この記事の要約
※ この要約はGoogle Geminiを利用して作成されました
今月の更新では、Windows 11で一部メディア再生アプリに関する既知の不具合が継続しています。これに加え、全OS共通で古いFAXモデムが使用できなくなる変更や、PowerShellのリモート管理に影響が出る可能性が予測されるため、特定の環境では注意が必要です。
この記事について
この記事は、毎月のWindows Updateについて、既知の不具合、未報告の問題、そして今後発生しうる障害の予測に特化して解説するものです。
各記事の期間は、基本的に次回の定例またはプレビュー更新が提供されるまでとなり、新規記事に移行されます。
なお、更新プログラムの「新機能」や「修正内容の詳細」については、別途公開している月例KB詳細記事をご覧ください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象KB | Win11 (25H2/24H2): KB5066835 Win11 (23H2): KB5066793 Win10 (22H2): KB5066791 |
| キーワード | Windows Update, 不具合, 障害, 既知の問題, 予測, 解決策, 2025年10月, Windows 11, Windows 10 |
| 最新情報更新日 | 2025/10/15…初版公開
2025/10/15…「2025/10/15 10:10の初動調査」と「【重要】24H2/25H2利用の方への警告:特に注意が必要な高リスク環境」を追加しました 2025/10/17…06:30時点の情報を追加。インストール失敗の報告が増加、IISやゲームの不具合も |
ダイジェスト版
テキスト版ダイジェスト(2025/10/28 最終まとめ版)
今月のWindows Updateは、Windows 10の通常サポートが完全に終了する歴史的な最終回となりました。しかし、この10月はそれ以上に、Windows 11(24H2/25H2)において深刻な不具合が多発した、波乱の更新期間として記憶されることになります。
適用後に「システムの復元」画面で一切の操作ができなくなる(USB無反応)という致命的なWinREの不具合(現在は修正パッチ配信済)が発覚したほか、開発者の「localhost」環境を直撃するIIS接続障害も公式な既知の問題となりました。
この記事では、それら深刻な問題の最終的な状況と回避策を総括します。さらに、Win10からの移行者が多発したインストール失敗の技術的背景(システム領域不足や古いファームウェア問題)や、旧型FAXモデムドライバー削除といった「隠れた変更点」まで、この更新期間に発生した問題をOSバージョン別に詳しく追跡・解説しています。
このブログのスタンス:速報性と予防効果を最優先する理由
当サイトのトップページにも記載していますが、改めて、私たちの情報発信における最も重要なスタンスについてお話しさせてください。
このサイトではWindows Update情報や、Winの不具合情報などを発信する上で完全な正確性より、速報性や予防効果に重きを置いているなどいくつかの注意点があります。
これは、単なる免責事項ではありません。読者の皆様のPCを深刻なトラブルから守るために、私たちが最も大切にしている編集方針です。
【重要】24H2/25H2利用の方への警告:特に注意が必要な高リスク環境
こちらの内容は、【急ぐべき?】Windows 11 25H2アップデートが来た!でも待って!「安全第一」で進めるための完全ガイド【2025/10/14】の「おまけ2」と同様のものです。
対象者が少数と考えられますのでおまけとしていますが、下部のアラートの通り発生した場合は深刻です。
最近の大型アップデート、特に24H2/25H2ではストレージ関連の障害報告が目立ちます。これは、OSがハードウェアと対話する方法がより低レベルで変更されており、旧来の構成との間に互換性の問題が生じやすくなっているためです。
なお、古めのSSDを利用している方は、単機使用でも十分に留意してください。
加えて、Win11を非対象のM/BやCPUで利用している場合は、(WinUpが適用できない場合があるということの他に)不具合発生のリスクが倍増しかねない、いきなりPC利用ができなくなるという事態もあり得ることに注意が必要です。
