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【レポート】Windows Backup for Organizations 詳細分析

資料
この記事は約36分で読めます。
このサイトには、広告が設置されています。また、プロモーション記事やアフィリエイトなどのリンクを設置した記事を公開しています。
  1. この記事の要約
  2. この記事について
  3. ダイジェスト版
    1. 音声解説スライドショー
    2. テキスト版ダイジェスト
      1. 第1部:戦略的概要
      2. 第2部:機能とアーキテクチャ
      3. 第3部:バックアップ対象の詳細
      4. 第4部:実装ガイド
      5. 第5部:ユーザーと管理者の体験
      6. 第6部:競合分析
      7. 第7部:戦略的推奨事項
  4. 【重要】USMTを使い続けるIT管理者の方へ:移行戦略の再考
    1. 根拠となる技術文書(参考文献)
  5. 第1章 エグゼグティブサマリーと戦略的概要
    1. 1.1 最新の移行ツールへの序論
    2. 1.2 戦略的要請:Windows 10 サポート終了の期限
    3. 1.3 現代の企業が享受する主な利点
  6. 第2章 機能詳細:アーキテクチャと機能
    1. 2.1 コア機能:バックアップと復元のワークフロー
    2. 2.2 データストレージ、セキュリティ、コンプライアンス
    3. 2.3 重要な区別:Windows Backup for Organizations と コンシューマー向けWindowsバックアップ
  7. 第3章 バックアップカタログ:移行対象の詳細ガイド
    1. 3.1 バックアップされるWindows設定(詳細カタログ)
    2. 3.2 Microsoft Storeアプリの復元
    3. 3.3 重要な除外項目:バックアップされないもの
      1. 表1:詳細設定バックアップ&復元カタログ
  8. 第4章 実装ガイド:構成と展開
    1. 4.1 前提条件チェックリスト
    2. 4.2 Microsoft Intuneによる構成(最新のアプローチ)
    3. 4.3 グループポリシーによる構成(従来のアプローチ)
  9. 第5章 ユーザーと管理者のエクスペリエンス
    1. 5.1 エンドユーザーの体験:シームレスな移行
    2. 5.2 管理者の監視とデータ管理
  10. 第6章 競合およびコンテキスト分析
    1. 6.1 Windows Backup for Organizations vs. User State Migration Tool (USMT)
    2. 6.2 Windows Backup for Organizations vs. Enterprise State Roaming (ESR)
      1. 表2:機能比較マトリクス:ユーザー状態管理ツール
  11. 第7章 戦略的推奨事項とベストプラクティス
    1. 7.1 包括的なデバイス移行戦略の設計
    2. 7.2 パイロットプログラムと段階的展開に関する推奨事項
    3. 7.3 将来の展望と既知の問題
    4. 結論
  12. 参照されたサイトの一覧(抜粋)
  13. Q&A
    1. Q. WBfOは、従来の移行ツールUSMTを完全に置き換えるものですか?
    2. Q. なぜWBfOは、Microsoft OfficeのようなWin32アプリをバックアップしないのですか?
    3. Q. Enterprise State Roaming (ESR)との本当の違いは何ですか?
    4. Q. Intuneを導入していない環境でも、WBfOは利用できますか?
  14. おまけ:さらなる学習と理解のために
    1. おすすめの書籍
    2. 有用なMicrosoft Learnの公式リソース
  15. 最後に:単なるツールから、モダン管理戦略への転換
    1. このレポートは「次への準備期間」の始まりです
      1. 具体的な「次のステップ」
    2. 記事へのご質問やフィードバックについて
  16. この記事中の広告リンクについて

この記事の要約

※ この要約はGoogle Geminiを利用して作成されました

本レポートは、法人向けの新機能「Windows Backup for Organizations (WBfO)」を詳細に分析する技術資料です。Windows 10のサポート終了に伴うデバイス移行を主眼に置き、そのアーキテクチャ、バックアップ対象の詳細、Intuneやグループポリシーでの構成方法を網羅的に解説。従来のUSMTやESRとの違いも明確にし、IT管理者がOneDrive KFMやIntuneと組み合わせた包括的な移行戦略を立てるための技術的基盤を提供します。

【ご注意】従来の移行ツール「USMT」を安易に利用するのは危険かもしれません。本レポートでは、その理由と、より安全な「モダンな移行手法」についても詳しく解説します。

この記事について

1)こちらは、いわゆるブログ記事ではありません。「【Windows新機能】PC引越しが楽に!「Windows バックアップ」使い方ガイド(法人向けとの違いも解説)」作成用の資料として、Google Geminiのディープリサーチ機能で「Windows Backup for Organizationsの包括的分析」に関するレポートとして作成したものを、ITプロフェッショナル向けのリファレンスとして公開しているものです。

2)本記事では、一部の表(テーブル)はHD画面程度以上の端末でないと全幅が表示されない場合があります。また、表内のフォントサイズも縮小された状態になります。ご了承ください。

本稿は、一般的なハウツーガイドとは一線を画し、「Windows Backup for Organizations (WBfO)」の技術的背景、アーキテクチャ、そして戦略的な位置づけを深く掘り下げることを目的とした技術レポートです。システム管理者やITプロフェッショナル、企業のIT担当者を対象とし、この新機能の能力と限界を正確に理解し、Windows 10からの移行戦略を策定するための知識基盤を提供します。

