はじめに:この記事について
2025年5月第4週にMicrosoftから配信されたWindows Updateの定例更新(またはプレビュー更新)に関する情報です。
Win11では、USB・カメラ・サウンドなどの修正がありました。プレビューKBですが、不具合に悩んでいるという方は、適用も考慮してください。
この情報が、あなたのPCを安全かつ快適に保つための一助となれば幸いです。解決策を早く知りたい方は、目次から気になる項目へジャンプしてください。
対象 | KBナンバー |
---|---|
Win11(24H2) | KB5060842
KB5063060(6/12追加) |
Win11(23H2) | KB5060999 |
Win10(22H2) | KB5060533 |
悪意 | KB890830 |
.NET/.net | .NETと.netのセクションを参照してください |
予備 |
対象 | 内容 |
---|---|
キーワード | Windows Update, KB, 2025年5月 更新, Windows 10, Windows 11, 不具合, 障害, セキュリティ, BitLocker, 予測, 予防, 解決策 |
対象OS/Ver. | Windows 11 (24H2, 23H2), Windows 10 (22H2) |
情報元PC | Win11 (24H2) AMD CPU実機, Win11 (23H2) AMD CPU仮想マシン, Win10 (22H2) AMD CPU仮想マシン |
対象読者 | Windows Update関連情報を求めるユーザー、PCの安定稼働を重視する方、情報システム担当者など |
AIの利用 | 記事中の記述事項の調査・整理・予測に、AIを利用しています |
履歴 | 2025/05/28…初版公開
2025/05/30…本文を大幅に改訂。KB5058499とKB5058481を追加。 |
アップデート適用前に推奨される処置
必須
明示的にシステムの復元ポイントを作成しておく
「コントロールパネル」>「システムとセキュリティ」>「システム」>「システムの保護」から、分かりやすい名前(例:2025年5月WU適用前)をつけて手動で復元ポイントを作成しておきましょう。
BitLocker回復キーの再確認と複数箇所への保存
aka.ms/myrecoverykey からMSアカウントに保存されているか確認し、別途USBメモリや紙に印刷して保管してください。
推奨
システム全体の完全なバックアップ
信頼できるサードパーティ製ソフトで、OSを含むシステムドライブ全体のイメージバックアップを取得しておきましょう。
重要なデータの外部ドライブへのバックアップ
これは日常的に行うべきことですが、アップデート前には改めて確認してください。
OS・バージョン別アップデート詳細
お使いのOSとバージョンに合わせて、詳細な更新内容をご確認ください。
Windows 11 Version 24H2
ダウンロードリンク
帯域外:KB5063060(6/12追加)
ロール:KB5060842
2025-06 x64 ベース システム用 Windows 11 Version 24H2 の累積更新プログラム (KB5063060)
2025年6月11日 – KB5063060 (OS ビルド 26100.4351) 帯域外
「Win11(24H2)のKB5050842が6/11の配信開始時点で配信されない環境があります。不具合が発生するのを防ぐために修正中」というアナウンスがあったのですが、このKBはその対応とのことです。
改善点
このアウトオブバンド(OOB)アップデートには、品質向上が含まれています。このアップデートは累積的なものであり、2025年6月10日のセキュリティアップデート(KB506842)からのセキュリティ修正と改善に加えて、以下の内容が含まれています。[Easy Anti-Cheat との互換性問題の修正]このアップデートでは、Easy Anti-Cheatサービス を使用するゲームを開いた際に Windows が予期せず再起動する可能性があるという互換性問題が修正されてい ます。Easy Anti-Cheat は、特定のゲームで自動的にインストールされ、セキュリティを強化し、マルチプレイヤーオンライン PC ゲームにおける不正行為を防止します。
注意: 非互換性の問題を引き起こした更新プログラム ( KB506842 ) が Easy Anti-Cheat がインストールされているデバイスには提供されなかったため、Windows ユーザーはこの問題を経験しなかった可能性があります。
この OOB 更新プログラムは、Easy Anti-Cheat がインストールされているデバイスと、 KB506842がまだインストールされていないデバイスに、Windows Update および Microsoft Update から自動的にダウンロードされ、インストールされます。
とのことですので、詳細内容は下のKB5060842のセクションを参照してください。
2025-06 Cumulative Update for Windows 11 Version 24H2 for x64-based Systems (KB5060842)
2025 年 6 月 10 日 – KB5060842 (OS ビルド 26100.4349)
Windows 11 (24H2) 2025年6月更新プログラム:新機能と改善点のまとめ
今月のWindows 11 (バージョン24H2) の更新プログラムがリリースされました。Microsoftは、前月に公開されたプレビュー版の内容を正式版に統合する形式を取っているため、今回は先月のプレビューKB(KB5058499)と今月の正式版KBを合わせて、主な新機能と改善点を分かりやすくご紹介します。
ハイライト機能と新機能
今月の更新で特に注目すべきは、AI機能「Copilot」と、PCの利用体験を向上させる様々な新機能です。
-
Copilot機能の拡張
- 「Click to Do」との連携強化: テキストや画像をハイライトすると「Copilotに質問」オプションが表示され、選択したコンテンツを直接Copilotに送信して質問できます。