以下の環境でお使いの方は、安易にアップデートを適用すると最悪の場合、全データへのアクセスが不可能になるという致命的な事態に陥るリスクがあります。必ず内容をご確認ください。
1. M/Bファームウェア(BIOS/UEFI)が古いPC
Windows 10時代、あるいはそれ以前のファームウェアのまま24H2/25H2を適用すると、OSの新しいストレージコマンドや電源管理の要求にファームウェアが正しく応答できず、SSD/NVMeの突然の認識不能(RAW化)、頻繁なフリーズ、スリープ復帰失敗などを引き起こす可能性があります。原因不明の不具合の多くは、これが根本原因であるケースが非常に多いです。PCまたはマザーボードのメーカーサイトで、最新のファームウェアが提供されていないか必ず確認してください。
2. Windowsのドライブプール(記憶域)機能を利用している方
複数の物理ディスクをOS上で束ねる「記憶域」機能は、OSのストレージドライバーの変更による影響を最も受けやすい機能の一つです。アップデートの過程で構成情報(メタデータ)が破損すると、プール全体が認識不能になり、データの復旧が極めて困難になるリスクがあります。
3. RAID構成(特にマザーボード機能)でPCを運用している方
- – リスク:非常に高いOSのドライバーとファームウェアの連携が前提のため、大型アップデートでこの連携が壊れると、RAIDアレイが認識されなくなりOSが起動しなくなるという致命的な問題に直結します。
- ハードウェアRAID(専用カード) – リスク:中程度RAIDカードのメーカーが提供するドライバーが24H2/25H2に未対応の場合、不安定化するリスクがあります。
本文
1. アップデート適用前の準備と心構え
Windows Updateには、予期せぬ不具合のリスクが常に伴います。アップデートを適用する前には、必ず万全の準備を行い、ご自身のPCとデータを守るための「自衛策」を講じてください。
具体的な準備の手順については、以下のまとめ記事で詳細に解説しています。アップデート作業を開始する前に、必ず一度ご確認ください。
最低限、以下の3点は必ず実施するようにしてください。
- システムの復元ポイントの作成
- システム全体のイメージバックアップの取得
- BitLocker回復キーの確認と保管
2. Microsoft公式発表:今月の「既知の不具合」
Microsoftが公式に認めている、今回の更新プログラムに関する既知の問題は以下の通りです。
2.1. Windows 11 Version 25H2 / 24H2 (KB5066835) の既知の不具合
現在、Windows 11のRelease Healthページでは、KB5066835固有の新しい問題は報告されていません。しかし、過去の更新プログラムから継続している以下の問題がリストされています。
- 問題1:一部のBlu-ray/DVD/デジタルTVアプリで保護されたコンテンツが再生できない
- 現象:2025年8月29日の更新(KB5064081)以降、一部のアプリで著作権保護(DRM)されたコンテンツを再生しようとすると、エラーが発生したり、再生が中断されたり、画面が真っ黒になったりする場合があります。
- 回避策/状況:この問題は9月のプレビュー更新で部分的に軽減されましたが、まだ完全には解決していません。Microsoftは引き続き調査中です。
- 問題2:共有フォルダーから複数の.msuファイルを含む更新プログラムをインストールすると失敗することがある
- 現象:ネットワーク上の共有フォルダーに複数の.msuファイル(Windows Updateスタンドアロンインストーラー)を置き、そこからWUSA.exeを使用してインストールしようとすると、失敗する場合があります。
- 回避策/状況:Microsoftはこの問題を調査し、軽減策を講じています。
2.2. Windows 11 Version 23H2 (KB5066793) の既知の不具合
現在、Microsoftはこの更新プログラム(KB5066793)に関する既知の問題を公表していません。
2.3. Windows 10 Version 22H2 (KB5066791) の既知の不具合
現在、Microsoftはこの更新プログラム(KB5066791)に関する既知の問題を公表していません。ただし、OS全体として以下の問題が確認されています。
