
Q3: 結局、この問題が二度と起きないようにする「一番の予防策」は何ですか?
A3: この「OSの誤作動」によるロックアウトを防ぐための、最も簡単で強力な予防策は2つあります。
- BitLocker/デバイスの暗号化を「無効」にする: そもそも暗号化機能を使わない、という選択です。特に個人利用で、PCの盗難・紛失のリスクよりOSの安定性を重視する場合は、暗号化をオフにしておくのが最も確実な予防策です。(手順は記事末尾の「関連ブログ内記事のリンクまとめ」などを参照してください)
- 回復キーを「紙に印刷」して「PCとは別に」保管する: 暗号化機能を利用し続ける場合は、Microsoftアカウントだけに頼らず、必ず回復キーをUSBメモリや紙に印刷し、PC本体やPCバッグとは物理的に別の場所(例:自宅の引き出し、金庫など)に保管してください。
上級者向け
Q4: manage-bde -statusで「保護オフ」と出たのに、なぜ回復キー画面が表示されるのですか?
A4: それこそが、この記事で解説している「OSの誤作動」の典型的な症状です。
manage-bdeコマンドはドライブの「現在の状態」(=暗号化されていない)を正しく報告しています。しかし、Windowsの「起動プロセス(ブートマネージャー)」が(Updateの不整合などで)破損・混乱しており、「ドライブはロックされているに違いない!」と勘違いして、実際には不要な回復キー画面を表示してしまっている状態です。
この場合、ドライブ(データ)は無事ですので、キーを探すのではなく、WinREなどから「起動プロセス」自体を修復する(スタートアップ修復、SFC/DISMオフライン実行など)のが正しいアプローチとなります。
Q5: 「ケース2(暗号化済み+ループ)」で、BIOSのTPMを無効にするのがなぜ「危険」なのですか?
A5: BitLockerは、PCのマザーボードに搭載されたTPM(セキュリティチップ)と連携して「このPCは盗まれていない、正規のPCだ」と判断し、自動でロックを解除しています。
BIOS/UEFI設定でTPMを無効化(またはクリア)するという操作は、この「正規のPCである」という証明を、OS側から(あるいは物理的に)強制的にリセットする行為です。
OSの誤認識が原因であれば、このリセットで正常に戻る(=キーを受け付けるようになる)可能性はあります。しかし、もし操作に失敗したり、システムとの不整合がさらに悪化したりした場合、TPMに保存されていた「PCとドライブを結びつける情報」が失われ、たとえ正しい回復キーを持っていても、二度とドライブの暗号化が解除できなくなる(=データ完全喪失)リスクがあるため、「危険が伴う操作」としています。
Q6: 「セクタバイセクタクローン」で複製したディスクも、回復キー画面になりますか?
A6: はい、なります。
セクタバイセクタクローンは、ドライブの0と1のデータを(暗号化されたままの状態で)丸ごとコピーする技術です。つまり、「鍵のかかった金庫」をそっくりそのまま複製するようなものです。
その複製したディスク(金庫のコピー)をPCに接続しても、元のディスクと全く同じ理由(OSの誤作動、またはTPMの誤認識)で、全く同じように回復キー画面が表示されます。
このクローンの目的は「修復」ではなく、「データ保全」です。「ケース2(暗号化済み+ループ)」の読者への警告の通り、危険な修復作業(TPMリセットなど)を試すのは、必ずこのクローン(複製)したディスクに対して行い、元のディスク(オリジナル)は万が一のために温存しておく、というのが鉄則です。
Q7: 修復のために「セキュアブート」を無効にするのは危険ではないですか?