本記事で掲載しているGoogle Geminiのディープリサーチ機能によるレポートは、他のAIによる再検証と私の目視による点検を経て掲載していますが、誤謬や錯誤が皆無ということではありません。この点にはご留意ください。

項目 内容
キーワード Windows Backup for Organizations, WBfO, デバイス移行, Windows 10 サポート終了, Microsoft Intune, Entra ID, Enterprise State Roaming, USMT, OneDrive Known Folder Move
OS/ソフト/機材 ・OS:Windows 11, Windows 10 (22H2)
・管理ツール:Microsoft Intune, グループポリシー
対象読者 ITプロフェッショナル, システム管理者, 企業のIT担当者
AIの利用 ・本レポートの一次情報の収集と構成に、Google Geminiのディープリサーチ機能を利用しています。
履歴 2025/09/05・・・初版公開

ダイジェスト版

音声解説スライドショー

この記事にはありません。

テキスト版ダイジェスト

2025年10月のWindows 10サポート終了が迫る中、多くのIT管理者が頭を悩ませるデバイス移行。本レポートは、その切り札となりうる新機能「Windows Backup for Organizations (WBfO)」の包括的な技術リファレンスです。移行戦略の策定を支援するため、以下のパートに分けて詳細に解説します。

第1部:戦略的概要

WBfOが単なるバックアップツールではなく、Windows 10サポート終了への対応やハイブリッドワークを前提とした、Microsoftのモダン管理戦略における重要な一手であることを解説。従来のEnterprise State Roaming (ESR) との技術的な関連性にも触れます。

第2部:機能とアーキテクチャ

WBfOの技術的な核心に迫ります。バックアップと復元の具体的なワークフロー、Microsoft 365基盤上でのデータセキュリティ、そして最も混同しやすいコンシューマー向け「Windowsバックアップ」との決定的な違いを明確にします。

第3部:バックアップ対象の詳細

管理者が最も知りたい「何がバックアップされ、何がされないのか」を徹底的にカタログ化。ユーザーファイルやWin32アプリが対象外である理由と、それらを補完するOneDrive Known Folder Move (KFM)やIntuneを組み合わせた「三位一体」の移行戦略の重要性を論じます。

第4部:実装ガイド

IT管理者がWBfOを有効化するための、Microsoft Intuneとグループポリシー(GPO)それぞれにおける詳細な構成手順をステップバイステップで解説。OSやID管理などの前提条件も網羅します。

第5部:ユーザーと管理者の体験

エンドユーザーが新しいPCの初期設定時に体験するシームレスな復元プロセスと、IT管理者がMicrosoft Graph APIを通じてバックアップデータをどのように管理・監視するか、それぞれの視点から解説します。

第6部:競合分析

従来の移行ツールUser State Migration Tool (USMT)や、設定同期機能Enterprise State Roaming (ESR)とWBfOを徹底比較。各ツールの長所・短所を明確にし、WBfOがなぜモダンな代替手段なのかを明らかにします。

第7部:戦略的推奨事項

レポートの総仕上げとして、WBfOをOneDrive Known Folder Move (KFM)とMicrosoft Intuneによるアプリ展開と組み合わせた、包括的な移行戦略を設計するためのベストプラクティスと、将来の展望について提言します。


【重要】USMTを使い続けるIT管理者の方へ:移行戦略の再考

本レポートで解説したWBfOが、従来のUSMTとは全く異なる思想で設計されているのには明確な理由があります。Windows 11、特にバージョン24H2では、OSのセキュリティ基盤に大きな変更が加えられました。

その結果、Windows 10時代の古い設定や、OSの深層で動作するドライバーの設定をUSMTでそのまま新しいOSに移行すると、予期せぬシステムの不安定化や、セキュリティ上の脆弱性を招く危険性が、これまで以上に高まっています。

MicrosoftがWBfOのような、意図的に移行範囲を限定した(設定のみを対象とする)ツールを推進しているのは、まさにこのリスクを避けるためです。可能な限り、新しいOSはクリーンインストールし、アプリケーションはMicrosoft Intuneで再展開、ユーザー設定のみをWBfOで復元する「モダンな移行手法」への切り替えを強く推奨します。

根拠となる技術文書(参考文献)

MicrosoftがUSMTをレガシーなツールと位置づけ、モダンな移行手法へと転換を促していることは、以下の公式ドキュメントや技術ブログからも読み取ることができます。

  • Microsoft Learn – User State Migration Tool (USMT) overview
    USMTの公式ドキュメントですが、Windows 11への対応が限定的であることや、Entra ID環境をネイティブにサポートしていない点が記載されています。
  • Petri.com – What is Windows Backup for Organizations?
    海外の著名な技術ブログ。WBfOがUSMTの複雑さから脱却し、クラウドネイティブな環境に対応するために登場した背景を分析しています。

第1章 エグゼグティブサマリーと戦略的概要

本章では、Windows Backup for Organizations(以下、WBfO)を定義し、現代のIT環境におけるその位置づけを明確にします。WBfOは単なる技術的な新機能ではなく、Windows 11への移行やハイブリッドワークのサポートといった、組織の重要な戦略を推進するためのツールとして解説します。

