この記事の要約
2025年9月の月例更新が配信されました。Microsoftが公式に認めている既知の不具合はごく限定的ですが、ファイル共有(SMB)やインストーラー関連に大きな変更が加えられており、特定の環境では注意が必要です。この記事では、公式発表された問題点と、本サイト独自の障害予測、そしてアップデート適用後のコミュニティの反応を時系列で追跡していきます。
この記事について
この記事は、毎月のWindows Updateについて、既知の不具合、未報告の問題、そして今後発生しうる障害の予測に特化して解説するものです。
各記事の期間は、基本的に次回の定例またはプレビュー更新が提供されるまでとなり、新規記事に移行されます。
なお、更新プログラムの「新機能」や「修正内容の詳細」については、別途公開している月例KB詳細記事をご覧ください。
項目 | 内容 |
---|---|
対象KB | Win11(24H2): KB5065426 Win11(23H2): KB5065431 Win10(22H2): KB5065429 |
キーワード | Windows Update, 不具合, 障害, 既知の問題, 予測, 解決策, 2025年9月, Windows 11, Windows 10 |
最新情報更新日 | 2025/09/12…初版公開 |
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テキスト版ダイジェスト(2025/09/12時点)
2025年9月の月例更新は、8月に多くのユーザーを悩ませたPCリセットの失敗や、特定のアプリで表示されたUACプロンプトといった重要な不具合を修正する、待望のアップデートです。Windows 10と11 23H2では、これにより安定性が向上したとの声が多く聞かれます。
しかし、最新のWindows 11 24H2では、新たな問題が発生しています。一部の環境ではインストールが7%前後で失敗・ロールバックされる現象が報告されており、その原因にはPCの根深い「システム領域の容量不足」が関係している可能性があります。
この記事では、これらのインストール失敗の技術的な背景を分析し、根本的な解決策に繋がる『準備編』記事へとご案内します。さらに、公式には「修正済み」とされながらも一部で継続している不具合や、私たちが事前に予測したファイル共有(SMB)の問題が実際に報告され始めている現状を、国内外のフォームの声を基に時系列で詳しく追跡します。
本文
1. アップデート適用前の準備と心構え
Windows Updateには、予期せぬ不具合のリスクが常に伴います。アップデートを適用する前には、必ず万全の準備を行い、ご自身のPCとデータを守るための「自衛策」を講じてください。
具体的な準備の手順については、以下のまとめ記事で詳細に解説しています。アップデート作業を開始する前に、必ず一度ご確認ください。
最低限、以下の3点は必ず実施するようにしてください。
- システムの復元ポイントの作成
- システム全体のイメージバックアップの取得
- BitLocker回復キーの確認と保管
2. Microsoft公式発表:今月の「既知の不具合」
Microsoftが公式に認めている、今回の更新プログラムに関する既知の問題は以下の通りです。
2.1. Windows 11 Version 24H2 (KB5065426) の既知の不具合
問題:ホットパッチが適用されたデバイスでPSDirect接続が失敗する
- 症状: この更新プログラムを適用したホットパッチ対応デバイス(主にサーバーOS)において、ホストとゲスト仮想マシン(VM)間のPowerShell Direct接続が断続的に失敗することがあります。
- 回避策: この問題は将来の更新プログラム(KB5066360)で解決される予定です。それまでは、ホストとゲストVMの両方を最新の状態に更新することで、問題の発生を抑えることができます。
2.2. Windows 11 Version 23H2 (KB5065431) の既知の不具合
現在、Microsoftはこの更新プログラムに関する既知の問題を公表していません。
2.3. Windows 10 Version 22H2 (KB5065429) の既知の不具合
現在、Microsoftはこの更新プログラムに関する既知の問題を公表していません。
公式情報ページ
下記ページの左側のメニューから、各バージョンの既知の不具合に関する最新情報を閲覧できます。
3. 本サイト独自の障害予測
3.1. Win11(24H2)のKB適用で発生する可能性のある障害
今回のKB5065426では、8月の更新で問題となったMSIインストーラー(UAC)やNDIストリーミングに関する修正、そしてファイルサーバー(SMB)の互換性監査機能の有効化など、システムの比較的深い部分に変更が加えられています。
これらの変更点から、以下のような不具合が発生する可能性が考えられます。
- 一部の古いNASや複合機でファイル共有が遅くなる、または接続できなくなる可能性
【予測の根拠】: 今回の更新で、ファイルサーバー機能(SMB)のセキュリティ監査機能が有効化されました。この変更により、古いSMBプロトコルを使用しているNAS(ネットワーク接続ストレージ)や、複合機のスキャン to フォルダ機能などで、互換性の問題が発生し、パフォーマンスが低下したり、接続自体が不安定になったりする可能性があります。 - 特定の業務アプリケーションや古いソフトで、インストールや修復に失敗する可能性