A7: 非常に良いご質問です。おっしゃる通り、セキュアブートはPCを守る重要な機能ですので、無効にしたまま常用することは推奨されません。
今回の記事で「一時的に無効にする」ことを提案しているのは、あくまで「OSの誤作動」が原因でBitLocker画面から進めなくなった場合の、緊急のトラブルシューティング(診断)のためです。
- セキュアブートの設定変更が、システムの誤認識をリセットする「きっかけ」になる場合があります。
- また、Linux Live USBや一部のWinPE起動ディスクは、セキュアブートが有効だと起動できないため、データ救出作業のために一時的に無効化が必要になることがあります。
無事にWindowsが起動できるようになったら、速やかにBIOS/UEFI設定に戻り、セキュアブートを再度「有効(Enabled)」に戻すことを強くお勧めします。
記事中の専門用語の解説
この記事中に登場する、少し分かりにくいかもしれない専門用語を簡潔に解説します。
-
- BitLocker (ビットロッカー)
- Windowsに搭載されている「ドライブの暗号化」機能です。PCが盗難されたり紛失したりした際に、第三者が内部のデータ(書類や写真など)を抜き出せないように、ドライブ全体に強力なカギをかける仕組みです。
- 回復キー (BitLocker 回復キー)
- BitLockerで暗号化されたドライブのロックを解除するための「マスターキー(合鍵)」です。48桁の数字で構成されています。PCのハードウェア構成が変わったと誤認識された場合など、通常のサインインができない時にこのキーの入力を求められます。
- OSの誤作動 (ごさどう)
- この記事では、システム(OS)が何らかの不具合(Updateの失敗、ハードウェアの誤認識など)によって、実際には暗号化されていないドライブを「暗号化されている!」と勘違いし、不要な回復キー画面を表示してしまう状態を指します。
- WinRE (ウィンアールイー) / Windows 回復環境
- Windowsが正常に起動しなくなった時に使う「緊急手術室」のような特別な起動モードです。「オプションの選択」という青い画面が特徴で、ここから「システムの復元」や「スタートアップ修復」などを実行できます。
- BIOS / UEFI (バイオス / ユーイーエフアイ)
- PCの電源を入れたときに、Windows(OS)よりも先に動き出す、マザーボード(PCの土台となる基板)に搭載された基本プログラムです。PCのハードウェアを管理・制御します。「BIOS」は古い規格で、現在はより高機能な「UEFI」が主流です。
- TPM (トラステッド プラットフォーム モジュール)
- BitLockerの鍵やパスワード情報などを、OSから隔離された安全な場所(専用のセキュリティチップ)に保管するための部品、または機能です。PCが盗難されても鍵が盗まれにくくする役割があります。これには、マザーボードに物理的に搭載される「dTPM(ディスクリートTPM)」という専用チップと、CPU(IntelやAMD)自体がその機能を持つ「fTPM(ファームウェアTPM)」というソフトウェアベースのものがあります。どちらもWindowsからは「TPM」として認識され、同様のセキュリティ機能を提供します。
- セキュアブート
- PCの起動時に、Microsoftなどによって「署名(許可)」された、信頼できるプログラム(主にWindows自体)だけが動き出すようにするセキュリティ機能です。BIOS/UEFIに搭載されています。これにより、怪しいプログラム(ウイルスなど)がWindowsより先に動き出すのを防ぎます。(※ ただし、OSの根幹に影響しうる正規のソフトウェア(一部の古いドライバー、Linux、特定の修復ツールなど)であっても、Microsoftの署名がない場合は「怪しい」と判断され、ブロックされてしまう場合があります)
- CMOSクリア (シーモスクリア)
- BIOS/UEFIの設定情報(時刻やハードウェア構成など)を、マザーボードの電池を抜くなどして、工場出荷時の状態にリセットする操作です。
- BitLocker (ビットロッカー)
- セクタバイセクタ (クローン)
- ハードディスクやSSDの中身を、ファイル単位ではなく、データの最小単位(セクタ)ごと丸ごとコピーする技術です。「鍵のかかった金庫」を、中身ごとそっくりそのまま複製するイメージです。
- WinPE (ウィンピーイー) / Linux Live USB
- PCの内蔵ストレージ(Windows)からではなく、USBメモリなどから起動できる「小さな別のOS」です。PC本体のOSが壊れて起動しなくても、これらのOSから起動することで、内蔵ストレージにアクセスし、データを救出できる場合があります。
おまけなど
おまけ1:【上級者向け】WinPE/WinREからオフラインレジストリを編集する手順(極々一部の限られた上級者向けです)
本文の「ステップ3」で触れた「ユーザープロファイルの修復」について、OSが起動しない(サインインできない)場合に、回復環境(WinRE)やWinPE起動ディスクから実行する手順を解説します。
