- この記事の要約
- この記事について
- KB 一覧 (2025年9月10日リリース分)
- 本文
- Q&A
- 最後に
- この記事中の広告リンクについて
この記事の要約
※ この要約はGoogle Geminiを利用して作成されました
2025年9月10日(日本時間)、MicrosoftはWindows 11およびWindows 10向けに月例セキュリティ更新プログラムをリリースしました。今月のアップデートでは、Windowsカーネルや各種コンポーネントに存在する、リモートでコードが実行される可能性のある深刻な脆弱性を含む、多数のセキュリティ問題が修正されています。すべてのユーザーに早期の適用が強く推奨されます。
また、品質向上として、8月から問題となっていた以下の重要な不具合が各OSで修正されています。
- 特定のアプリで予期しないUACプロンプトが表示される問題(Win11/Win10)
- PCのリセットや回復機能が失敗する問題(Win10)
- NDI利用時に音声が途切れる問題(Win11 24H2)
本記事では、これらの公式情報に加え、更新内容から発生しうる不具合を独自に予測しているほか、今後のアップデートに備えるための古いドライバーやソフトウェアに関する重要な注意喚起も掲載しています。
アップデート適用前には、必ず復元ポイントの作成とデータのバックアップを実施してください。
この記事について
この記事は、2025年9月第2週に配信されたWindows Updateの定例更新に関する詳細情報を提供するものです。
なお、本サイトの記事ではMicrosoftのKB情報提供方法の変更点に対応し、正式版KB公開時の記事では、必要性を鑑みプレビュー版と正式版の情報を統合して記載しています。
また、独自情報として既知の不具合のほかに「KB内容から発生が予測されうる不具合の予測」を提供しています。
項目 | 内容 |
---|---|
KB配信期間 | 2025年9月 第2週 |
主要KB(KBナンバー) | Win11(24H2): KB5065426 (09/10) Win11(23H2): KB5065431 (09/10) Win10(22H2): KB5065429 (09/10) |
悪意のあるソフトウェアの削除ツール | 今回はありません |
.NET/.net更新 | KB一覧参照 |
Dynamic Update 他 | 今回はありません |
キーワード | Windows Update, KB, 2025年9月 更新, Windows 10, Windows 11, 不具合, 障害, セキュリティ, 予測, 予防, 解決策 |
対象OS/Ver. | Windows 11 (24H2, 23H2), Windows 10 (22H2) |
情報元PC | Win11 (24H2) AMD CPU実機, Win11 (23H2) AMD CPU仮想マシン, Win10 (22H2) AMD CPU仮想マシン |
対象読者 | Windows Update関連情報を求めるユーザー、PCの安定稼働を重視する方、情報システム担当者など |
AIの利用 | 記事中の記述事項の調査・整理・予測に、AIを利用しています |
履歴 | 2025/09/10…初版公開 |
KB 一覧 (2025年9月10日リリース分)
Win11の24H2用、Win11の23H2用、Win10の22H2(x64)用、.NETの抽出一覧です。
【Windows 11, version 24H2】
KB5065426: 2025-09 x64 ベース システム用 Windows 11 Version 24H2 の累積更新プログラム
【Windows 11, version 23H2 】
KB5065431: 2025-09 x64 ベース システム用 Windows 11 Version 23H2 の累積更新プログラム
【Windows 10, version 22H2】
KB5065429: 2025-09 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 22H2 の累積更新プログラム
【.NET Framework】
KB5065440: (Win11 24H2/23H2向け) .NET Framework 3.5 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム
KB5065439: (Win10 22H2向け) .NET Framework 3.5 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム
本文
番外.MSIインストーラーとWin7時代からの古いドライバーの関係-そして今後
重要
今回のアップデート内容をきっかけに、Windows Updateと古いドライバーの関係性について、少し深掘りして解説します。
特に「Win7などの古いOS時代から引き続きアップグレード」「OSは新規にインストールし直しているが周辺機器などは古い」「PCメーカーの独自ユーティリティがお使いのOS(バージョン)に対応していない」、このような方は留意が必要です。
また、不適合ドライバーなどが原因でBSoDが発生してしまうようなケースでは、セーフガードホールドによりセキュリティー更新も適用されなくなり、セキュリティーリスクを放置してしまうという結果になることもあります。
「MSIのUAC修正」は古いドライバーに影響するのか?