- よりインテリジェントなテキストアクション (Copilot+ PC向け): WINキー + マウスクリックまたはWIN + Qキーでテキストを選択すると、「要約」「箇条書きの作成」「テキストの書き換え」といったオプションが表示され、より効率的な文章作成が可能になります。これらの機能は、AMDおよびIntel™搭載のCopilot+ PCで利用でき、EEA(ヨーロッパ経済地域)ではスペイン語とフランス語でも利用可能になりました。
- ペンと手描き入力の連携: ペンデバイスをお使いの場合、ショートカットボタンやペンメニューに「Click to Do」を追加できるようになりました。
- キーボードショートカットの改善: Win + CでCopilotを開けるようになりました。また、Copilotキーがない場合はWin + Cを2秒間長押しすることで、音声でCopilotと対話を開始できます。
-
クロスデバイス履歴書: スマートフォン(iOSおよびAndroid)でOneDriveファイルの作業をしていた場合、PCのロックを解除する前にその作業を中断した場所からシームレスに再開できる通知が表示されます。
-
省エネルギー機能 (IT管理者向け): Microsoft Intuneを使用して、Windows 11 PCのエネルギー節約機能の設定をグループポリシーとMDM構成で管理できるようになりました。これにより、バックグラウンドアクティビティの制限や画面の輝度調整でバッテリー寿命を延ばせます。
-
グラフィックス機能の強化:
- 設定 > システム > ディスプレイで、PCのHDR機能をより分かりやすく管理できるようになりました。「USE HDR」のラベルが明確化され、HDRがオフの状態でもHDRビデオをストリーミング可能に。
- Dolby Vision搭載PCでは、HDRとは別にDolby Visionのオン/オフを切り替えられるスイッチが追加されました。
-
ナレーターのAI機能強化 (Copilot+ PC向け): 視覚障がいのあるユーザー向けに、AIを活用した画像の説明機能が追加されました。ナレーターキー + Ctrl + Dで画像の説明を聞くことができます。
-
Windows検索の改善:
- 設定の検索の容易化 (Copilot+ PC向け): タスクバーの検索ボックスに、より自然な言葉で設定を入力しても目的の設定が見つけやすくなりました(例:「テーマの変更」や「PCについて」)。
- クラウド写真検索 (EEA限定): EEAでは、タスクバーのWindows検索でクラウド写真を検索できるようになりました(例:「ヨーロッパの城」や「夏のピクニック」)。この機能はSnapdragon搭載Copilot+ PCから段階的に展開され、AMDおよびIntel搭載PCにも近日対応予定です。
- Web検索プロバイダーのサポート強化 (EEA限定): タスクバーのWindows SearchでのWeb検索プロバイダーの検出性が向上しました。
-
設定の改善:
- 新しいFAQセクション: 設定 > システム > バージョン情報に、Windows 11に関するよくある質問とその回答をまとめたFAQセクションが追加されました。
- プリンター/スキャナー設定のUI改善: プリンターの名称変更ダイアログがWindows 11のデザインに統一されました。
- マウス設定への容易なアクセス: マウスの設定(アクセシビリティ > マウス)に簡単にアクセスできるようになり、コントロールパネルを開く必要がなくなりました。
-
タスクバーの改善: 管理者が特定のアプリのピン留め解除と再入力防止を設定できるようになりました。
-
音声アクセス機能の強化:
- 新機能や改善点をハイライトする製品内エクスペリエンスが追加されました。
- クイック設定のアクセシビリティセクションから音声アクセスを有効にできるようになりました。
-
音声入力の改善: 不適切な表現フィルターのオン/オフを制御できるようになりました。
-
Windows共有機能の強化:
- 共有ウィンドウで、共有する画像をトリミング、回転、フィルター追加などの編集ができるようになりました。
- エクスプローラーやデスクトップからファイルをドラッグすると、画面上部にトレイが表示され、推奨アプリやWindows共有ウィンドウに直接ファイルをドロップできるようになりました。
- エクスプローラーまたはデスクトップのローカルファイルの右クリックメニューに、共有をサポートするアプリを直接追加できるようになりました。
修正された主な問題点
今回の更新プログラムでは、システムの安定性とパフォーマンスを向上させるための多くの修正も含まれています。
- システムの復元: Windows 11バージョン24H2では、システムの復元ポイントが最大60日間保持されるようになりました。
- BitLocker: リムーバブルドライブ上のBitLockerを搭載したデバイスで、スリープまたはハイブリッドブートからの再開後にブルースクリーンエラーが発生する問題が解決されました。
- ブートメニュー画面: BitLocker PIN、回復キー、ブートメニュー画面などの初期起動画面のレンダリング速度が低下する問題が修正されました。
- グラフィックスカーネル: 24H2へのアップグレード後に一部のゲームタイトルが応答しなくなる問題が解決されました。
- メモリリーク: Input Serviceにおけるメモリ使用量の増加が、マルチユーザー、多言語、リモートデスクトップの使用状況のパフォーマンスに影響を与える問題が修正されました。
- マルチメディア: 高度なカメラ設定でマルチアプリモードまたは基本的なカメラモードを有効にすると、Windows Hello顔認識が機能せず、カメラプレビューが正しく表示されない可能性があった問題が修正されました。
- ネットワーク: Windows Server 2025が新しいドメインコントローラーでネットワークを「パブリック」と表示する問題が修正されました。
- Windows Hello: キー信頼モデルでWindows Hello for Businessを使用しているときに、ユーザーが自己署名証明書でサインインできない問題が解決されました。また、PCがスリープから復帰した後にカメラが予期せず動作しなくなる可能性があった問題も修正されました。
その他、起動音の再生、Bluetoothデバイス情報の読み込み、カメラ設定の操作、画面サイズとウィンドウ位置の変更、エクスプローラーでのネットワークドライブ検索、中国語入力、リモートデスクトップセッション、JPGファイルのCopyPixels、Microsoft管理コンソール、プリンターのアンインストール、UHFチューニング、USBデバイスの切断など、多岐にわたる修正が行われています。