- 問題1:Windows 10上でWindows 11のメディア作成ツールが正常に動作しない
- 現象:Windows 10デバイス上で、Windows 11のインストールメディア(USBやDVD)を作成するための「メディア作成ツール」を実行すると、エラーメッセージなしに予期せず終了してしまう場合があります。
- 回避策/状況:Microsoftはこの問題を認識しており、将来のツール更新で解決する予定です。それまでは、Windows 11のISOファイルを直接ダウンロードしてメディアを作成するなどの代替手段が必要です。
公式情報ページ
下記ページの左側のメニューから、各バージョンの既知の不具合に関する最新情報を閲覧できます。
3. 本サイト独自の障害予測
3.1. Win11 (25H2 / 24H2) で発生する可能性のある障害
- 特定のプリンタードライバーとの競合によるブラウザ印刷の不具合
- 【予測の根拠】: 今回の更新では「Chromiumベースのブラウザーで印刷プレビューが応答しなくなる問題」が修正されました。このようなOSの印刷コンポーネントとブラウザ間の連携部分に手が入ると、特に独自のUIを持つ古いプリンタードライバーや多機能ドライバーとの間で、新たな互換性の問題が発生することがあります。結果として、プレビューは表示されるが印刷が実行されない、あるいは印刷ダイアログ自体がクラッシュするといった現象が考えられます。
- Windows Hello(顔認証)が特定のカメラで利用できなくなる
- 【予測の根拠】: 「USB赤外線カメラモジュール使用時のWindows Hello顔認証セットアップ」に関する修正が含まれています。顔認証のプロセスはハードウェア(カメラ)とドライバー、OSの密接な連携で成り立っています。特定の問題を修正する過程で、これまで問題なく動作していた別のカメラモデルやドライバーとの間で、タイミングのズレや認識プロセスの非互換性が生じ、ログインやセットアップに失敗する可能性があります。
3.2. Win11(23H2)で発生する可能性のある障害
- リモートデスクトップ接続におけるマルチモニターの表示異常
- 【予測の根拠】: プレビュー版で「複数モニターを使用したRDPセッション中の表示構成変更」に関する修正が行われています。リモートデスクトップとディスプレイ周りの修正は、副作用が出やすい領域です。この修正により、これまで問題がなかった特定のグラフィックドライバーや解像度の組み合わせにおいて、接続後の画面がちらつく、解像度が正しく反映されない、ウィンドウの表示位置がずれるといった新たな表示系の不具合が発生する可能性があります。
3.3. Win10(22H2)で発生する可能性のある障害
- 旧型アプリケーションでの文字化けや入力エラー
- 【予測の根拠】: 今回の更新では「USER32 エディットコントロール」という、Windowsのテキスト入力ボックスの根幹部品に関する修正が含まれています。このようなOSの基本的なUIコンポーネントに変更が加わると、VB6や古い開発環境で作られた社内システムや会計ソフトなど、レガシーなアプリケーションにおいて、特定の文字(特にサロゲートペア文字)を入力した際に、文字化けや予期せぬ入力制限、最悪の場合はアプリケーションのフリーズを引き起こす可能性があります。
今回の予測の妥当性検証
※2025年10月28日時点での総括
今回(10月15日時点)の独自障害予測は、主に「過去の修正内容の副作用」という観点から、印刷機能、Windows Hello、RDP、古いアプリの入力問題を予測しました。
結論から言うと、今回の予測はほとんど的中しませんでした。
追跡期間中に実際に発生し、大きな問題となったのは以下の点です。
- WinRE(回復環境)でのUSBデバイス操作不能(予測外)
- IIS(Webサーバー)の接続障害(予測外)
- Win10からの移行に伴う多数のインストール失敗(システム領域不足やM/Bファームウェアの古さが原因)
- 特定のゲームでのパフォーマンス低下(GPUドライバとの相性問題)
予測した印刷やRDPに関する広範な不具合報告は観測されませんでした。今回の障害は、OSのカーネルやHTTP.sysといった非常に深い層での変更や、Windows 10サポート終了に伴う移行プロセスの複合的な問題が原因であり、単純な機能修正の副作用というレベルを超えていました。