1.1 最新の移行ツールへの序論

Windows Backup for Organizationsは、ユーザー設定とMicrosoft Storeアプリの構成を安全に保持することで、デバイスの移行を合理化するために設計されたエンタープライズグレードのクラウドネイティブ機能です。その主な目的は、PCのリフレッシュサイクル、故障時の交換、あるいは大規模なOS移行といった、あらゆるデバイス移行シナリオにおいて、プロセスを簡素化し、ユーザー体験を向上させることにあります。この機能は、従来の複雑な移行ツールとは一線を画し、クラウド中心のアプローチを採用することで、IT管理者の負担を軽減し、エンドユーザーの生産性を最大化することを目指しています。

1.2 戦略的要請:Windows 10 サポート終了の期限

WBfOのリリースと導入の重要性を理解する上で、2025年10月14日に迫るWindows 10のサポート終了期限は無視できない主要な推進力です。多くの組織にとって、この期限は大規模なデバイス移行を計画・実行するための喫緊の課題となっています。特に、パンデミック以降に常態化したハイブリッドワークやリモートワーク環境では、デバイスが常に企業ネットワークに接続されているとは限りません。WBfOは、このような現代的な課題に対するマイクロソフトの戦略的な回答であり、ネットワーク接続が不安定なデバイスであっても、ユーザー設定の移行を円滑に行うためのソリューションとして提供されています。

1.3 現代の企業が享受する主な利点

WBfOの導入は、組織に多岐にわたる具体的なメリットをもたらします。

  • 生産性の向上: デバイス交換時に、ユーザーが使い慣れた設定や好みを復元することで、ダウンタイムと業務中断を最小限に抑えます。これにより、ユーザーは新しいデバイスでも迅速に業務を再開でき、組織全体の「生産性回復までの平均時間(mean time to productivity)」を短縮できます。
  • IT管理オーバーヘッドの削減: 複雑なスクリプトや手動での構成が必須であった従来の移行ソリューションから脱却し、より自動化され、統合されたエクスペリエンスへと移行します。これにより、IT部門は移行プロジェクトにかかる工数を大幅に削減し、より戦略的な業務にリソースを集中させることが可能になります。
  • デバイスの回復力強化: ユーザーの状態を迅速かつ容易に回復できるという確信のもと、IT管理者はデバイスのリセットや再イメージ化をためらうことなく実行できます。これにより、トラブルシューティングの時間が短縮され、デバイスの健全性を維持しやすくなります。

WBfOを有効化するためのグループポリシー設定が、従来の「設定の同期(Sync your settings)」というパスの下に配置されている点は注目に値します。さらに、技術的な分析によれば、その基盤となるメカニズムやバックアップ対象となるカテゴリは、旧来のEnterprise State Roaming(ESR)機能とほぼ一対一で対応しています。しかし、マイクロソフトの公式なメッセージングでは、「同期」や「ローミング」といった言葉は意図的に避けられ、「バックアップ」と「復元」という、デバイス移行の文脈に特化した用語が全面的に使用されています。これは、既存の技術フレームワークを再利用し、近代化しながらも、より具体的で差し迫ったビジネス課題、すなわちWindows 10のサポート終了に伴う移行というペインポイントを解決するために、戦略的にリブランディングしたことを示唆しています。ITリーダーは、WBfOがゼロから開発された全く新しい技術ではなく、マイクロソフトのクラウドベースのユーザー状態管理戦略の進化形であり、特定の高価値なユースケースに焦点を当てたものであると理解することが重要です。

第2章 機能詳細:アーキテクチャと機能

本章では、WBfOの「なぜ」から「何を」「どのように」へと焦点を移し、サービスの技術的アーキテクチャを詳細に解説します。エンタープライズ版とコンシューマー版の明確な違いを定義し、基盤となるデータフローとセキュリティモデルを明らかにします。

2.1 コア機能:バックアップと復元のワークフロー

WBfOのプロセスは、管理者による有効化から始まり、ユーザーによるシームレスな復元で完了します。

  • バックアッププロセス: この機能はオプトイン形式であり、デフォルトでは無効になっています。利用するには、まずIT管理者がポリシーを構成する必要があります。有効化されると、バックアップはCloudRestore\Backupというスケジュールされたタスクによって8日ごとに自動的に実行されます。また、ユーザーはWindowsバックアップアプリを通じて手動でバックアップを開始することも可能です。
  • 復元プロセス: 復元は、新規または再イメージ化されたデバイスの初期設定プロセスであるOut-of-Box Experience(OOBE)中にのみ開始されます。ユーザーが自身のMicrosoft Entra IDでサインインすると、システムは利用可能なバックアップを検出し、専用の復元ページを表示します。
  • 認証: プロセス全体は、ユーザーのMicrosoft Entra ID(職場または学校のアカウント)に紐づけられています。このIDが、バックアップデータと復元時のユーザーを結びつける鍵となります。