まとめ
今回のWindows 11 (24H2) 向け更新プログラムは、CopilotをはじめとするAI機能の強化と、ユーザー体験を向上させるための多くの新機能が含まれています。同時に、これまで報告されていた様々な不具合が修正され、システムの安定性が向上しています。特にCopilot+ PCをお使いの方は、そのAI機能の進化を体感できる内容となっています。
このアップデートの既知の問題
症状
Microsoft EdgeやGoogle ChromeなどのChromiumベースのブラウザで96DPI(100%スケーリング)で表示すると、CJK(中国語、日本語、韓国語)のテキストがぼやけたり不明瞭になったりするという報告があります。2025年3月のプレビューアップデートでは、Googleとの協力により、ウェブサイトやアプリで適切なフォントが指定されていない場合のテキストレンダリングを改善するためのフォールバックとして、CJK言語用のNotoフォントが導入されました。この問題は、96DPIでのピクセル密度の制限により、CJK文字の明瞭度と配置が低下する可能性があるためです。ディスプレイのスケーリングを上げると、テキストレンダリングが強化され、明瞭度が向上します。
回避策
一時的な回避策として、ディスプレイのスケーリングを125%または150%に上げて、テキストの鮮明度を向上させてください。詳細については、「 Windowsで画面の解像度とレイアウトを変更する」を参照してください。
私たちはこの問題を調査中であり、詳細が分かり次第お知らせします。
Windows 11 Version 23H2
ダウンロードリンク
ロール:KB5060999
2025-06 Cumulative Update for Windows 11 Version 23H2 for x64-based Systems (KB5060999)
2025 年 6 月 10 日 – KB5060999 (OS ビルド 22621.5472 および 22631.5472)
Windows 11 (23H2) 2025年6月更新プログラム:新機能と改善点のまとめ
今月のWindows 11 (バージョン23H2) の更新プログラムがリリースされました。Microsoftは、前月に公開されたプレビュー版の内容を正式版に統合する形式を取っているため、今回は先月のプレビューKB(KB5058502)と今月の正式版KBを合わせて、主な新機能と改善点を分かりやすくご紹介します。
ハイライト機能と新機能
今回の更新では、AI機能のCopilotの強化や、ユーザー体験を向上させるための新機能が追加されました。
-
Copilot機能の拡張
- Win + C での起動: キーボードのCopilotキーがない場合でも、Win + CでWindows上のCopilotを開けるようになりました。Copilotキーがある場合は、Win + Cのエクスペリエンスをカスタマイズすることも可能です。
- 音声による対話: CopilotキーまたはWin + Cを2秒間長押しすることで、音声でCopilotと対話を開始できます。これにより、タスクを続けながら音声で即座に回答を得られるようになります。
-
タスクバーでの検索強化 (EEA限定): ヨーロッパ経済地域 (EEA) 向けのWindows Searchでは、Web検索プロバイダーの検出性が向上しました。
-
設定アプリにFAQセクション追加: 「設定」>「システム」>「概要」ページに新しいFAQセクションが追加され、Windows 11に関するよくある質問(システムのセットアップ、パフォーマンス、互換性など)への回答が一か所で確認できるようになりました。
-
タスクバーの管理機能強化: IT管理者が、タスクバーのポリシーを設定し、ユーザーが特定のアプリのピン留めを解除しても、次回のポリシー更新時に再入力されないようにできるようになりました。
-
ウィジェットのロック画面表示の改善 (EEA限定): EEAのデバイスで、ロック画面の天気ウィジェットがカスタマイズに対応しました。今後はより多くのウィジェットがカスタマイズ可能になる予定です。
-
Windows共有機能の改善: エクスプローラーやデスクトップからローカルファイルをドラッグすると、画面の上部にトレイが表示され、推奨アプリやWindows共有ウィンドウに直接ファイルをドロップできるようになりました。
修正された主な問題点
今回の更新プログラムでは、システムの安定性とパフォーマンスを向上させるための複数の修正も含まれています。
-
入力の改善:
- 中国語(簡体字)の狭いレイアウトを使用している際に、タッチキーボードから音声入力が開始されない問題が修正されました。
- タッチキーボードの「シンボル」セクションで、キーを押してページを変更するとパスワードフィールドに文字が挿入される問題が修正されました。
-
音声アクセスの修正: 音声アクセスがディクテーション中に「操作中」エラーで応答しなくなる問題が解決されました。
-
ブルースクリーンエラーの修正: エラーコード SYSTEM_SERVICE_EXCEPTION (win32kfull.sys) によるブルースクリーン例外が発生する問題に対処しました。
-
HoloLensの修正: HoloCameraアプリが正しく画像を保存せず、Mixed Realityキャプチャに影響を与える問題が修正されました。
-
メモリリークの修正: Input Serviceにおけるメモリ使用量の増加が、マルチユーザー、多言語、リモートデスクトップの使用状況のパフォーマンスに影響を与える問題が解決されました。
-
COSA (国とオペレーター設定資産) の修正: 特定の携帯電話会社のプロファイルが最新の状態に更新されました。
-
Windows Shellの安定性向上: デバイスがAADアカウントに接続されているときに、エクスプローラーとスタートメニューが機能しなくなる問題が解決されました。
-
Windows Update & サービスの修正: Windows 24H2機能更新プログラムをダウンロードしようとした際に、Windows Updateサービスが動作を停止する問題が修正されました。
-
グラフィックスサポートの修正: リモートデスクトップ接続時に「リモート デスクトップ サービス セッションが終了しました」などのエラーが発生するグラフィックスサポートの問題が解決されました。(これはWindows 11バージョン22H2にも適用される修正です。)