【警告】これはシステムの根幹である「レジストリ」を直接編集する、非常にリスクの高い操作です。しかも障害時にWinPE/WinREからオフラインでレジストリを編集します。手順を一つでも誤ると、PCが二度と起動しなくなる可能性があります。必ずデータ保全を最優先し、操作の意味を完全に理解した上級者のみが、自己責任で実行してください。
手順1:WinRE(回復環境)でコマンドプロンプトを起動する
- 記事本文の「ステップ3:回復環境 (WinRE) を起動する」を参照し、WinRE(青い画面)を起動します。
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」を選択します。
手順2:Windowsがインストールされているドライブレターを確認する
WinRE上では、WindowsがインストールされているCドライブが、D: や E: など、異なるドライブレター(アルファベット)で認識されることがよくあります。まず、これを特定します。
- コマンドプロンプト(黒い画面)で、
notepad.exeと入力し、Enterキーを押します。 - メモ帳が起動したら、メニューの「ファイル」→「開く」を選択します。
- 「ファイルの種類」を「すべてのファイル (.)」に変更します。
- 左側の「PC」をクリックし、
Windows,Users,Program Filesといった見慣れたフォルダが入っているドライブが、C:なのかD:なのかを確認します。(ここでは仮にD:ドライブだったとして進めます) - ドライブレターを確認したら、メモ帳は閉じて構いません。
手順3:レジストリエディターでオフラインハイブを読み込む
- コマンドプロンプトの画面に戻り、
regeditと入力し、Enterキーを押します。 - レジストリエディターが起動したら、左側のツリーから
HKEY_LOCAL_MACHINEをクリックして選択状態(青く反転)にします。 - メニューの「ファイル」→「ハイブの読み込み」を選択します。
- ファイル選択ダイアログで、手順2で確認したWindowsドライブ(例:
D:)に移動し、以下のファイルを選択して「開く」をクリックします。
D:\Windows\System32\config\SOFTWARE - 「キー名」を尋ねるダイアログが表示されます。これは一時的な名前ですので、分かりやすい半角英数字(例:
TempSoftware)を入力し、「OK」をクリックします。
手順4:ProfileListキーを編集する
ここからが実際の修復作業です。ご自身のWindowsが起動しなくなった(一時プロファイルでログインされる)際の手順を流用します。
- レジストリエディターの左側ツリーで、先ほど読み込んだキー(
HKEY_LOCAL_MACHINE\TempSoftware)を展開し、以下のパスまで移動します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\TempSoftware\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\ProfileList ProfileListの下には、S-1-5-....といったSID(セキュリティ識別子)の名前がついたサブキーが複数あります。- この中から、同じSIDで、片方の末尾だけに「.bak」が付いているペア(例: …-1001 と …-1001.bak)を探します。これが破損したプロファイルの可能性が高いです。
- a. 「.bak」が付いていないキーの修正:
- 「.bak」が付いていないキー(例: …-1001)を右クリックし、「名前の変更」を選択します。
- 末尾に「
.old」などを付け足して、名前を変更します。(例: …-1001.old)
- b. 「.bak」キーの修正:
- 「.bak」が付いているキー(例: …-1001.bak)を右クリックし、「名前の変更」を選択します。
- 末尾の「.bak」だけを削除します。(例: …-1001)
- c. 状態のリセット:
- 今、「.bak」を削除したキー(例: …-1001)を選択した状態で、右側のペイン(ウィンドウ)を確認します。
- 「RefCount」という値を探し、ダブルクリックして値のデータを「0」(ゼロ)に変更します。(もし存在しない場合は、新規作成する必要はありません)
- 「State」という値を探し、ダブルクリックして値のデータを「0」(ゼロ)に変更します。
手順5:ハイブのアンロードと再起動
- 編集が完了したら、必ず左側のツリーで、手順3で付けた名前のキー(例:
HKEY_LOCAL_MACHINE\TempSoftware)をクリックして選択状態にします。 - メニューの「ファイル」→「ハイブのアンロード」を選択します。
(※これを忘れると変更が保存されず、最悪の場合システムが不安定になります) - レジストリエディターとコマンドプロンプトを閉じます。
- WinREのメイン画面に戻り、「PCの電源を切る」または「続行(Windowsを起動する)」を選択して再起動します。
これでPCが正常に起動し、BitLockerの誤作動なく正常にサインインできるか確認してください。
おまけ2:【未確認情報】PCを長期間放置するとBitLocker誤作動が起きる?