結論から言うと、今回の「MSIのUAC修正」が直接、古いドライバーの自動例外登録を外してしまうような、広範囲にわたる問題を引き起こす可能性は低いと考えられます。その理由は以下の通りです。
- インストーラー形式の違い: ほとんどのドライバーは、MSI形式ではなくINFファイルという形式でインストールされるため、今回の修正の直接的な対象外です。
- 修正の方向性: 今回の修正は、厳しすぎたUACのチェックを適切な範囲に「緩める」方向の調整です。そのため、これまで動いていたものを新たにブロックする可能性は低いです。
ただし、ドライバーのインストーラーが非常に稀なMSI形式で、内部で自己修復を行うような作りの場合は、影響を受ける可能性がゼロではありません。
より本質的なリスク:古いドライバーとOSのセキュリティ強化
この件で最も重要なのは、今回のMSI修正という個別の話よりも、Windows 11がセキュリティを強化し続けているという大きな流れそのものです。
Windows 7時代に作られた古いドライバーの中には、現在のWindows 11が要求する厳格なセキュリティ基準(ドライバー署名など)を満たしていないものが多数存在します。
これまではOSの互換性維持機能のおかげでギリギリ動作していたものが、月例アップデートでセキュリティの穴が一つ塞がれるたびに、その互換性維持の前提が崩れ、ある日突然動かなくなるというリスクは常に存在します。
今後のWindowsとユーザーが取るべき「自衛策」
2025年秋に予定されている次期バージョン「25H2」では、AI機能の拡充と、さらなるセキュリティ強化が予告されています。これにより、ソフトウェアやドライバーに求められる互換性のハードルは、さらに引き上げられるでしょう。
そこで、この機会に、お使いのPCにインストールされている古いドライバーや、PCメーカー独自の古いユーティリティソフトを見直すことを強くお勧めします。
メーカーのサポートサイトで最新のWindows 11に対応したバージョンが提供されていれば更新し、もし提供されておらず、現在その機能を使っていないのであれば、アンインストールしておくのが賢明です。
こうした「備え」が、将来の月例アップデートやバージョンアップ時の、原因不明のブルースクリーンや起動不能といった深刻なトラブルを未然に防ぐ、最も効果的な自衛策となります。
1. アップデート適用前に推奨される処置
1.1. 必須処置
明示的にシステムの復元ポイントを作成しておく
Windows Update適用前には、万が一の事態に備え、必ずシステムの復元ポイントを手動で作成しておきましょう。「コントロールパネル」>「システムとセキュリティ」>「システム」>「システムの保護」から、「2025年7月WU適用前」など、分かりやすい名前をつけて作成してください。これにより、問題が発生した場合に簡単に以前の状態に戻すことが可能です。
BitLocker回復キーの再確認と複数箇所への保存
BitLockerを使用している場合は、アップデート前に回復キーが正しく保存されているか再確認し、もしもの時に備えて複数箇所に保管しておくことを強く推奨します。aka.ms/myrecoverykey からMicrosoftアカウントに保存されているか確認できるほか、USBメモリや紙に印刷して保管するなど、アクセス可能な状態にしておきましょう。
1.2. 推奨処置
システム全体の完全なバックアップ
より確実な安全策として、信頼できるサードパーティ製ソフトウェアを用いて、OSを含むシステムドライブ全体のイメージバックアップを取得しておくことをお勧めします。これにより、深刻な問題が発生した場合でも、OSやアプリケーション、設定を含め完全に復元できます。
重要なデータの外部ドライブへのバックアップ
これは日常的な習慣として重要ですが、大型アップデート前には特に、作成中のドキュメントや写真、動画など、失われると困る重要なデータを必ず外部ドライブやクラウドサービスにバックアップしてください。
2. OS・バージョン別アップデート詳細
お使いのOSとバージョンに合わせて、詳細な更新内容をご確認ください。
現在 MS は、毎月第2週の正式版 KB 発表時に前月第4週に配信した プレビュー KB の内容はそちらを参照するようにということでアナウンスするため、KB の内容が一目で把握しにくくなっています。このサイトでは、プレビュー KB の内容と翌月のの正式版 KB の内容を比較検討して統合して掲載しています。
2.1. Windows 11 Version 24H2
このバージョン向けの主要な累積更新プログラムです。セキュリティの修正と、前回のプレビュー更新で提供された多くの新機能や改善が含まれています。
ダウンロードページへのリンク
ロール:KB5065426
2025-09 Cumulative Update for Windows 11 Version 24H2 for x64-based Systems (KB5065426) (OS Build 26100.6584)
2025 年 9 月 10 日 — KB5065426 (OS ビルド 26100.6584)
ハイライト
このアップデートは、Windowsのセキュリティを強化する月例の更新プログラムです。
また、2025年8月末に配信されたプレビュー版(KB5064081)で導入された「リコール」機能やタスクバーの改善、ロック画面ウィジェットのパーソナライズといった多数の新機能と品質向上がすべて含まれています。