まとめ
今回のWindows 11 (23H2) 向け更新プログラムは、Copilot機能の利便性向上や、設定へのアクセス改善、共有機能の強化といった新機能が含まれています。同時に、これまで報告されていた入力関連の不具合やブルースクリーンエラーなど、多岐にわたる問題が修正され、システムの安定性が向上しています。
このアップデートの既知の問題
症状
Microsoft EdgeやGoogle ChromeなどのChromiumベースのブラウザで96DPI(100%スケーリング)で表示すると、CJK(中国語、日本語、韓国語)のテキストがぼやけたり不明瞭になったりするという報告があります。2025年3月のプレビューアップデートでは、Googleとの協力により、ウェブサイトやアプリで適切なフォントが指定されていない場合のテキストレンダリングを改善するためのフォールバックとして、CJK言語用のNotoフォントが導入されました。この問題は、96DPIでのピクセル密度の制限により、CJK文字の明瞭度と配置が低下する可能性があるためです。ディスプレイのスケーリングを上げると、テキストレンダリングが強化され、明瞭度が向上します。
回避策
一時的な回避策として、ディスプレイのスケーリングを125%または150%に上げて、テキストの鮮明度を向上させてください。詳細については、「 Windowsで画面の解像度とレイアウトを変更する」を参照してください。
私たちはこの問題を調査中であり、詳細が分かり次第お知らせします。
Windows 10 Version 22H2
ダウンロードリンク
ロール:KB5060533
2025-06 Cumulative Update for Windows 10 Version 22H2 for x64-based Systems (KB5060533)
2025 年 6 月 10 日 – KB5060533 (OS ビルド 19044.5965 および 19045.5965)
Windows 10 (22H2) 2025年6月更新プログラム:新機能と改善点のまとめ
今月のWindows 10 (バージョン22H2) の更新プログラムがリリースされました。Microsoftは、前月に公開されたプレビュー版の内容を正式版に統合する形式を取っているため、今回は先月のプレビューKB(KB5058481)と今月の正式版KBを合わせて、主な新機能と改善点を分かりやすくご紹介します。
ハイライト機能と新機能
今回の更新では、カレンダー機能の表示に関する改善が含まれています。
- カレンダーのポップアップ表示の改善:
- 一度削除されたカレンダーに、秒を表示する時計ビューが戻されました。この機能は段階的に展開されています。
- リッチカレンダー機能において、今後30日間のイベント期間が表示されるように延長されました。
- リッチカレンダー機能の天気ボタンに説明テキストが追加され、より分かりやすくなりました。
修正された主な問題点
今回の更新プログラムでは、システムの安定性とセキュリティを向上させるための複数の修正も含まれています。
-
GDI/GDI+の修正:
- 平面2の一部のGB18030-2022文字が正しくレンダリングされない問題が修正されました。
- 一部のGB18030文字が広くレンダリングされたり、サンプル段落が正しくレンダリングされない問題が修正されました。
-
携帯電話会社プロファイル (COSA) の更新: 国とオペレーター設定資産 (COSA) プロファイルが更新され、最新の状態になりました。
-
WinSaS (Windows アカウント同期同意システム) の修正:
- 欧州経済地域 (EEA) 市場において、セカンダリアカウントが確認されなかったためにWindowsアカウント同期同意システムに影響を与え、サーバーの負荷が増加した問題が修正されました。
-
Windows OS 内部のセキュリティ強化: Windows OS内部機能に対する様々なセキュリティ強化が含まれています。
まとめ
今回のWindows 10 (22H2) 向け更新プログラムは、カレンダー機能の利便性向上といった新機能に加えて、文字表示の不具合やアカウント同期システムの問題など、いくつかの修正が行われています。また、Windows OS内部のセキュリティも強化されています。
このアップデートの既知の問題
症状
Microsoft EdgeやGoogle ChromeなどのChromiumベースのブラウザで96DPI(100%スケーリング)で表示すると、CJK(中国語、日本語、韓国語)のテキストがぼやけたり不明瞭になったりするという報告があります。2025年3月のプレビューアップデートでは、Googleとの協力により、ウェブサイトやアプリで適切なフォントが指定されていない場合のテキストレンダリングを改善するためのフォールバックとして、CJK言語用のNotoフォントが導入されました。この問題は、96DPIでのピクセル密度の制限により、CJK文字の明瞭度と配置が低下する可能性があるためです。ディスプレイのスケーリングを上げると、テキストレンダリングが強化され、明瞭度が向上します。
回避策
一時的な回避策として、ディスプレイのスケーリングを125%または150%に上げて、テキストの鮮明度を向上させてください。詳細については、「 Windowsで画面の解像度とレイアウトを変更する」を参照してください。
私たちはこの問題を調査中であり、詳細が分かり次第お知らせします。
予測できる障害中、発生した場合に利用者への影響が大きかったり重大になると考えられるもの
Windows 11 (24H2) の場合
今回分のKB内容で発生する可能性のある障害のうち、発生した場合にユーザーへの影響が大きいと考えられるものを抜粋しています。
MSが発表しているKB内容に基づき「私が勝手に予想した事柄」ですので、読み物程度に考えておいてください。
利用方法としては頭の隅に留め置いて、手元で障害が発生した場合に「そういえば…」と思い返していただいて役に立てば幸いと言う程度です。
Windows 11 (24H2) は比較的新しいバージョンであり、Copilot+ PC向けのAI機能など、多くの新機能が導入されています。そのため、影響が重大になる可能性のある項目が複数あります。
※ 抜粋ではなく詳細を見たい方は次のセクション「今回のKB適用で発生する可能性のある障害(詳細版)」を御覧ください。