【予測の根拠】: 8月に問題となったMSIインストーラーのUACプロンプト問題を修正しましたが、この種の修正は副作用が出やすい傾向があります。特に、独自のカスタムアクションを多用するCADソフトや、古い開発環境で作られた業務アプリなどで、インストーラーが予期せず停止したり、修復機能が正常に動作しなくなったりするケースが考えられます。 - 一部のストリーミング・配信ソフトで、映像と音声の同期ズレ(遅延)が発生する可能性
【予測の根拠】: 8月に発生したNDI使用時の音声途切れ問題は修正されましたが、ネットワーク越しのストリーミング処理に変更が加えられたことになります。これにより、OBS Studio以外の配信ソフトや、特定のキャプチャーボードとの組み合わせで、修正前にはなかった映像の遅延(レイテンシー)や、音ズレといった新たな問題が発生する可能性があります。
3.2. Win11(23H2)のKB適用で発生する可能性のある障害
今回のKB5065431では、プレビュー版から引き継いだExplorerやファイル共有の修正に加え、セキュリティ強化の一環としてMSIインストーラーの挙動にも変更が加えられています。
これらの変更点から、以下のような不具合が発生する可能性が考えられます。
- 一部の古い業務アプリやカスタムツールで、インストールやアップデートに失敗する可能性 【予測の根拠】: プレビュー版から問題となっていたMSIインストーラーのUAC問題を修正しましたが、これはセキュリティを強化するための変更です。その結果、正規の作法に則っていない古いインストーラーを持つソフトウェア(特に企業向けの内製ツールなど)が、この新しいセキュリティ要件に対応できず、インストールや修復に失敗するケースが考えられます。
- SharePoint以外のクラウドストレージ(Google Drive, Dropboxなど)で、ファイルの同期状態の表示が不安定になる可能性 【予測の根拠】: 多数のSharePointサイトを同期した際のパフォーマンス問題を修正しましたが、この種の修正はエクスプローラーのファイル状態表示の仕組みに影響を与えることがあります。その副作用として、直接関係のない他のクラウドストレージクライアントの同期アイコン(オンラインのみ/ローカルに存在など)が正しく表示されなくなる可能性があります。
3.3. Win10(22H2)のKB適用で発生する可能性のある障害
今回のKB5065429では、8月に発生したPCのリセット機能やMSIインストーラー(UAC)の問題が修正されています。また、Win11と同様にファイルサーバー(SMB)の互換性監査機能が追加されており、システムの挙動に関わる変更が含まれています。
これらの変更点から、以下のような不具合が発生する可能性が考えられます。
- 一部の古いNASや複合機でファイル共有が遅くなる、または接続できなくなる可能性
【予測の根拠】: Win11と同様、ファイルサーバー機能(SMB)のセキュリティ監査機能が有効化されました。この変更により、古いSMBプロトコルを使用しているNAS(ネットワーク接続ストレージ)や、複合機のスキャン to フォルダ機能などで互換性の問題が発生し、パフォーマンスが低下したり、接続自体が不安定になったりする可能性があります。Windows 10は古い機器と接続されているケースが多いため、特に注意が必要です。 - 特定の業務アプリケーションや古いソフトで、インストールや修復に失敗する可能性
【予測の根拠】: 8月に問題となったMSIインストーラーのUAC問題を修正しましたが、これはセキュリティを強化するための変更です。その結果、正規の作法に則っていない古いインストーラーを持つソフトウェア(特に企業向けの内製ツールなど)が、この新しいセキュリティ要件に対応できず、インストールや修復に失敗するケースが考えられます。
今回の予測の妥当性検証
※期間終了時に、予測がどの程度妥当であったかをここで総括します。
4. 配信直後の初動レポート(2025/09/12時点)
アップデートが配信されてから約48時間が経過し、国内外のフォーラムやSNSで、早期適用者からの第一報が出始めています。現時点での初動レポートをOS・バージョン別にまとめます。
Windows 11 Version 24H2 (KB5065426)
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- インストール関連の問題
- 一部の環境で、インストールが再起動後に7%前後で進まなくなり、最終的に自動で元に戻されてしまうという失敗報告が複数挙がっています。
- エラーコードとしては 0x800f0991 や 0x80070005 などが報告されており、ストレージの空き容量不足や、サードパーティ製のセキュリティソフトとの干渉が原因として疑われています。
- インストールに成功した場合でも、通常より大幅に時間がかかるとの報告も引き続き散見されます。
- インストール関連の問題
- インストール後の不具合
- UACプロンプトの問題: 公式には「修正済み」とされていますが、一部の環境ではOffice 2010などで依然としてUACプロンプトが表示される、という報告が少数ながら残っています。また、予測通り、古い業務ソフトのインストーラーが動作しなくなったという報告も出始めています。
- NDI/SMB関連: NDIの音声途切れ問題も公式には「修正済み」ですが、一部の特殊な構成では症状が持続するとの声があります。また、予測していた通り、一部のNASや複合機で「ファイル共有が遅くなった」という報告が挙がり始めています。
- その他の軽微な不具合: 「OSの起動音や通知音などのシステム音が小さくなった」「IISマネージャーのモジュールが依然として表示されない」といった、個別の環境に依存すると思われる軽微な問題も報告されています。
Windows 11 Version 23H2 (KB5065431)