2.2 データストレージ、セキュリティ、コンプライアンス

WBfOは、Microsoft 365の堅牢な基盤の上に構築されており、エンタープライズレベルのセキュリティとコンプライアンスを提供します。

  • データ所在地(Data Residency): バックアップされたデータは、組織のMicrosoft 365テナントのデータストア内に安全に保存されます。この際、テナントに設定されている地理的なデータ所在地のコミットメントが遵守されるため、各国のデータ主権やコンプライアンス要件を満たす上で重要な要素となります。
  • セキュリティモデル: WBfOに特化した暗号化標準の詳細は公開されていませんが、サービスは広範なMicrosoft 365エコシステムの堅牢なセキュリティとコンプライアンス体制を継承します。これには、GDPR、ISO、SOCといった国際的な基準への準拠が含まれます。データは転送中および保存時にマイクロソフト管理キーによって保護されており、関連するMicrosoft 365サービスで見られるように、将来的には顧客管理キー(BYOK)の統合も期待されます。
  • データプライバシー: マイクロソフトは、このサービスによって保存された組織のデータが、AIモデルのトレーニングに使用されることはないと明言しており、データのプライバシーが保護されることを保証しています。

2.3 重要な区別:Windows Backup for Organizations と コンシューマー向けWindowsバックアップ

同様の名称を持つ二つの機能を明確に区別することは、混乱を避けるために不可欠です。

  • 認証: WBfOはMicrosoft Entra IDを使用しますが、コンシューマー版は@outlook.comのような個人用のMicrosoftアカウント(MSA)が必要です。
  • データスコープ: WBfOは設定Microsoft Storeアプリのリストに特化しています。一方、コンシューマー版は、ユーザーのファイルやフォルダ(デスクトップ、ドキュメントなど)を個人のOneDriveストレージにバックアップすることを主目的としています。
  • 管理: WBfOはIT管理者がIntuneやグループポリシーを通じて中央管理します。コンシューマー版は、ユーザー自身がWindowsバックアップアプリや設定画面から管理します。
  • 共存: コンシューマー向けのWindowsバックアップアプリはデフォルトでインストールされていますが、適切に構成された企業デバイス上でEntra IDユーザーが実行しようとすると、「この機能は組織でサポートされていません」というエラーメッセージが表示され、機能しません。

第3章 バックアップカタログ:移行対象の詳細ガイド

本章は、管理者が参照するための重要なセクションです。何がバックアップされ、同様に重要なこととして、何がバックアップされないのかを網羅的にリストアップします。これにより、期待値を適切に管理し、完全な移行戦略を策定するための情報を提供します。

3.1 バックアップされるWindows設定(詳細カタログ)

WBfOによってバックアップおよび復元される設定項目は多岐にわたります。以下に、その詳細をカテゴリ別に整理します。

  • システム設定: ディスプレイ設定(マルチモニターのウィンドウ位置記憶、夜間モード)、サウンド設定(モノラルオーディオ、サウンドスキーム)、通知設定、マルチタスク設定、ファイルエクスプローラーの表示設定(拡張子の表示、隠しファイルの表示など)が含まれます。
  • Bluetoothとデバイス: マウス、タッチパッド、ペンとWindows Ink、自動再生、USB通知に関する設定が対象です。
  • ネットワークとインターネット: Wi-Fi(ランダムなハードウェアアドレス)、VPN、携帯ネットワークに関する設定がバックアップされます。
  • 個人用設定: テーマ、壁紙、配色、その他の視覚的なカスタマイズ設定が移行されます。
  • 時刻と言語: タイムゾーン、言語設定、キーボードレイアウトが保持されます。
  • アクセシビリティ: 視覚、聴覚、操作に関するユーザー補助設定が復元されます。
  • その他の設定: ゲームに関する設定、一部のWindows Updateオプション、保存されたパスワードなどが含まれます。

3.2 Microsoft Storeアプリの復元

アプリの復元に関して、その仕組みを正確に理解することが重要です。

  • WBfOは、アプリケーションのバイナリファイルやそのデータを直接バックアップするわけではありません。
  • 代わりに、ユーザーがインストールしていたMicrosoft Storeアプリのリストを保存します。
  • 復元時には、これらのアプリがスタートメニューにプレースホルダーとして再配置され、バックグラウンドでMicrosoft Storeから自動的に再ダウンロードされます。これはコンシューマー向けのアプリ復元体験と同一の挙動です。

3.3 重要な除外項目:バックアップされないもの

WBfOの適用範囲を理解する上で、以下の項目がバックアップ対象外であることを明確に認識する必要があります。

  • ユーザーファイルとデータ: ドキュメント、デスクトップ上のファイル、写真などのユーザーデータは、WBfOのバックアップスコープに含まれません。これは最も重要な除外項目です。
  • 従来のWin32アプリケーション: Microsoft Office、Adobe Creative Suite、あるいはカスタム基幹業務(LOB)アプリといった、デスクトップアプリケーションはバックアップも復元もされません。
  • アプリケーションのデータと設定: StoreアプリとWin32アプリの両方について、その内部データや構成は保持されません。