予測の精度としては不十分な結果となり、申し訳ありません。この結果を踏まえ、今後はOSのコア部分への変更や、大型アップデートに伴うハードウェア(特にファームウェア)との互換性リスクについて、より一層の分析と警戒を強めてまいります。
4. 配信直後の初動レポート(2025/10/15 06:30時点)
配信開始から数時間が経過し、国内外のフォーラムやSNSで最初の反応が出始めています。現時点での状況をOS・バージョンごとにまとめます。
Windows 11 (25H2 / 24H2)
- インストール自体は正常に完了するものの、「ダウンロード」または「インストール中」のフェーズで通常より時間がかかるとの報告が一部で散見されます。特に9月のプレビュー更新を適用していなかった環境で、処理に30分以上を要したというケースがあるようです。
- 適用後に深刻なシステムクラッシュや起動不能に陥ったという広範囲な報告は、現時点では確認されていません。
Windows 11 (23H2)
- サポート終了が近いこともあり、対象ユーザーからの報告は比較的少なめです。
- 現在のところ、インストールに関する特筆すべき問題や、適用後の大きな不具合報告は見当たりません。
Windows 10 (22H2)
- 最後の月例更新ということもあり、多くのユーザーが適用を進めている模様です。
- インストールはほとんどの環境で問題なく、スムーズに完了しているとの報告が多数を占めています。「最後のアップデートが無事に終わって安心した」といった声が多く見られます。
5.【時系列】その後の不具合報告と動向(追跡分)
2025/10/28:【最終まとめ】10月定例更新(KB5066835)の総括と次期更新への引き継ぎ
本日(10月28日)は、次期プレビュー更新(11月下旬版)の配信予定日前日です。これをもちまして、10月15日の定例更新(KB5066835など)に関する不具合の集中追跡期間は終了といたします。この約2週間の動向を総括します。
総括: 今回のKB5066835は、Windows 10サポート終了のタイミングと重なり、Win10からの移行組のトラブル(インストール失敗、ファームウェア互換性問題)と、KB自体の不具合が混在する混乱したスタートとなりました。
最大の懸念であった「WinREでのUSB操作不能」という深刻な不具合は、Microsoftが迅速に(10月21日~)緊急修正パッチ(Out-of-band Update)を配信したことで、一般ユーザーの安全性は大きく改善しました。
一方で、以下の問題は11月の月例更新(またはそれ以降)に持ち越しとなっています。
- 開発者向け: IIS接続障害(公式既知問題・回避策あり)、エクスプローラーのプレビュー不具合(公式既知問題・11月修正予定)
- ゲーマー向け: 特定のGPUドライバ環境でのパフォーマンス低下(継続中)
結論: 一般ユーザー環境においては、Windows Updateを再度実行し「WinREの修正パッチ」を適用済みであれば、KB5066835は概ね安定したバージョンになったと判断できます。ただし、開発者やゲーマーの方は引き続き回避策の適用やアップデートの見合わせが必要です。
2025/10/25:【重要】WinREの不具合に修正パッチ配信開始、IIS・エクスプローラー不具合は公式既知問題に
KB5066835の配信から約10日が経過し、Microsoftが複数の不具合を公式に認め、一部については修正パッチの配信を開始しました。10月25日時点での最新動向をまとめます。
【最重要】WinRE(Windows回復環境)のUSB不具合と修正パッチ
- 現象: KB5066835適用後、WinRE(システムの復元やトラブルシューティングを行う回復環境)を起動した際に、USB接続のキーボードやマウスが一切反応しなくなるという深刻な不具合が報告されていました。
- 状況: Microsoftはこの問題を10月20日に公式に認め、10月21日深夜から順次、この問題を修正するための緊急修正プログラム(Out-of-band Update)の配信を開始しました。
- 対処法: Windows Updateで「更新プログラムのチェック」を実行してください。 修正パッチが自動的に検出・適用されます。適用後、WinREでのUSBデバイスが再び正常に動作するようになります。
【継続中】IIS(Webサーバー)の接続障害
- 現象:
localhostでの開発環境など、「HTTP.sys」に依存するIISサーバーへの接続が「ERR_CONNECTION_RESET」で失敗する問題は継続中です。特にHTTP/2プロトコル使用時に発生が集中しています。 - 状況: Microsoftはこれを公式の既知の問題(Known Issues)として登録しました。
- 暫定回避策: Microsoftは、管理者権限のPowerShellで以下のコマンドを実行し、HTTP/2を一時的に無効化することを推奨しています。
Set-ItemProperty -Path "HKLM:\Software\Microsoft\IIS\Parameters" -Name EnableHttp2 -Value 0
【新規確認】ファイルエクスプローラーのプレビュー不具合
- 現象: 主に法人ユーザーから、ファイルエクスプローラーのプレビューウィンドウが空白になり、機能しなくなるという報告が寄せられています。
- 状況: Microsoftはこの問題も公式に既知の問題として登録し、XAML Viewerとの競合が原因であると見ています。修正は2025年11月の月例更新(Patch Tuesday)で提供される予定です。
【追加報告】ゲームパフォーマンスの低下
- 現象: NVIDIA 560系の最新ドライバ環境を中心に、「Cyberpunk 2077」や「Assassin’s Creed Shadows」などでフレームレートが不安定になるとの報告が増加しています。DirectXのメモリ管理に関する変更の副作用が疑われています。
- 暫定回避策: 影響を受ける場合、グラフィックスドライバーを安定していた旧バージョン(552系など)にロールバックすることで改善するとの報告があります。
現時点での総括と推奨される対応(10/25時点)
結論: システム起動不能などの致命的な障害は引き続き発生していません。深刻だったWinREの問題も修正パッチの配信が始まったため、一般ユーザーの安全性は向上しました。しかし、開発環境(IIS)や特定のゲーム環境では依然として問題が残っており、11月の月例更新でこれらが包括的に修正されるのを待つのが賢明です。開発者の方や、古いファームウェアのPCをお使いの方は、引き続きアップデートの一時停止を推奨します。
2025/10/17 06:30 :インストール失敗の報告が増加、IISやゲームの不具合も
配信から2日が経過し、KB5066835に関するより詳細な情報が集まってきました。特にWin11 24H2/25H2環境において、インストールエラーの報告が継続しているほか、開発環境やゲーミング環境に影響を及ぼす新たな不具合が確認されています。
新たに報告・継続中の主な不具合
- インストールエラー(継続中): 一部の環境で、エラーコード「0x800f0991」「0x800f0983」「0x800f0922」などを伴いインストールに失敗するケースが引き続き報告されています。原因は多岐にわたりますが、多くは更新履歴の不整合やシステムファイルの破損に起因するようです。(詳細は後述)
- IIS(Webサーバー)の不具合: アップデート適用後、Windows標準のWebサーバー機能であるIIS(インターネット インフォメーション サービス)が正常に応答しなくなる事例が確認されています。Web開発者などがローカル環境でテストする際に利用する「localhost」への接続ができない(ERR_CONNECTION_RESET)という報告が中心です。
- ゲームパフォーマンスの低下: 「アサシン クリード シャドウズ」など、一部のグラフィック負荷が高いゲームタイトルで、フレームレートが低下するなどのパフォーマンス問題が散見されます。OSの更新とグラフィックスドライバー間の相性問題が疑われています。
- Blu-ray・DRM再生問題(未解決): 著作権保護されたコンテンツ(Blu-rayやDVDなど)が再生できない問題は、今回の更新でも解決されていません。なお、Netflixなどのストリーミングサービスには影響ありません。
改善・修正が確認された事項
- Chromiumベースのブラウザ(Edge, Chrome)で発生していた印刷プレビューのフリーズ問題は、ほぼ解消された模様です。
- ゲームパッドでログインした後にアプリが操作不能になる問題や、USB赤外線カメラでのWindows Helloセットアップエラーも、今回の更新で正式に修正されました。