Windows 11 (24H2) の場合
-
Copilotの予期せぬ動作、AI機能の誤認識/精度低下
- 影響の重大性: 高
- 理由: CopilotはWindows 11の主要な機能の一つであり、AIの誤動作はユーザーの作業効率を著しく低下させるだけでなく、誤った情報に基づいて作業を進めてしまうリスクも伴います。特にCopilot+ PCではAI機能が深く統合されているため、その動作不良はPC全体の使い勝手に直結します。システムフリーズやクラッシュにつながる場合、作業の中断やデータ損失の可能性もあります。
-
グラフィックスおよびディスプレイ関連の問題(特に表示の乱れ、パフォーマンス低下)
- 影響の重大性: 中〜高
- 理由: ディスプレイの表示が乱れる、色が正しくない、あるいはHDR/Dolby Visionが適切に機能しない場合、特に画像や動画を扱うクリエイティブな作業者、またはエンターテイメント目的のユーザーにとっては大きなストレスとなります。ゲームのパフォーマンス低下は、ゲーマーにとって致命的な影響を与えます。
-
ハードウェア連携および周辺機器の問題(特にUSBデバイスの不安定化、ペン/タッチ入力デバイスの不具合)
- 影響の重大性: 中〜高
- 理由: 日常的に利用するマウス、キーボード、外付けHDD、WebカメラなどのUSBデバイスが認識されない、動作が不安定になる、あるいはペンやタッチ入力が反応しないといった問題は、PC操作の根幹に関わるため、多くのユーザーの作業を停止させてしまう可能性があります。特に、オンライン会議や授業でカメラやマイクが使えない、といった事態は非常に困るでしょう。
-
システムの安定性およびパフォーマンスの問題(特にBitLocker関連の再発、起動関連の問題)
- 影響の重大性: 高
- 理由:
- BitLocker関連: BitLockerはディスク暗号化機能であり、その不具合は最悪の場合、OSが起動しなくなる、データにアクセスできなくなる、といった深刻なデータ損失やシステム停止につながる可能性があります。
- 起動関連: OSが起動しない、または起動に異常に時間がかかるという問題は、PCが使用不能になることを意味し、最も重大な影響の一つです。
Windows 11 (23H2) の場合
Windows 11 (23H2) は24H2に比べて新機能の追加は少ないですが、基本的な安定性に関わる部分で影響が出やすい可能性があります。
-
Copilot機能および音声関連の問題
- 影響の重大性: 中〜高
- 理由: 24H2と同様に、Copilotの不安定な動作はユーザーの作業効率に影響を与えます。特に音声対話機能の不具合は、アクセシビリティの観点からも、あるいは音声入力に依存するユーザーにとっては重大な問題となります。
-
リモートデスクトップ接続の再発
- 影響の重大性: 高
- 理由: リモートデスクトップはビジネス環境で広く利用されており、接続が不安定になったり、接続自体ができなくなることは、リモートワークやシステム管理業務に直接的な支障をきたし、業務停止につながる可能性があるため、影響は非常に大きいです。
-
システムの安定性およびパフォーマンスの問題(特にブルースクリーンエラーの再発、メモリリークの再発/新たな発生、Windows Shellの不安定化)
- 影響の重大性: 高
- 理由:
- ブルースクリーンエラー: システムクラッシュは作業中のデータ損失や、繰り返し発生するとPCの起動不能につながるため、重大な問題です。
- メモリリーク: システム全体のパフォーマンスが徐々に低下し、フリーズやアプリケーションのクラッシュにつながるため、作業効率の低下だけでなく、データの損失リスクも伴います。
- Windows Shellの不安定化: エクスプローラーやスタートメニューはWindowsの基本的な操作インターフェースであり、これらが機能しなくなると、PCの操作がほとんどできなくなり、実質的なシステム停止につながります。
Windows 10 (22H2) の場合
Windows 10 (22H2) は比較的安定したバージョンですが、特定の環境や利用方法によっては影響が出る可能性があります。
-
携帯電話会社プロファイルの競合
- 影響の重大性: 中〜高
- 理由: モバイル通信(SIMカード利用)に依存するPCや、テザリングなどを頻繁に利用するユーザーにとって、ネットワーク接続が不安定になる、あるいは接続できなくなることは、インターネットを利用したあらゆる作業を妨げるため、大きな影響があります。
-
WinSaS (Windows アカウント同期同意システム) の不具合再発
- 影響の重大性: 中
- 理由: アカウント同期の問題は、サインインの遅延や、設定・データが同期されないといった不便さにつながります。特に、企業のAzure AD環境などで多数のユーザーが利用している場合、管理上の問題やユーザーからの問い合わせ増加につながる可能性があります。
-
Windows OS 内部のセキュリティ強化による潜在的な問題
- 影響の重大性: 高
- 理由: 具体的な不具合が挙げられていないものの、「Windows OS内部のセキュリティ強化」は、システムの根幹部分に手が入ることを意味します。これにより、特定のセキュリティソフトウェアや、OSの深い部分にアクセスする業務アプリケーションとの予期せぬ互換性問題が発生し、システムクラッシュや特定の機能の停止につながる可能性があります。目に見える形で問題が表面化するまで時間がかかることもあり、影響が広範囲に及ぶ可能性も秘めています。
まとめると、各OSバージョンで共通して、
- OSの起動不能や、システムが頻繁にクラッシュする(ブルースクリーンエラーなど)
- データアクセスができなくなる、またはデータが損失するリスクがある(BitLocker関連など)
- ネットワーク接続が完全にできなくなる
- OSの基本操作(エクスプローラー、スタートメニューなど)が機能しなくなる
これらは利用者にとって最も影響が大きく、重大な障害に発展する可能性が高いと考えられます。
常に最新のバックアップを取り、特にビジネス環境では小規模なテスト適用を推奨いたします。
今回のKB適用で発生する可能性のある障害(詳細版)
今回分ので発生する可能性のある障害の予想の詳細版です。
MSが発表しているKB内容に基づき「私が勝手に予想した事柄」ですので、読み物程度に考えておいてください。