WBfOの機能範囲が意図的にOSやStoreアプリの設定に限定されていることは、マイクロソフトの戦略を反映しています。コンシューマー向けの「Windowsバックアップ」がOneDriveを利用してユーザーファイルをバックアップする機能を備えているのとは対照的に、WBfOではこの機能が意図的に除外されています。同様に、多くの企業で中核となるWin32アプリケーションも対象外です。この設計は、管理者が完全な移行ソリューションを構築するために、他のMicrosoft 365サービスを組み合わせて利用することを促しています。具体的には、ユーザーファイルのためにはOneDrive Known Folder Move (KFM)を、Win32/LOBアプリケーションの展開のためにはMicrosoft Intuneを、それぞれ活用することが前提となります。これは、マイクロソフトが単一の巨大なバックアップツールを構築するのではなく、クラウドネイティブでモジュール化されたユーザー状態管理プラットフォームを提供しようとしていることを示しています。管理者はWBfOを有効にするだけでデバイス移行が完了するとは考えず、WBfO(設定)、KFM(データ)、Intune(アプリケーション)を組み合わせた包括的な戦略を設計する必要があります。これは、USMTのような旧来のオールインワンツールからの根本的な思想転換を意味します。

表1:詳細設定バックアップ&復元カタログ

設定カテゴリ サブカテゴリ 具体的な設定項目 バックアップ/復元
システム ディスプレイ モニター接続に基づくウィンドウ位置の記憶
モニターが切断されたときにウィンドウを最小化する
ディスプレイ間のカーソルの移動を容易にする
夜間モード(強度、スケジュール)
サウンド モノラル オーディオ
サウンド スキーム (Windows の既定のサウンド)
通知 通知の許可
ロック画面に通知を表示する
応答不可モード(自動規則を含む)
マルチタスク デスクトップ(タスクバーにすべてのウィンドウを表示)
Alt+Tabですべてのウィンドウを表示
開発者向け ファイル エクスプローラー(拡張子、隠しファイル表示など)
Bluetoothとデバイス マウス マウス ポインターの速度、スクロール設定
タッチパッド カーソル速度、ジェスチャー、タップ設定
ペンとWindows Ink ペンの設定(ショートカットボタン、手書きパネルなど)
自動再生 すべてのメディアとデバイスで自動再生を使用する
プリンターとスキャナー Windows で既定のプリンターを管理する
ネットワークとインターネット Wi-Fi ランダムなハードウェア アドレス
VPN 従量制課金接続でのVPNを許可する
携帯ネットワーク Windows に接続を維持させる
時刻と言語 日付と時刻 タイム ゾーンを自動的に設定する

注:この表は主要な設定項目を抜粋したものです。完全なリストについては公式ドキュメントを参照してください。一部の設定(例:通知音の許可)はバックアップされません。

第4章 実装ガイド:構成と展開

本章は、レポートの中でも最も実践的な核心部分です。IT管理者がMicrosoft IntuneとオンプレミスのActive Directory(グループポリシー)という二つの主要な管理環境で、WBfOを有効化し、構成するための詳細なステップバイステップの手順を提供します。

4.1 前提条件チェックリスト

展開を開始する前に、IT管理者が確認すべき必須項目を以下に示します。

  • オペレーティングシステム:
    • バックアップには、Windows 10 22H2 (ビルド 19045.6216以降) または Windows 11 22H2 (ビルド 22621.5768以降) およびそれ以降のバージョンが必要です。
    • 復元機能を利用するには、さらに新しい特定のビルド(例: Windows 11 22H2 ビルド 22621.3958以降)が要求されます。
  • ID管理:
    • バックアップ対象デバイスは、Microsoft Entra joined または Microsoft Entra hybrid joined である必要があります。
    • 現時点では、復元機能はMicrosoft Entra joined デバイスに限定されています。
  • ライセンスとアクセス許可:
    • Intuneでの構成には、Intuneサービス管理者またはグローバル管理者の役割が必要です。
  • 更新プログラム:
    • Windowsバックアップアプリ自体を含む機能を利用するためのベースラインとして、2025年8月のWindowsセキュリティ更新プログラム以降の適用が言及されています。

4.2 Microsoft Intuneによる構成(最新のアプローチ)

Intune環境では、バックアップと復元の機能を有効にするために、2段階の構成が必要です。

  • パートA:バックアップポリシーの有効化
    1. Microsoft Intune管理センターで、[デバイス] > [構成]に移動します。
    2. [プラットフォーム]として[Windows 10 以降][プロファイルの種類]として[設定カタログ]を選択し、新しいポリシーを作成します。
    3. 設定ピッカーで「Experience」カテゴリを検索し、「Sync your settings」を選択します。
    4. [Allow User To Enable Backup]という名前の設定を有効にします。
    5. このポリシーを、対象となるデバイスまたはユーザーのグループに割り当てます。
  • パートB:復元エクスペリエンスの有効化
    1. Microsoft Intune管理センターで、[デバイス] > [登録]に移動します。
    2. [Windows Autopilot]タブを選択し、[展開プロファイル]を選択します。
    3. [復元ページを表示する]の設定を[オン]に切り替えます。
    4. 構成を保存します。この設定はテナント全体に適用され、デバイスの登録時にのみ有効になる点に注意が必要です。

4.3 グループポリシーによる構成(従来のアプローチ)