現時点での総評と対処法
KB5066835は、ブラウザやサインイン周りの安定性を向上させた一方で、インストール自体の安定性や、特定の開発・ゲーミング環境において新たな課題を抱えています。Microsoftはこれらの問題を調査中であり、緊急の修正パッチ(Out-of-band)が提供される可能性も指摘されています。現時点で問題に直面している場合は、コマンドプロンプトから wusa /uninstall /kb:5066835 を実行して更新をアンインストールするか、次回の更新を待つのが安全策と言えます。
【深掘り解説】KB5066835のインストールが失敗する特定環境と技術的背景
今回の更新で報告されているインストール失敗は、特定の環境に集中する傾向があります。2025年10月17日時点での技術的な分析によると、主な原因はストレージの構成、システムファイルの破損、そして更新キャッシュの問題に起因すると考えられています。
インストール失敗を引き起こす5つの主要因
- コンポーネントストア(WinSxS)の不整合
- 過去の更新プログラムの残骸や破損が原因で、新しい更新ファイルとの間に矛盾が生じるケースです。特にエラーコード「0x800f0983」「0x800f0991」が頻出しており、システム復元を多用する環境で発生しやすいと報告されています。
- SSU(サービススタック更新)の適用タイミング競合
- KB5066835にはOSの更新機能を担うSSUが含まれていますが、これが古い環境で適用される際にタイミングの競合が発生し、インストールが中断されることがあります。
- システム予約領域・EFI領域の空き容量不足
- Windowsの起動に必要な小さなパーティション(EFI領域など)の容量が不足し、更新ファイルを配置できずに失敗するケースです。過去にBitLockerの設定を変更したり、特定のバックアップソフトを使用していたりする環境で顕在化しやすいです。
- サードパーティ製セキュリティソフトの干渉
- Avast, ESET, McAfeeなどの一部セキュリティソフトが、更新プロセスを脅威と誤認してブロックしてしまう事例が確認されています。一時的にリアルタイム保護を無効にすることで成功する場合があります。
- 仮想化・デュアルブート環境でのシステム識別エラー
- Hyper-VやVMwareなどの仮想環境や、Linuxとのデュアルブート環境では、ディスク情報の識別に問題が生じ、エラーで停止することがあります。
Microsoftや技術コミュニティが推奨する暫定対処手順
もしインストールに失敗する場合、以下の手順を管理者権限で実行することで改善する可能性があります。
-
- システムファイルの修復: コマンドプロンプト(管理者)で以下のコマンドを順に実行します。
Dism /Online /Cleanup-Image /RestoreHealthsfc /scannow
- システムファイルの修復: コマンドプロンプト(管理者)で以下のコマンドを順に実行します。
- 更新キャッシュのクリア: 同様に、以下のコマンドを順に実行します。
net stop wuauserv net stop bits del /q /f %windir%\SoftwareDistribution\Download\* net start bits net start wuauserv
- 手動インストール: Microsoft Update Catalogから更新プログラムを直接ダウンロードしてインストールを試みます。
これらの手順でも解決しない場合、最終手段としてOSの上書き修復(In-place Upgrade)が推奨されています。
DISMの実行方法について
DISMとSFCに関しては、(破損の度合いによっては)通常の実行では効果がなかったという例も一部あるようです。
そのような場合は以下の手段を取ってください。
1)セーフモードとネットワークで起動してDISMとSFCを実行する。
2)オフライン(OSが起動していない状態)でDISMとSFCを実行する。
参考記事: 【SFCとDISM】究極奥義「オフライン実行」でOSを徹底修復-完全解説版【2025/08/12】
効果のない場合は、OSをリプレースインスして修復を試みることになります。
ただし、OSがWin7/8.1からのアップデートの方は以下に留意してください。
【重用】無償アップデート版OS使用者が修復インストールを実行する場合の注意