8月の更新(KB5063878)以降に発生していた、NDI(Network Device Interface)利用時の音声が途切れる問題や、特定のアプリで予期しないUACプロンプトが表示される問題が、この更新プログラムで修正されています。
新機能(8月のプレビュー版KB5064081から統合)
- リコール (Recall): 最近のアクティビティやよく使うアプリ、Webサイトを一覧表示する新しいパーソナライズホームページ機能が追加されました。
- タスクバーの改善: 通知センターに「秒」まで表示する時計を再度有効にするオプションが追加されました。また、タスクバーの検索結果が、画像を素早く見つけやすいグリッド表示に対応しました。
- ロック画面ウィジェットの強化: 天気、株価、スポーツ、交通情報など、ロック画面に表示するウィジェットを自由に追加、削除、並べ替えできるようになりました。
- 設定アプリの改善: Windowsのアクティベーションに関する通知が新しいデザインに変更されました。また、Copilot+ PCでは、設定アプリ内でエージェント(AI)を使い、設定の検索や変更が可能になりました。
- ウィジェットボードの強化: 複数のダッシュボードを利用可能になり、より多くのウィジェットを整理して配置できるようになりました。
- その他の新機能: アプリが場所やカメラへのアクセスを要求した際のダイアログボックスのデザイン刷新、エクスプローラーのコンテキストメニューのアイコン分離、組織向けWindowsバックアップの一般提供開始などが含まれます。
品質の向上と修正(KB5065426で新たに追加・解決された問題)
- 【修正済み】アプリの互換性 (MSIインストーラーの問題): 8月の更新以降、特定のアプリ(Office 2010やAutodesk製品など)の修復やインストール時に、管理者以外のユーザーに予期せずUAC(ユーザーアカウント制御)プロンプトが表示される問題が修正されました。
- 【修正済み】ネットワーク (NDIの問題): 8月の更新(KB5063878)以降、OBS StudioなどでNDIを使用して画面キャプチャを有効にすると、音声が途切れる問題が修正されました。
- 【修正済み】入力の問題: 特定のアプリで入力への応答が停止する問題が修正されました。
- 【修正済み】Pluton暗号化プロバイダーのエラー: イベントビューアーに「Microsoft Pluton Cryptographic Provider」の初期化失敗エラー(ID 57)が記録される問題が修正されました。
- ファイルサーバー: SMBクライアントの互換性監査機能が有効になり、管理者が事前に潜在的な互換性の問題を特定できるようになりました。
- サービススタックの更新: Windows Update自体の信頼性を向上させるためのサービススタック更新プログラム(KB5064531)が含まれています。
この更新プログラムに関する既知の問題
2.2. Windows 11 Version 23H2
このバージョン向けの主要な累積更新プログラムです。セキュリティの修正と、前回のプレビュー更新で提供された品質の向上が含まれます。
ダウンロードページへのリンク
ロール:KB5065431
2025-09 Cumulative Update for Windows 11 Version 23H2 for x64-based Systems (KB5065431) (OS Builds 22621.5909 and 22631.5909)
2025 年 9月 10 日 — KB5065431 (OS ビルド 22621.5909 および 22631.5909)
ハイライト
このアップデートは、Windowsのセキュリティを強化する月例の更新プログラムです。
また、2025年8月末に配信されたプレビュー版(KB5064080)で提供された、エクスプローラーの安定性向上やファイル共有の遅延問題など、多数の品質向上がすべて含まれています。
プレビュー版で既知の問題となっていた、特定のアプリで予期しないUACプロンプトが表示される問題が、この更新プログラムで修正されています。
品質の向上と修正(プレビュー版KB5064080から統合)
- 【修正済み】アプリの互換性 (MSIインストーラーの問題): 8月の更新以降、特定のアプリ(Office 2010やAutodesk製品など)の修復やインストール時に、管理者以外のユーザーに予期せずUAC(ユーザーアカウント制御)プロンプトが表示される問題が修正されました。
- エクスプローラー:
- 多数のSharePointサイトを同期している環境で、フォルダー操作やコンテキストメニューを開く際のパフォーマンスが低下する問題を修正しました。
- エクスプローラーが「最近使用したファイル」などを表示せず、デスクトップフォルダの内容のみを表示することがある問題を修正しました。
- ファイル共有: QUIC経由でSMB共有上のファイルにアクセスすると、予期しない遅延が発生する可能性がある問題に対処しました。
- ネットワーク接続: グループポリシーの更新後、Wi-Fiが自動的に再接続されないことがある問題を修正しました。