オンプレミスのActive Directoryでエンドポイントを管理している環境向けの手順は以下の通りです。

  1. グループポリシー管理コンソール(GPMC)を開きます。
  2. 関連するドメインまたは組織単位(OU)にリンクされたグループポリシーオブジェクト(GPO)を新規作成または編集します。
  3. ポリシーパス [コンピューターの構成] > [管理用テンプレート] > [Windows コンポーネント] > [設定の同期] に移動します。
  4. [ユーザーに設定のバックアップを許可する]という名前のポリシー設定を見つけ、[有効]に設定します。
  5. この設定により、ドメイン参加マシンでのバックアップ機能が有効になりますが、復元エクスペリエンスは依然としてEntra joinedデバイスのOOBEに紐づいていることを理解しておく必要があります。

WBfOの構成モデルは、マイクロソフトの「クラウドファースト」への明確な方向性を示しています。バックアップ機能自体は、Intune(モダン)とGPO(トラディショナル)の両方で有効にでき、ハイブリッド環境にも対応しています。しかし、この機能の最大の価値であるシームレスな復元体験は、Intuneポータルでのみ構成可能であり、かつクラウドネイティブなID(Entra ID)への登録時に適用されるテナントワイドな設定です。さらに、復元体験自体も、現時点ではハイブリッド参加ではなく、完全なEntra joinedデバイスに限定されています。これは、マイクロソフトが従来のActive Directoryベースの組織に対してバックアップ機能を利用するための導入経路を提供しつつも、その全ての価値を享受するためには、Intuneによるモダン管理とEntra joinedのエンドポイントモデルへの移行を促していることを示唆しています。このアーキテクチャは、顧客がプラットフォームの利点を最大限に引き出すために、モダン管理への移行を加速させるよう、穏やかに後押しする設計と言えます。

第5章 ユーザーと管理者のエクスペリエンス

本章では、エンドユーザーとIT管理者の両方の視点から、WBfOのプロセス全体を物語形式で解説します。

5.1 エンドユーザーの体験:シームレスな移行

  • 旧デバイスでの操作: バックアッププロセスは、8日ごとに自動実行されるため、ユーザーにはほとんど意識されません。必要であれば、ユーザーは「Windows バックアップ」アプリを開き、バックアップの状態を確認したり、手動でバックアップを開始したりすることができます。
  • 新デバイスでの操作(OOBE):
    1. ユーザーは新しいデバイスを開封し、最初のOOBE画面を進めます。
    2. 職場または学校のアカウント(Microsoft Entra ID)でサインインします。
    3. システムは、直近のバックアッププロファイルを表示する「バックアップから復元」ページを提示します。ユーザーは「その他のオプション」を選択して、他のデバイスのバックアップから選択することも可能です。
    4. 希望のバックアップを選択し、「続行」をクリックします。
    5. OOBEの残りのプロセスとデスクトップのプロビジョニングが完了する間、復元プロセスはバックグラウンドで進行します。ユーザーがデスクトップに到達すると、設定は自動的に適用されています。

5.2 管理者の監視とデータ管理

IT管理者が個々のユーザーバックアップを管理するための専用GUIポータルは提供されていません。管理操作は、プログラムを通じてMicrosoft Graph APIを介して実行されます。

  • データの表示とエクスポート: UserWindowsSettings.Read.Allのアクセス許可を持つ管理者は、Get windowsSettingエンドポイントを使用して、ユーザーのバックアップデータを読み取り、エクスポートすることができます。
  • データの削除: UserWindowsSettings.ReadWrite.Allのアクセス許可を持つ管理者は、Delete windowsSettingエンドポイントを使用して、ユーザーのバックアッププロファイルを恒久的に削除できます。これは、従業員の退職時などに利用されます。

第6章 競合およびコンテキスト分析

本章では、IT管理者が既に精通しているツールとWBfOを比較することで、マイクロソフトのユーザー状態管理哲学の進化を浮き彫りにし、重要なコンテキストを提供します。

6.1 Windows Backup for Organizations vs. User State Migration Tool (USMT)

  • USMT: 強力で高度にカスタマイズ可能ですが、非常に複雑なコマンドラインツールキットとして知られています。XMLルールファイルの作成と維持に多大な労力を要し、データがネットワーク共有や外部ドライブに保存されるオンプレミス環境での、技術者主導の移行シナリオ向けに設計されています。また、Microsoft Entra IDへの移行をネイティブにサポートしていません。
  • WBfO: シンプルで自動化された、クラウドネイティブな代替手段として位置づけられます。最小限の構成で済み、ユーザー主導(OOBE中)で実行され、デバイスが常に企業ネットワーク上にあるとは限らない現代のハイブリッド/リモートワークシナリオ向けに設計されています。

6.2 Windows Backup for Organizations vs. Enterprise State Roaming (ESR)

  • ESR: ユーザーが複数のEntra ID登録済みデバイス間で一貫した体験を得られるように、限定されたユーザー設定とアプリケーション設定を同期するために設計された機能です。これは「バックアップ」や「移行」ツールとして位置づけられたことはありません。
  • WBfO: WBfOはESRと類似した基盤技術を使用しているように見えますが、デバイス移行に必要な一方向のポイントインタイム復元に特化して構築されています。コミュニティではESRが「死んだ」「放置されている」との見方もありますが、マイクロソフトは将来のロードマップで両サービスの関係を明確にすると示唆しています。現時点では、デバイスのリフレッシュ/移行ユースケースにおいては、WBfOが主要なツールと考えるべきです。