利用方法としては頭の隅に留め置いて、手元で障害が発生した場合に「そういえば…」と思い返していただいて役に立てば幸いと言う程度です。
それでは、OS/バージョン別に見ていきましょう。
Win11(24H2)のKB適用で発生する可能性のある障害
今回の更新プログラムは、特にCopilot+ PC向けのAI機能の強化や、UI/UXの改善、そして多岐にわたるバグ修正を含んでいます。これにより安定性が向上する側面もありますが、一方で大規模な変更は新たな問題を引き起こす可能性も否定できません。
1. Copilot機能および関連AI機能における問題
- Copilotの予期せぬ動作: 「Click to Do」や新しいテキストアクション、音声対話機能など、Copilot関連の新しい機能が、特定のアプリケーションや利用環境で予期せぬクラッシュ、フリーズ、あるいは応答遅延を引き起こす可能性があります。特にサードパーティ製のアプリケーションとの競合により、動作が不安定になるケースが考えられます。
- AI機能の誤認識/精度低下: ナレーターのAI画像説明やCopilot+ PCでの検索機能など、AIを活用した機能が特定のコンテンツや入力に対して誤った認識をしたり、期待通りの結果を返さないなどの精度問題が発生する可能性もあります。
2. グラフィックスおよびディスプレイ関連の問題
- HDR/Dolby Visionの表示問題: HDRやDolby Visionの管理機能が強化されたことで、特定のディスプレイやグラフィックボードの組み合わせにおいて、色がおかしい、表示が乱れる、あるいはHDRモードへの切り替えがうまくいかないなどの表示問題が発生する可能性があります。特に、修正項目にある「画面サイズとウィンドウ位置の予期しない変更」が完全に解消されていない場合、マルチモニター環境で問題が再発することも考えられます。
- ゲームや特定アプリケーションでのパフォーマンス低下: 「グラフィックスカーネル」の修正があったとはいえ、アップデート後のドライバとの相性や、新しいグラフィックス処理ロジックが原因で、一部のゲームやグラフィックを多用するアプリケーションでフレームレートの低下やカクつきが発生する可能性があります。
3. ハードウェア連携および周辺機器の問題
- USBデバイスの不安定化: 「USBデバイスの切断」の修正があったものの、特定のUSBデバイス(特に古いものや特殊なもの)がスリープ復帰後に認識されない、あるいは動作が不安定になるなどの問題が再発する可能性があります。
- ペン/タッチ入力デバイスの不具合: ペンと手描き入力の連携強化により、特定のペンタブレットやタッチスクリーンデバイスで、入力の遅延、認識不良、あるいは意図しないジェスチャーが入力されるなどの問題が発生する可能性があります。
- Bluetooth接続の問題: Bluetoothデバイス情報の読み込みに関する修正があったものの、特定のBluetoothデバイス(ヘッドセット、マウスなど)とのペアリングが困難になる、接続が頻繁に切れる、音質が低下するといった問題が起こる可能性も考えられます。
- カメラ、マイクの動作不良: マルチメディアやWindows Helloの修正があったとはいえ、Webカメラやマイクが認識されない、アプリで利用できない、あるいはWindows Helloの顔認証が正常に動作しないといった問題が、特定の機種で発生する可能性もゼロではありません。
4. システムの安定性およびパフォーマンスの問題
- BitLocker関連の再発: BitLockerに関するブルースクリーンエラーの修正がありましたが、システム構成によっては再発したり、BitLockerの回復キーの入力に問題が発生するなどの二次的な障害が発生する可能性があります。
- メモリリークの再発/新たな発生: Input Serviceのメモリリークが修正されたものの、他のコンポーネントで新たなメモリリークが発生したり、特定の利用シナリオでメモリ使用量が増加し、システムパフォーマンスが低下する可能性があります。
- 起動関連の問題: ブートメニュー画面のレンダリング速度の問題が修正されましたが、まれに起動に時間がかかったり、特定の環境でOSが起動しないなどの深刻な問題が発生する可能性があります。
5. アプリケーションの互換性問題
- 特定の業務アプリケーションの動作不良: 広範なシステムコンポーネントの変更により、特に古い業務アプリケーションや、Windowsの内部APIに深く依存するカスタムアプリケーションが、更新後に正常に動作しなくなる可能性があります。
- VPNやネットワーク関連の問題: ネットワーク関連の修正があったものの、VPN接続が不安定になったり、特定のネットワーク設定がリセットされる、あるいは企業ネットワークへの接続に問題が生じる可能性も考えられます。
対策として
- 更新前のバックアップ: 重要なデータのバックアップは必須です。可能であれば、システムイメージのバックアップも検討しましょう。
- グループポリシーの確認: IT管理者は、新しい省エネルギー機能やタスクバーポリシーが意図せず適用されたり、既存のポリシーと競合しないか確認が必要です。
- ドライバの更新: 特にグラフィックドライバーやチップセットドライバーは、最新版に更新しておくことを推奨します。
- 段階的適用: 多くのPCに適用する前に、少数のPCでテスト適用を行い、問題が発生しないか検証することをお勧めします。
- 問題発生時のロールバック準備: 更新プログラム適用後に問題が発生した場合に備え、更新プログラムのアンインストール手順を確認しておきましょう。
今回の更新は多くの改善を含んでいますが、特にAI機能の強化やCopilot+ PCへの対応など、大きな変更が多いため、適用後のシステム挙動には注意を払う必要があるでしょう。
Win11(23H2)
今回のWindows 11 (23H2) への更新プログラムは、Copilot機能の拡張やUI/UXの改善、広範囲にわたる安定性向上を目的とした修正が含まれています。しかし、機能の追加やシステム内部の変更は、予期せぬ問題を引き起こす可能性も考慮する必要があります。
1. Copilot機能および音声関連の問題
- Copilotの動作不安定: Copilotの起動方法の変更(Win + C、音声対話)や機能拡張によって、特定のアプリケーションとの競合や、システムリソースの使用量増加による動作の遅延、フリーズ、予期せぬ終了が発生する可能性があります。特に、音声による対話機能は、マイクのドライバやプライバシー設定との兼ね合いで、音声入力がうまく認識されない、あるいは誤認識するといった問題が生じることも考えられます。