- 入力: 中国語(簡体字)IMEで、一部の拡張文字が空のボックスとして表示される問題や、GB18030-2022要件に準拠するためのUnicode文字の表示に関する問題が修正されました。
- リモートデスクトップ: リモートセッション中にカメラを追加または削除した後、カメラが表示されなくなる問題を修正しました。
- その他: 組織向けWindowsバックアップの一般提供開始、Copilotキーの信頼性向上、特定の携帯電話会社のプロファイル更新、ファミリーセーフティの承認プロンプトが表示されない問題の修正などが含まれます。
- サービススタックの更新: Windows Update自体の信頼性を向上させるためのサービススタック更新プログラム(KB5064743)が含まれています。
この更新プログラムに関する既知の問題
2.3. Windows 10 Version 22H2
このバージョン向けの主要な累積更新プログラムです。セキュリティの修正と、前月(8月)に発生した複数の問題に対する修正が含まれます。
ダウンロードページへのリンク
ロール:KB5065429
2025-09 Cumulative Update for Windows 10 Version 22H2 for x64-based Systems (KB5065429) (OS Builds 19044.6332 and 19045.6332)
2025 年 9 月 10 日 — KB5065429 (OS ビルド 19044.6332 および 19045.6332)
ハイライト
このアップデートは、Windowsのセキュリティを強化する月例の更新プログラムです。
8月の更新プログラム(KB5063877)を適用後、一部の環境でPCのリセットや回復機能が失敗する問題や、特定のアプリで予期しないUACプロンプトが表示される問題が発生していましたが、これらの既知の不具合が、今回の更新プログラムですべて修正されています。
品質の向上と修正
- 【修正済み】リセットと回復の問題: 8月の更新(KB5063877)適用後に「PCをリセットする」などの回復機能が失敗する問題が修正されました。(※この修正は8月19日の帯域外更新KB5066187で先行提供されていましたが、本KBに統合されています)
- 【修正済み】アプリの互換性 (MSIインストーラーの問題): 8月の更新以降、特定のアプリ(Office 2010やAutodesk製品など)の修復やインストール時に、管理者以外のユーザーに予期せずUAC(ユーザーアカウント制御)プロンプトが表示される問題が修正されました。
- 入力: 中国語(簡体字)IMEで、一部の拡張文字が空のボックスとして表示される問題が修正されました。
- ファイルサーバー: SMBクライアントの互換性監査機能が有効になり、管理者が事前に潜在的な互換性の問題を特定できるようになりました。
- サービススタックの更新: Windows Update自体の信頼性を向上させるためのサービススタック更新プログラムが含まれています。
この更新プログラムに関する既知の問題
3. 今回分のKB適用で発生する可能性のある障害
今回分で発生する可能性のある障害の予想です。
※ 既知の不具合以外で発生が予想されうる障害を独自に予測しています。
MSが発表しているKB内容に基づき「私が勝手に予想した事柄」ですので、読み物程度に考えておいてください。
利用方法としては頭の隅に留め置いて、手元で障害が発生した場合に「そういえば…」と思い返していただいて役に立てば幸いと言う程度です。
それでは、OS/バージョン別に見ていきましょう。
3.1. Win11(24H2)のKB適用で発生する可能性のある障害
今回のKB5065426では、8月の更新で問題となったMSIインストーラー(UAC)やNDIストリーミングに関する修正、そしてファイルサーバー(SMB)の互換性監査機能の有効化など、システムの比較的深い部分に変更が加えられています。
これらの変更点から、以下のような不具合が発生する可能性が考えられます。
- 一部の古いNASや複合機でファイル共有が遅くなる、または接続できなくなる可能性
【予測の根拠】: 今回の更新で、ファイルサーバー機能(SMB)のセキュリティ監査機能が有効化されました。この変更により、古いSMBプロトコルを使用しているNAS(ネットワーク接続ストレージ)や、複合機のスキャン to フォルダ機能などで、互換性の問題が発生し、パフォーマンスが低下したり、接続自体が不安定になったりする可能性があります。 - 特定の業務アプリケーションや古いソフトで、インストールや修復に失敗する可能性
【予測の根拠】: 8月に問題となったMSIインストーラーのUACプロンプト問題を修正しましたが、この種の修正は副作用が出やすい傾向があります。特に、独自のカスタムアクションを多用するCADソフトや、古い開発環境で作られた業務アプリなどで、インストーラーが予期せず停止したり、修復機能が正常に動作しなくなったりするケースが考えられます。 - 一部のストリーミング・配信ソフトで、映像と音声の同期ズレ(遅延)が発生する可能性
【予測の根拠】: 8月に発生したNDI使用時の音声途切れ問題は修正されましたが、ネットワーク越しのストリーミング処理に変更が加えられたことになります。これにより、OBS Studio以外の配信ソフトや、特定のキャプチャーボードとの組み合わせで、修正前にはなかった映像の遅延(レイテンシー)や、音ズレといった新たな問題が発生する可能性があります。