表2:機能比較マトリクス:ユーザー状態管理ツール

項目 Windows Backup for Organizations コンシューマー向け Windows バックアップ User State Migration Tool (USMT) Enterprise State Roaming (ESR)
主な目的 デバイス移行時の設定復元 個人用PCのファイルと設定のバックアップ 大規模なユーザー状態移行 デバイス間の設定同期
ターゲット環境 クラウドネイティブ (Entra ID) 個人 (MSA) オンプレミス (Active Directory) クラウドネイティブ (Entra ID)
認証 Microsoft Entra ID Microsoft Account (MSA) Active Directory / ローカル Microsoft Entra ID
データスコープ 設定、Storeアプリリスト ファイル、設定、アプリリスト ファイル、設定、アプリ設定 限定的な設定とアプリデータ
構成の複雑さ
ユーザー体験 自動化 (ユーザー主導) ユーザー主導 技術者主導 自動 (バックグラウンド)

このマトリクスは、これら4つのツールの複雑なニュアンスを一目で理解できるように要約したものです。ITの意思決定者にとって、どのツールがどのシナリオに適しているか、そしてWBfOがなぜ従来のソリューションから大きく進化したものであるかを迅速に把握するための貴重な資料となります。

第7章 戦略的推奨事項とベストプラクティス

最終章では、これまでの情報を統合し、管理者が理解から実践へと移行するための具体的なアドバイスを提供します。

7.1 包括的なデバイス移行戦略の設計

WBfOが「意図的に不完全」であるという点を再度強調します。成功する移行戦略は、以下の3つのコアコンポーネントを組み合わせる必要があります。

  1. Windows Backup for Organizations: OS設定とStoreアプリリストのために使用します。
  2. OneDrive Known Folder Move (KFM): ユーザーファイル(デスクトップ、ドキュメント、ピクチャ)が継続的にクラウドに同期され、新しいデバイスで利用可能であることを保証します。これはWBfOを補完する必須の要素です。
  3. Microsoft Intuneによるアプリケーション展開: 登録後に、必要なWin32およびLOBアプリケーションを新しいデバイスにプッシュします。

この三位一体のアプローチは、従来のモノリシックなイメージングや移行ツールに代わる、現代的でクラウドネイティブなソリューションを構成します。

7.2 パイロットプログラムと段階的展開に関する推奨事項

  • まず小規模なターゲットグループでパイロットプログラムを開始し、エンドツーエンドの体験をテストすることを推奨します。
  • 復元設定がテナント全体に適用される点には注意が必要です。初期テストでは、バックアップポリシーを広範なグループに適用しつつ、復元ページの有効化は本格展開の準備が整った時点で行うか、可能であればテストテナントを利用することが賢明です。

7.3 将来の展望と既知の問題

  • この機能はまだパブリックプレビュー段階にあり、将来的に機能が変更・拡充される可能性があることを念頭に置く必要があります。
  • ロードマップ上の重要な要望として、Microsoft Entra hybrid joinedデバイスでの復元サポートが挙げられます。マイクロソフトもこれを優先事項として認識しています。
  • ESRの将来像、すなわちWBfOフレームワークに統合されるか、正式に後継とされるかについても注視すべきです。これにより、管理者は将来の変更を予測し、備えることができます。

結論

Windows Backup for Organizationsは、単なるバックアップツールではなく、Windows 10のサポート終了という喫緊の課題に対応し、組織をモダンなエンドポイント管理へと導くための戦略的なコンポーネントです。その価値を最大限に引き出すためには、このツールを単体で評価するのではなく、OneDrive Known Folder MoveとMicrosoft Intuneを組み合わせた、包括的なユーザーエクスペリエンス管理戦略の一部として位置づけることが不可欠です。IT管理者は、WBfOの導入を、単なるOS移行の手段としてだけでなく、クラウドファーストでセキュアな、生産性の高いコンピューティング環境を構築するための絶好の機会と捉えるべきです。


参照されたサイトの一覧(抜粋)


Q&A

Q. WBfOは、従来の移行ツールUSMTを完全に置き換えるものですか?

A. いいえ、完全な代替ではありません。WBfOは、クラウドネイティブでシンプルな移行シナリオに最適化されています。一方、USMTは、オフラインでの移行や、Win32アプリの詳細な設定移行など、より複雑で高度なカスタマイズが求められるオンプレミス環境でのシナリオにおいて、依然として強力なツールです。WBfOは、USMTの複雑さを解消するための「モダンな代替手段」と位置づけられています。

ご承知のこととは思いますが、Win11(24H2)以降ではOSの起動に関する部分まで一部変更がなされています。

その結果、古い各種ドライバーやWin32アプリの詳細な設定移行などを新環境に持ち込む際には、従来以上の十分な検証が必要になります。

これを勘案すると、Win10からWin11(24H2)以降(や次期OS)への移行では、従来以上の十分な検証を経たうえでUSMTを利用するべきです。

可能であれば、24H2クリーンインストール環境(ないしは次期OSクリーンインストール環境)上で新たな導入セットを構築したうえで展開し、データ移行等をWBfOで実行することを強くおすすめします。