この記事では、BitLocker誤作動の原因として「Windows Update」「ハードウェア構成の誤認識」「プロファイル破損」などを挙げました。しかし、それ以外にも「PCを数ヶ月間、起動せずに放置する」こと自体が、サインイン障害(BitLocker誤作動やパスワード障害)の引き金になるのではないか、という報告も少数ながら存在します。
サインインの障害に関する情報ではあるのですが、BitLocker誤作動の原因/機序は不明な部分も多いので、これも影響する場合がないとは言い切れません。
「起動時に正規のサインインパスワードを受け付けない⇒再起動してみたらBitLockerの誤作動が発生した」などというケースがあれば、ほぼ間違いなく下記のような事象の影響でしょうね…。
これは公式情報ではなく、筆者の経験則と推測を含む「未確認情報」ですが、非常に興味深い現象であり、この記事で扱う「誤作動」の原因の一つになっている可能性もあります。
なぜ「長期放置」がトラブルの原因になり得るのか?
PCを3ヶ月ぶりに起動した、といったシナリオでサインイン障害が発生する理由として、以下の3つの仮説が考えられます。
- TPM(セキュリティチップ)との同期ズレ: PCを長期間起動しないと、マザーボード上のTPM(BitLockerの鍵情報を管理するチップ)と、OS側のセキュリティ情報との間で、何らかの同期ズレや不整合が発生する可能性があります。久しぶりに起動した際に、TPMがOSを「正規の状態ではない」と誤認識し、BitLockerの回復キーやPINの入力を拒否する、というケースです。
- 溜まったアップデートの強制適用による不整合: 数ヶ月ぶりにPCを起動すると、その間に蓄積された大量のWindows Updateが一気に適用されようとします。この過程でシステムファイルが破損したり、ドライバーの不整合が起きたりして、結果としてユーザープロファイルが破損し、サインイン障害(パスワードが通らない、BitLocker誤作動)を引き起こす可能性があります。
- Microsoftアカウント(MSA)のセキュリティポリシー: これが最も見落とされがちな「クラウド(MSA)起因のサインイン障害」です。
おまけ3:ブログ内のBitLocker関連記事リンク
【使っていないBitLocker】誤解を解く-回復キーは誤作動ケースの修復には不要【2025年11月版】(この記事)
【2025年5月度改定完全版】「BitLockerを使ってないのに回復キー?」Windows予期せぬ要求の解決策-そして予防策と原因【2025/05/22】
【最も厄介な障害】WinUp後BitLockerが勝手に有効になりログインできなくなるケースの原因と防止策【2025/03/20移転】
【BitLocker】2025年1月版-利用していないのにもかかわらず回復キーを求められた場合の対処【2025/03/20移転】
【速報】Win11(24H2)アップに伴うBitLocker回復キー要求【2025/03/18移転】
【2021年2月改訂版~最も厄介な障害】WinUp後BitLockerが勝手に有効になりログインできなくなるケースの原因と防止策【2025/03/17移転】
【BitLocker】まずい、homeでもデフォルトで有効・・・Winのドライブ暗号化【2025/03/05】
最後に:誤解を解き、正しい手順でPCを救出しよう
記事を最後までお読みくださり、本当にありがとうございました。
この記事では、BitLocker回復キーを突然要求されるという非常に焦るトラブルに対し、それが「キーの紛失」ではなく「OSの誤作動」である可能性が高いこと、そして「キーを探す」のではなく「OSの不整合を直す」という、キーを使わない修復手順について詳しく解説しました。この記事を読むことで、なぜキー入力が無意味だったのか、そして何を試すべきかの道筋が見えたかと存じます。