もとがWin7/8.1からの無償アップデートの方は、修復インストールを安易に実行しないでください。(大元がWin10の方は大丈夫)
稀ではありますが、OSの利用権が消失してしまうことがあります。
※ (状況は変化しているかもしれませんが)参考記事公開時点の調査ではMSの認証サポート窓口に電話認証をお願いしても「再認証はできません」と言われてしまう状況でした。(新たにWin11を購入するしかなくなります)
通常操作で改善しなかった場合は、セーフモードとネットワークでの実行 ⇒ 面倒とは考えずにオフラインでの実行、これを必ず先に行ったうえでの最終手段としてリプレースインストールに進むようにしてください。
参考記事:
【重大・重要】詰みました…旧OSからWin10/11にアップグレードしている場合【2025/03/21移転】
【要注意!】Windows 10からWindows 11への乗り換えで「認証できない!」NGパターン徹底解説【2025/06/30】
2025/10/15 10:10の初動調査
全体として、SSDやNICなどのパーツが古め(ないしはドライバーが古い)場合には注意が必要な傾向が見て取れるようです。
古めのパーツを使用していたり現行パーツでもドライバー更新を行っていない場合や、利用OSバージョン対応のドライバーがない/当たっていないケースに注意が必要でしょう。
また、このブログではしつこいぐらいに書いているのですが、PCメーカーの総合ユーティリティーソフトやM/Bベンダーやグラボベンダーのユーティリティーソフトなどは「必ず利用OSバージョンに対応したもの」を利用するようにしてください。
非対応のものはアンインストールすることを強くおすすめします。
システム領域不足が原因と考えられるもの
Windowsインストール用の「リカバリパーティション」「システム予約パーティション(EFI、MSRなど)」の空き容量が不足していると考えられる、「インストールに必要なシステム領域の空き容量不足」は一定数発生しています。
主なトラブル内容
- エラーコードの例として「0x80070002」「0x80070001」などが多く挙がっています。
- 同時に複数の更新ファイルをネットワーク経由でインストールしようとすると失敗しやすい現象も見られます。
- 25H2への大型アップデート時のインストールメディア作成失敗やアップデート失敗も一部ユーザーで発生しています。
多くはないが留意が必要であるものや重症化の懸念のあるもの
現在確認されている技術的懸念と軽度な不具合
一部SSD/ストレージ関連の互換性リスク
- 25H2環境ではPhisonコントローラ搭載SSDのファームウェア不整合により、一部で「RAW化」「ボリューム認識不可」「デバイスマネージャーで未検出」などの報告があります。
- これはWindowsのストレージドライバ側の認識処理変更が影響しており、KB5066835適用で顕著化した例がわずかに見られます。
- 対処法としては、ストレージベンダーの最新ファームウェア適用と手動ドライバ更新が推奨されています。
ネットワークアダプタの認識不具合
- 一部Intel・Realtek系NICドライバがリセット時に再初期化できず、ネットワークが一時的に切断されるケースがあります。
- 再起動やドライバの再インストールで解消できる事例が確認されています。
システム回復関連
- 今回のKBで「PowerShell Remoting」「Windows Remote Management(WinRM)」のセッション管理が改修された関係で、レジストリ監査イベント処理が変わりました。
- 回復領域(特にシステム保護ポイント/復元ポイント)に直接悪影響を与える事例は今のところなく、ブート領域破損・MSR破損などの深刻障害は報告なしです。
システム領域への影響判断
- EFIブート/BCDストア/回復パーティションの破損や削除が発生した例は皆無で、OS破損・再起動不能といった報告は一切確認されていません。(ただし、この手の報告は使っているPCが起動不能になってしまいますので遅れてでてくることが多いです)
- ただし、記憶装置のファームウェアが古いPCでは、アップデート後の初回再起動でディスク検証(CHKDSK相当)が走る報告が少数あります。これはWindows Update後にファイルシステムメタデータが再同期されるためであり、異常ではありません。