- 両者の情報源で共通して、目立った不具合の報告はなく、比較的安定しているようです。一部でインストールに時間がかかるという報告は見られますが、深刻な問題には至っていません。
Windows 10 Version 22H2 (KB5065429)
- 両者の情報源で共通して、現時点で深刻な問題や広範囲に影響する不具合の報告はほとんどありません。8月に発生していたPCのリセット問題などが解消されたことで、むしろ安定性が増したとの声が多く、今回のアップデートの中では最も安定しているバージョンと言えそうです。
5.【時系列】その後の不具合報告と動向(追跡分)
(現在、追記する新しい情報はありません)
3.3. Win10(22H2)のKB適用で発生する可能性のある障害
今回のKB5065429では、8月に発生したPCのリセット機能やMSIインストーラー(UAC)の問題が修正されています。また、Win11と同様にファイルサーバー(SMB)の互換性監査機能が追加されており、システムの挙動に関わる変更が含まれています。
これらの変更点から、以下のような不具合が発生する可能性が考えられます。
- 一部の古いNASや複合機でファイル共有が遅くなる、または接続できなくなる可能性
【予測の根拠】: Win11と同様、ファイルサーバー機能(SMB)のセキュリティ監査機能が有効化されました。この変更により、古いSMBプロトコルを使用しているNAS(ネットワーク接続ストレージ)や、複合機のスキャン to フォルダ機能などで互換性の問題が発生し、パフォーマンスが低下したり、接続自体が不安定になったりする可能性があります。Windows 10は古い機器と接続されているケースが多いため、特に注意が必要です。 - 特定の業務アプリケーションや古いソフトで、インストールや修復に失敗する可能性
【予測の根拠】: 8月に問題となったMSIインストーラーのUAC問題を修正しましたが、これはセキュリティを強化するための変更です。その結果、正規の作法に則っていない古いインストーラーを持つソフトウェア(特に企業向けの内製ツールなど)が、この新しいセキュリティ要件に対応できず、インストールや修復に失敗するケースが考えられます。
今回の予測の妥当性検証
※期間終了時に、予測がどの程度妥当であったかをここで総括します。
Q&A(2025/09/12時点)
Q:今すぐアップデートすべきですか? それとも様子見が良いですか?
A:お使いのOSのバージョンによって判断が分かれます。
- Windows 10 / Windows 11 23H2 の方:
深刻な不具合の報告がほとんどなく、8月の問題を修正する内容でもあるため、早期の適用を推奨します。 - Windows 11 24H2 の方:
インストールに失敗する事例が報告されています。急いでいないのであれば、Microsoftから回避策などの情報が出るまで数日間〜1週間ほど様子見をするのが安全です。適用する場合は、必ず事前に完全なバックアップを取得してください。
Q:Win11 24H2で、アップデートに失敗します(7%で止まるなど)。どうすれば良いですか?
A:エラーコード「0x800f0991」が表示されている場合、システム領域(特に回復パーティション)の容量不足が原因である可能性が高いです。根本的な解決策は、当サイトの『【準備編】Windows Updateに賢く備えるための必須対策まとめ』で解説している「システム領域の拡張」となります。まずは、Windows Updateのトラブルシューティングツールを実行してみるのも一つの手です。
Q:アップデート後にPCの調子が悪くなりました。まず何をすべきですか?
A:まずはPCを再起動してみてください。それで改善しない場合は、Windows Updateの設定画面から該当のKB(KB5065426など)をアンインストールするのが最も基本的な対処法です。それでも解決しない場合は、アップデート前に作成したシステムの復元ポイントを使って、PCを更新前の状態に戻してください。
記事中の専門用語の解説
- 回復パーティション (WinRE)
- PCの起動ディスクに確保された、特殊な隠し領域のことです。Windowsが正常に起動しなくなった際に、システムの復元やスタートアップ修復といったトラブルシューティングツールを起動するための「救急箱」が格納されています。
- SMB (サーバーメッセージブロック)
- Windowsのネットワーク上で、ファイル共有やプリンター共有を行うために使われる通信プロトコル(言語)のことです。NAS(ネットワーク接続ストレージ)や、他のPCの共有フォルダにアクセスする際に、このSMBが使われています。
- UAC (ユーザーアカウント制御)
- ソフトウェアがPCのシステム設定などに重要な変更を加えようとする際に、「許可しますか?」と表示される確認画面のことです。マルウェアなどが勝手にシステムを変更するのを防ぐための、セキュリティの門番のような役割を持っています。
最後に
(1)記事更新中は
記事を最後までお読みくださりありがとうございました。
この記事は、次の更新プログラムが配信されるまで、新たな不具合報告などを追跡し、情報を随時追記していきます。更新情報がありましたら、またご確認ください。
(2)次回シリーズ記事が開始したら(次の定例またはプレビューKB提供)総括した内容で締める。
(3)以下定例文
記事へのご質問やフィードバックについて
記事の内容に関してご不明な点やご質問がありましたら、お気軽にコメント欄にご投稿ください。すべてのご質問に必ずしも回答できるとは限りませんが、可能な限りお答えしたり、今後の記事作成の参考にさせていただきます。
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