解決策の先にある、本当のゴール
もしこの記事の手順でPCが無事に起動できるようになったとしても、それは根本的な解決の第一歩に過ぎません。なぜなら、今回のような「OSの誤作動」は、Windows Updateやドライバーの問題など、様々な要因で今後も再発する可能性があるからです。
本当のゴールは、その場しのぎの修復ではなく、こうしたトラブルに慌てない、「転ばぬ先の杖」としての予防策(保険)を日頃から講じておくことです。
具体的な「次のステップ」
PCを安心して使い続けるために、ぜひ以下の3つのステップを実行に移してください。
- BitLocker/デバイス暗号化の状態を「今すぐ」確認する:
manage-bde -statusコマンドなどで、ご自身のPCが現在暗号化されているのかを確認してください。もし、その必要性を感じない(盗難・紛失のリスクよりOSの安定性を重視する)のであれば、暗号化を「無効」にすることが、このトラブルの最も確実な予防策となります。 - もし暗号化を継続するなら、回復キーを「紙」に保管する: Microsoftアカウントだけに頼らず、必ず48桁の回復キーを紙に印刷(または手書き)し、PC本体とは別の安全な場所(例:自宅の引き出しなど)に物理的に保管してください。
- 「バックアップ」を習慣化する: この記事で紹介したデータ救出の手間を繰り返さないためにも、「ファイル履歴」の設定や、サードパーティ製ソフト(MiniToolなど)を使ったシステム全体のイメージバックアップを定期的に行う習慣をつけましょう。これこそが、あらゆるトラブルに対する最強の保険です。
PCのトラブルは誰にでも起こりえますが、正しい知識と「備え」があれば、冷静に対処することができます。この記事が、あなたのPCライフの安心に少しでも繋がれば幸いです。
もしこの記事が役に立ったと感じていただけましたら、SNSなどでシェアしていただけると嬉しいです。同じように「BitLockerの誤作動」でPCが起動せず、パニックに陥っているご友人やコミュニティ全体の助けになるかもしれません。
今回の記事は以上となります。
記事へのご質問やフィードバックについて
記事の内容に関してご不明な点やご質問がありましたら、お気軽にコメント欄にご投稿ください。すべてのご質問に必ずしも回答できるとは限りませんが、可能な限りお答えしたり、今後の記事作成の参考にさせていただきます。
このブログのスタンス:速報性と予防効果を最優先する理由
当サイトのトップページにも記載していますが、改めて、私たちの情報発信における最も重要なスタンスについてお話しさせてください。
このサイトではWindows Update情報や、Winの不具合情報などを発信する上で完全な正確性より、速報性や予防効果に重きを置いているなどいくつかの注意点があります。
これは、単なる免責事項ではありません。読者の皆様のPCを深刻なトラブルから守るために、私たちが最も大切にしている編集方針です。
この記事中の広告リンクについて
この記事中の広告リンク一覧です。
記事本文中の広告リンク
この記事には、MiniTool Partition Wizardのアフィリエイトリンク(ボタン)が含まれています。これらのリンクを通じて商品が購入されると、当ブログに収益が還元されますが、読者の皆様の購入価格が変動することはありません。
サイドバーやヘッダー部分などの広告
広告が表示されています。
業者名や商品名など
この記事では明示的にプロモーションとして取り扱っているものはありません。
ただし、過去のプロモーションなどで取り扱った商品名や企業名などがプロモーション目的ではなくとも記載されている場合があります。
過去のプロモーションなどで取り扱った企業名は、できる限りステマ規制に関する表示についてのアフィリエイト等関連業者名一覧の項で記載していますので、お手数ですがそちらでご確認ください。


コメント