- 音声入力・音声アクセスの不具合再発: 「ディクテーション中のエラー」や「操作中」の応答停止が修正されたものの、特定の環境や利用状況(特に長時間の利用や複数の音声アプリの併用時)で同様の問題が再発する可能性があります。
2. UI/UXおよび表示関連の問題
- 設定アプリやタスクバーの表示不具合: FAQセクションの追加やプリンター設定UIの改善など、設定アプリやタスクバーのUI変更に伴い、特定の解像度やマルチモニター環境で表示が崩れたり、クリックしても反応しないなどの軽微な不具合が発生する可能性があります。
- ウィジェットのロック画面表示問題 (EEA限定): ロック画面のウィジェットカスタマイズ機能の導入により、稀にウィジェットが表示されない、更新されない、あるいはロック画面自体の動作が不安定になるなどの問題が生じる可能性も考えられます。
3. ハードウェア連携および周辺機器の問題
- 入力デバイスの互換性問題: 中国語入力やタッチキーボードのシンボル入力に関する修正があったものの、特定のサードパーティ製IME(入力メソッドエディタ)や、特殊なキーボード・タッチデバイスとの相性問題により、入力の遅延、文字化け、あるいは特定アプリでの入力不可といった問題が発生する可能性があります。
- リモートデスクトップ接続の再発: グラフィックスサポートの修正があったにもかかわらず、特定のグラフィックカードやドライバの組み合わせで、リモートデスクトップ接続が不安定になったり、「リモート デスクトップ サービス セッションが終了しました」などのエラーが再発する可能性があります。
4. システムの安定性およびパフォーマンスの問題
- ブルースクリーンエラーの再発: ブルースクリーンエラー(SYSTEM_SERVICE_EXCEPTION)は修正されましたが、システム構成のわずかな違いや特定のデバイスドライバとの競合により、稀に同様のエラーが再発する可能性も考慮しておくべきです。
- メモリリークの再発/新たな発生: Input Serviceのメモリリークが修正されたものの、他のシステムプロセスで新たなメモリリークが発生し、時間の経過とともにシステムパフォーマンスが低下する可能性があります。特にマルチユーザーやリモートデスクトップ環境では影響が出やすいかもしれません。
- Windows Shellの不安定化: エクスプローラーとスタートメニューの不安定化が修正されましたが、AADアカウントとの連携や特定のサードパーティ製シェル拡張機能との競合により、再発したり、応答が遅くなるといった問題が生じる可能性も考えられます。
5. ネットワークおよびアカウント関連の問題
- ネットワーク接続の不安定化: COSAプロファイルの更新は通信キャリア向けですが、稀にネットワークアダプタのドライバとの相性や、VPNクライアントとの競合により、Wi-Fiや有線LANの接続が不安定になったり、速度が低下する可能性があります。
- Windows Updateの動作不良: Windows Updateサービスの停止が修正されたものの、環境によっては引き続き更新プログラムのダウンロードやインストールに失敗するといった問題が発生する可能性もあります。
対策として
- 重要なデータのバックアップ: 更新プログラムを適用する前に、必ず重要なファイルのバックアップを取るようにしましょう。
- ドライバの最新化: 特にグラフィックドライバ、ネットワークドライバ、および接続している周辺機器のドライバが最新であることを確認してください。
- 小規模なテスト適用: 多数のPCに更新を適用する場合は、まず少数のPCで問題が発生しないかテストし、挙動を確認することをお勧めします。
- 不具合発生時の情報収集: もし問題が発生した場合は、イベントログの確認や、具体的なエラーメッセージ、問題発生時の状況などを記録しておくと、原因特定や解決に役立ちます。
- ロールバックオプションの確認: 万が一の場合に備え、更新プログラムのアンインストール方法や、システムの復元ポイントの利用方法を確認しておくと安心です。
今回の更新は、ユーザー体験の向上と安定性の強化に貢献すると期待されますが、上記のような潜在的な問題に注意を払うことで、スムーズな運用が可能になります。
Win10(22H2)
今回のWindows 10 (22H2) への更新プログラムは、カレンダー機能の改善やGDI/GDI+の表示問題、COSAプロファイルの更新、WinSaSの修正など、主に特定の機能の改善とセキュリティ強化に焦点を当てています。Windows 11に比べると機能追加は少ないですが、それでも予期せぬ問題が発生する可能性はあります。
1. カレンダー機能およびUI関連の問題
- カレンダー表示の不具合: カレンダーのポップアップ表示やリッチカレンダー機能の改善に伴い、稀にカレンダーが正しく表示されない、イベントが同期されない、あるいは天気情報が表示されないといった問題が発生する可能性があります。特に、元々削除されていた秒表示が戻ったことで、特定の既存設定との競合が生じることも考えられます。
2. グラフィック表示およびフォント関連の問題
- GDI/GDI+関連の表示問題再発: GB18030文字のレンダリング問題が修正されましたが、特定のアプリケーションやフォント環境において、依然として文字が正しく表示されない、または表示が崩れるといった問題が再発する可能性があります。特に、フォント関連のキャッシュやサードパーティ製フォント管理ツールが影響を与えることも考えられます。
3. ネットワークおよびアカウント同期関連の問題
- 携帯電話会社プロファイルの競合: COSAプロファイルの更新により、特定の携帯電話会社のSIMカードを使用しているデバイスで、ネットワーク接続が一時的に不安定になったり、インターネットに接続できないといった問題が発生する可能性があります。特に、海外のローミング環境や特殊なAPN設定を使用している場合に注意が必要です。
- アカウント同期の不具合再発: WinSaSの修正があったものの、アカウント同期システムに関連する問題が、特定のAzure AD環境や多重アカウント設定で再発する可能性があります。これにより、サインインに時間がかかったり、同期エラーが発生するといった事態が考えられます。