まとめ
- KB5066835によるブート・システム破壊レベルの障害は確認されていません。
- 軽度の互換性リスクは記憶域デバイス(SSD)・一部NICに集中しており、主にドライバまたはファームウェアの調整で対処可能です。
- 今後のローリング配布段階(10月下旬~11月初旬)で追加影響が出ないか監視されていますが、今回の更新は「システム領域の安全性は概ね問題なし」と判断できます。
Q&A
Q. Windows 10の最後の更新とのことですが、不具合が怖いので適用しない方が安全ですか?
A. いいえ、特別な理由がない限り、必ず適用してください。今回のKB5066791は、Windows 10に無償で提供される最後のセキュリティ更新プログラムです。これを適用しないと、既知の脆弱性が修正されないままとなり、サポート終了と同時にPCが非常に危険な状態に置かれます。もし適用後に不具合が発生した場合は、更新プログラムをアンインストールして様子を見ることも可能ですが、まずはセキュリティを確保することを最優先すべきです。
Q. アップデートしたらPCからFAXが送れなくなりました。どうすればよいですか?
A. まず、お使いの環境が「PCに直接接続された旧型のFAXモデム」なのか、「LANやUSBで接続された複合機」なのかをご確認ください。前者(旧型FAXモデム)の場合、今回の更新でドライバーが削除されたため、残念ながらOS標準の機能では使用できなくなりました。後者(複合機)の場合は、今回の更新の影響ではない可能性が高いです。複合機のメーカーが提供している最新のプリンタードライバーやPC-FAXドライバーを再インストールすることで、問題が解決することがあります。
Q. Windows 11 (23H2) を使っています。もうすぐサポートが終わるなら、今回の更新は無視してすぐに24H2や25H2にアップグレードした方が良いですか?
A. 先に今回の月例更新(KB5066793)を適用し、OSを最新の状態にしてから、バージョンアップグレードを行うことをお勧めします。月例更新には重要なセキュリティ修正が含まれており、これを適用せずにいる期間はPCが無防備になります。また、OSが最新の状態である方が、バージョンアップグレードがスムーズに進む可能性が高いです。まずはセキュリティを確保し、その後、時間に余裕をもって新しいバージョンへのアップグレードを計画してください。
記事中の専門用語の解説
- ltmdm64.sys
- PCに内蔵されたり、USBで接続されたりする「FAXモデム」というハードウェアを動かすための、Windowsに標準で搭載されていたドライバー(制御プログラム)の一種です。今回の更新でWindowsから削除されたため、このドライバーに依存する古いFAXモデムは動作しなくなりました。
- サロゲートペア (Surrogate Pair)
- コンピュータが文字を扱う際、通常の文字セット(例: 😊や🔥のような絵文字、一部の漢字など)では表現できない特殊な文字を表すために使われる技術的な仕組みのことです。古いアプリケーションでは、この仕組みに正しく対応できず、文字化けやエラーの原因となることがあります。
- PowerShellリモート処理 (PowerShell Remoting)
- 主にIT管理者などが、ネットワーク経由で他のコンピュータに接続し、コマンドを送り込んで遠隔操作するための機能です。これにより、一台のPCから複数のサーバーやPCを効率的に管理できます。今回の更新では、この遠隔操作の通信に関する修正が行われました。
最後に
(1)記事更新中は
記事を最後までお読みくださりありがとうございました。
この記事は、次の更新プログラムが配信されるまで、新たな不具合報告などを追跡し、情報を随時追記していきます。更新情報がありましたら、またご確認ください。
記事へのご質問やフィードバックについて
記事の内容に関してご不明な点やご質問がありましたら、お気軽にコメント欄にご投稿ください。すべてのご質問に必ずしも回答できるとは限りませんが、可能な限りお答えしたり、今後の記事作成の参考にさせていただきます。
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この記事では明示的にプロモーションとして取り扱っているものはありません。
ただし、過去のプロモーションなどで取り扱った商品名や企業名などがプロモーション目的ではなくとも記載されている場合があります。
過去のプロモーションなどで取り扱った企業名は、できる限りステマ規制に関する表示についてのアフィリエイト等関連業者名一覧の項で記載していますので、お手数ですがそちらでご確認ください。


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