3.2. Win11(23H2)のKB適用で発生する可能性のある障害
今回のKB5065431では、プレビュー版から引き継いだExplorerやファイル共有の修正に加え、セキュリティ強化の一環としてMSIインストーラーの挙動にも変更が加えられています。
これらの変更点から、以下のような不具合が発生する可能性が考えられます。
- 一部の古い業務アプリやカスタムツールで、インストールやアップデートに失敗する可能性 【予測の根拠】: プレビュー版から問題となっていたMSIインストーラーのUAC問題を修正しましたが、これはセキュリティを強化するための変更です。その結果、正規の作法に則っていない古いインストーラーを持つソフトウェア(特に企業向けの内製ツールなど)が、この新しいセキュリティ要件に対応できず、インストールや修復に失敗するケースが考えられます。
- SharePoint以外のクラウドストレージ(Google Drive, Dropboxなど)で、ファイルの同期状態の表示が不安定になる可能性 【予測の根拠】: 多数のSharePointサイトを同期した際のパフォーマンス問題を修正しましたが、この種の修正はエクスプローラーのファイル状態表示の仕組みに影響を与えることがあります。その副作用として、直接関係のない他のクラウドストレージクライアントの同期アイコン(オンラインのみ/ローカルに存在など)が正しく表示されなくなる可能性があります。
3.3. Win10(22H2)のKB適用で発生する可能性のある障害
今回のKB5065429では、8月に発生したPCのリセット機能や**MSIインストーラー(UAC)の問題が修正されています。また、Win11と同様にファイルサーバー(SMB)**の互換性監査機能が追加されており、システムの挙動に関わる変更が含まれています。
これらの変更点から、以下のような不具合が発生する可能性が考えられます。
-
- 一部の古いNASや複合機でファイル共有が遅くなる、または接続できなくなる可能性
【予測の根拠】: Win11と同様、ファイルサーバー機能(SMB)のセキュリティ監査機能が有効化されました。この変更により、古いSMBプロトコルを使用しているNAS(ネットワーク接続ストレージ)や、複合機のスキャン to フォルダ機能などで互換性の問題が発生し、パフォーマンスが低下したり、接続自体が不安定になったりする可能性があります。Windows 10は古い機器と接続されているケースが多いため、特に注意が必要です。
- 一部の古いNASや複合機でファイル共有が遅くなる、または接続できなくなる可能性
- 特定の業務アプリケーションや古いソフトで、インストールや修復に失敗する可能性
【予測の根拠】: 8月に問題となったMSIインストーラーのUAC問題を修正しましたが、これはセキュリティを強化するための変更です。その結果、正規の作法に則っていない古いインストーラーを持つソフトウェア(特に企業向けの内製ツールなど)が、この新しいセキュリティ要件に対応できず、インストールや修復に失敗するケースが考えられます。
4. 悪意のあるソフトウェアの削除ツール (KB890830)
今回はありません。
5. Windows 11 (23H2) から 24H2 への強制アップデートに対処する
Windows 11 (23H2) から 24H2 への強制アップデートは、ユーザーの意図しない環境変化を引き起こす可能性があります。以下の点に留意し、必要に応じて対応を行ってください。
5.1. 誤って24H2へのアップデートが始まったのを止める方法
誤って(意図せず/予期せず)24H2へのアップデートが開始してしまった場合は、慌てずに以下の手順で対応してください。
- ダウンロード中の場合: Windows Update設定画面で「更新の一時停止」操作を行ってください。クリーンアップに時間がかかる場合がありますが、そのまま待ちます。
- インストールが始まってしまった場合: 途中で停止するとOSに不具合が発生しやすくなるため、そのまま完了させてください。完了後にPCを再起動し、起動オプションから「以前のバージョンに戻す」(ロールバック)を試みてください。
5.2. 24H2へのアップグレード自体を停止する方法
自動更新を停止する方法として、以下の手段を検討してください。どうも24H2へのアップグレードだけを個別に止める方法はなく、システム全体の自動更新停止が唯一の手段のようです。
- Windows Pro / Enterpriseエディション: ローカルグループポリシーエディターで自動更新を無効化する。
- Windows Homeエディション: レジストリ操作で自動更新を停止する。
詳細な手順は、以下の外部記事を参照してください。
簡単!Windows 11 24H2への自動更新をブロック!自動アップデートさせない方法とアップデートを元に戻す手順 画像付きで解説【初心者向け】2025年2月版
重要:過去にローカルグループポリシーエディターで設定していた方も、Home版では設定が反映されなくなった事例が報告されています。Home版ユーザーはレジストリでの停止方法への切り替えを検討してください。
—
Q&A
-
Q:これだけ不具合の可能性があるなら、アップデートはしない方が良いのですか?