Q. なぜWBfOは、Microsoft OfficeのようなWin32アプリをバックアップしないのですか?

A. これはMicrosoftのモダン管理戦略を反映した意図的な設計です。WBfOは「設定」の移行に特化しており、「アプリケーション」の展開はMicrosoft Intuneが担う、という役割分担がされています。Intuneを使えば、ライセンス管理やバージョン管理を含め、より堅牢で一貫性のあるアプリケーション展開が可能です。WBfOは、このIntuneを補完する役割を果たします。

Q. Enterprise State Roaming (ESR)との本当の違いは何ですか?

A. 主な目的が異なります。ESRは、一人のユーザーが利用する複数のデバイス間で、設定を「継続的に同期」させ、一貫した体験を提供するための機能です。一方、WBfOは、古いデバイスから新しいデバイスへ設定を一度だけ移行させる「一方向のポイントインタイム復元」に特化しています。デバイスの交換やリフレッシュが主目的です。

Q. Intuneを導入していない環境でも、WBfOは利用できますか?

A. 限定的に利用可能です。オンプレミスのグループポリシー(GPO)を使って、デバイスの「バックアップ」機能を有効にすることはできます。しかし、WBfOの最大の利点である、新しいデバイスの初期設定時(OOBE)に表示されるシームレスな「復元」体験は、現時点ではIntuneでの設定が必須であり、Entra IDで参加したデバイスに限定されています。


おまけ:さらなる学習と理解のために

このレポートの内容程度はご存知という方にもかなり有用ですので、チェックしてみてくださいね。

本レポートで解説した内容は、WBfOを理解するための入り口です。もし、さらに深くMicrosoftのエンドポイント管理や、関連するクラウド技術について学びたいという知的好奇心旺盛な方向けに、いくつかのおすすめのリソースを紹介します。

おすすめの書籍

体系的な知識をじっくりと身につけるには、やはり書籍が最適です。以下の書籍は、Microsoft Intuneを中心としたモダン管理を理解する上で、国内で評価の高い一冊です。

日経ブックス ひと目でわかるIntune 第3版

Amazon.co.jpで見る(Kindle版もあります)

「ひと目でわかる」シリーズは、豊富な画面写真と分かりやすい解説で定評のある、技術解説書の定番です。本書は、WBfOの構成に不可欠なMicrosoft Intuneについて、基本的な概念から具体的なポリシー設定、Windows Autopilotによるデバイス展開までを、その名の通り「ひと目でわかる」ように網羅的に解説しています。WBfOを「三位一体」の戦略の一部として実践する上で、手元に置いておきたい、信頼できる一冊と言えるでしょう。

有用なMicrosoft Learnの公式リソース

Microsoft自身が提供する、最も正確で最新の情報源です。特定のトピックを深く掘り下げるのに役立ちます。

Windows バックアップのドキュメント (公式)

本レポートで解説したWBfOに関するMicrosoftの公式ドキュメントです。最新の仕様変更や、バックアップされる設定項目の完全なリストなどが掲載されています。一次情報として常に参照すべきリソースです。

Microsoft Intune のドキュメント (公式)

WBfOの構成だけでなく、アプリケーション展開やデバイス管理全般にわたる、Intuneの包括的な公式ガイドです。モダン管理を実現するための機能がすべて解説されています。

OneDrive 既知のフォルダーの移動 (KFM) のドキュメント (公式)

WBfOがバックアップしない「ユーザーファイル」を保護するために不可欠な、OneDrive KFMの設定方法やベストプラクティスがまとめられています。WBfOとセットで導入する際に必ず参照すべきドキュメントです。

最後に:単なるツールから、モダン管理戦略への転換

記事を最後までお読みくださり、本当にありがとうございました。

本レポートで解説した通り、Windows Backup for Organizationsは、単なる便利な移行ツールというだけではなく、組織のエンドポイント管理をクラウド中心のモダンなアプローチへと転換させるための、戦略的な一歩と言えます。

このレポートは「次への準備期間」の始まりです

WBfOの機能を理解することは、ゴールではありません。この知識を元に、自社の環境に合わせた包括的な移行戦略を設計するためのスタートラインです。

具体的な「次のステップ」

では、具体的に何をすれば良いのでしょうか。管理者向けの3つのステップを提案します。

  1. まずやるべきこと:前提条件の確認とパイロット計画
    レポートの第4章を参考に、自社のデバイスがOSやID管理の前提条件を満たしているかを確認します。その上で、IT部門などの小規模なグループを対象としたパイロット(試験的)展開を計画しましょう。
  2. 次にやること:三位一体の戦略を設計する
    WBfOだけでは完全な移行はできません。ユーザーファイルのための「OneDrive Known Folder Move (KFM)」、そしてWin32/LOBアプリ展開のための「Microsoft Intune」を組み合わせた、三位一体の包括的な移行戦略を設計することが不可欠です。
  3. 忘れてはいけないこと:ユーザーへの周知と教育
    新しいデバイスへの移行プロセスが変わることを、事前にユーザーへ周知し、トレーニングを行うことも重要です。シームレスな移行は、技術だけでなく、ユーザーの理解があって初めて成功します。

Windows 10のサポート終了は、単なるOSの入れ替え作業ではありません。この機会を、よりセキュアで生産性の高い、モダンなデバイス管理環境へと飛躍させるための絶好のチャンスと捉え、戦略的に取り組んでいきましょう。

今回の記事は以上となります。

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