4. システムの安定性およびパフォーマンスの問題
- 予期せぬシステムパフォーマンスの低下: 今回の更新は広範囲にわたる修正ではありませんが、Windows OS内部のセキュリティ強化など、システムの根幹に関わる変更が含まれています。これにより、特定のドライバやアプリケーションとの相性問題が発生し、システム全体の動作が重くなったり、起動時間が長くなるといったパフォーマンスの低下が起こる可能性もゼロではありません。
対策として
- データのバックアップ: 更新プログラムを適用する前に、必ず重要なファイルのバックアップを行ってください。
- ドライバの確認: 特にグラフィックドライバやネットワークドライバなど、主要なデバイスドライバが最新の状態であることを確認しましょう。
- 小規模なテスト展開: 複数のデバイスに適用する場合は、まず少数のデバイスで更新を行い、数日間の動作状況を確認してから全体に展開することを推奨します。
- イベントログの確認: 更新後に問題が発生した場合は、イベントログ(特にシステムログやアプリケーションログ)を確認することで、原因の手がかりが得られることがあります。
- ロールバックオプションの把握: 万が一、深刻な問題が発生した場合は、更新プログラムのアンインストールやシステムの復元機能の利用を検討できるよう、手順を事前に確認しておくと安心です。
Windows 10は成熟したOSですが、それでも更新プログラムによって予期せぬ挙動が発生することはあります。上記の予測を参考に、慎重に更新を進めていただければと思います。
.NETと.net
ここでは、2025年6月に配信された.NET関連の更新プログラムを一覧でご紹介します。個別の修正内容の詳細については、各ダウンロードリンクよりMicrosoftのカタログページをご確認ください。
ダウンロードページ: 2025/06 .NET
-
.NET 9.0.6 Security Update (KB5061936):対象: x86 Client
-
.NET 9.0.6 Security Update (KB5061936):対象: x64 Server
-
.NET 8.0.17 Security Update (KB5061935):対象: ARM64 Client
-
.NET 8.0.17 Security Update (KB5061935):対象: x86 Client
-
.NET 8.0.17 Security Update (KB5061935):対象: x64 Serve
-
.NET 9.0.6 Security Update (KB5061936):対象: x64 Client
-
.NET 9.0.6 Security Update (KB5061936):対象: ARM64 Client
-
.NET 8.0.17 Security Update (KB5061935):対象: x64 Client
悪意のあるソフトウェアの削除ツール (KB890830)
ダウンロードリンク
悪意:KB890830
悪意のあるソフトウェアの削除ツール x64 – v5.134 (KB890830)
Windows 悪意のあるソフトウェアの削除ツール で特定の一般的なマルウェアを削除する (KB890830)
※ WinUpからの自動更新ではクイック実行となります。フルスキャンを実行したい場合は、スタンドアロン版としてダウンロード後に手動で実行し、フルスキャンを選択してください。
Windows 11 (23H2) から 24H2 への強制アップデートに対処する
Windows 11 (23H2) から 24H2 への強制アップデートは、ユーザーの意図しない環境変化を引き起こす可能性があります。以下の点に留意し、必要に応じて対応を行ってください。
誤って24H2へのアップデートが始まったのを止める方法
誤って(意図せず/予期せず)24H2へのアップデートが開始してしまった場合は、慌てずに以下の手順で対応してください。
- ダウンロード中の場合: Windows Update設定画面で「更新の一時停止」操作を行ってください。クリーンアップに時間がかかる場合がありますが、そのまま待ちます。
- インストールが始まってしまった場合: 途中で停止するとOSに不具合が発生しやすくなるため、そのまま完了させてください。完了後にPCを再起動し、起動オプションから「以前のバージョンに戻す」(ロールバック)を試みてください。
24H2へのアップグレード自体を停止する方法
自動更新を停止する方法として、以下の手段を検討してください。どうも24H2へのアップグレードだけを個別に止める方法はなく、システム全体の自動更新停止が唯一の手段のようです。
- Windows Pro / Enterpriseエディション: ローカルグループポリシーエディターで自動更新を無効化する。
- Windows Homeエディション: レジストリ操作で自動更新を停止する。
詳細な手順は、以下の外部記事を参照してください。
簡単!Windows 11 24H2への自動更新をブロック!自動アップデートさせない方法とアップデートを元に戻す手順 画像付きで解説【初心者向け】2025年2月版
重要:過去にローカルグループポリシーエディターで設定していた方も、Home版では設定が反映されなくなった事例が報告されています。Home版ユーザーはレジストリでの停止方法への切り替えを検討してください。
最後に
最後まで記事をお読みいただき、誠にありがとうございました。
BitLockerやデバイスの暗号化に関する予期せぬトラブルは、多くのユーザーにとって頭の痛い問題ですが、適切な知識と事前の準備があれば、そのリスクを大幅に減らし、万が一の際にも冷静に対処できます。本記事が、その一助となれば幸いです。
この記事中の広告リンクについて
この記事中の広告リンク一覧です。
記事本文中の広告リンク
この記事にはありません。
サイドバーやヘッダー部分などの広告
広告が表示されています。
業者名や商品名など
この記事では明示的にプロモーションとして取り扱っているものはありません。
ただし、過去のプロモーションなどで取り扱った商品名や企業名などがプロモーション目的ではなくとも記載されている場合があります。
過去のプロモーションなどで取り扱った企業名は、できる限りステマ規制に関する表示についてのアフィリエイト等関連業者名一覧の項で記載していますので、お手数ですがそちらでご確認ください。
コメント