- A:いいえ、セキュリティ上の観点からアップデートの適用は強く推奨されます。今回の更新には、サイバー攻撃に悪用されかねない多数の脆弱性の修正が含まれています。ただし、万が一に備え、記事の冒頭で解説しているように必ずバックアップを取得し、時間に余裕がある時に行うのが賢明です。
-
Q:アップデート後にPCの調子が悪くなりました。まず何をすれば良いですか?
- A:まずはPCを再起動してみてください。一時的な問題はこれで解決することがあります。改善しない場合は、Windows Updateの設定画面から該当のKBをアンインストールするのが最も基本的な対処法です。それでも解決しない場合は、アップデート前に作成したシステムの復元ポイントを使い、PCを更新前の状態に戻してください。
-
Q:Win11の23H2を使っています。勝手に24H2にアップデートされてしまいますか?
- A:短期的には停止できますが、Windows 11 23H2のサポートは2025年11月11日に終了するため、注意が必要です。
サポート終了が近づくと、お使いのPCの安全を維持するため、Microsoftは24H2への機能更新プログラムを自動的に開始します。そのため、記事中のセクション5で解説しているアップグレードの停止は、あくまで一時的な延命措置にしかなりません。
もし24H2の安定性に不安がある場合は、アップグレードを単に停止するだけでなく、より安定したWindows 10(22H2)へ移行して延長サポートを設定するといった、より長期的な対策を検討することをお勧めします。
Q:PC-FAX機能や、増設したシリアルボードにも影響はありますか?
A:はい、いずれもWindows Update後に問題が発生する可能性が高いデバイスです。主な原因は、OSのセキュリティ強化に古いドライバーが対応できなくなる「ドライバーの非互換性」です。もし問題が発生した場合は、まず機器メーカーの公式サイトから、最新のWindows 11対応ドライバーを探してインストールし直すのが最も効果的です。
最後に
記事を最後までお読みくださりありがとうございました。
今月のアップデートは、多数のセキュリティ脆弱性を修正し、先月から続いていたいくつかの厄介な不具合を解決する重要なものです。しかしその一方で、ファイル共有の仕組みに変更が加えられるなど、私たちのPC環境に新たな影響を与える可能性のある変更も含まれています。
本記事で解説した「古いドライバーやソフトと、OSの進化の関係」は、今後Windowsを使い続けていく上で、ますます重要な視点となります。Windows Updateはもはや単なる「修正プログラム」ではなく、OSが絶えず変化し続ける「進化のプロセス」そのものです。
この変化の激しい時代において、最も重要なのは「アップデートを恐れる」ことではなく、「賢く備える」ことです。この記事で紹介したような、事前のバックアップや情報収集といった「自衛策」を習慣づけることが、皆さまのPC環境を安全で快適に保つための、何よりの助けとなるはずです。
もしこの記事がPCトラブル解決のお役に立てましたら、ぜひ記事下のシェアボタンからSNSで共有してください。皆さまのシェアが、同じように困っている方々の助けとなり、今後の記事作成の大きな励みとなります。
今回の記事は以上となります。
記事へのご質問やフィードバックについて
記事の内容に関してご不明な点やご質問がありましたら、お気軽にコメント欄にご投稿ください。すべてのご質問に必ずしも回答できるとは限りませんが、可能な限りお答えしたり、今後の記事作成の参考にさせていただきます。
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