【WinUp個別】OS移行ができない! Win OSのデジタル認証PCの罠【2025/03/22移転】

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この記事について

もしかするとご存じの方も多いことなのかもしれませんが、先日LenovoさんのWin10プリインストール機でトラブルに出くわしました…。

本来であれば「アプリや設定などほぼすべてを引き継いでアップグレード」することができるはずなのに、ユーザーファイルなどのファイル類しか引き継げないのです…。

・購入時点のソフトの事情でWin10 homeプリインストール機をWin8.1 Proで使っていた。

・Win8.1対応のoffice2016はすでに入手できなくなっている。

・Win10上では不具合が出やすかった業務用ソフトも、今は問題なくWin10で動作するようになっている。

・そこで、機材をWin10 Proにアップグレードして、永続版(旧パッケージ版)のoffice 2019を導入することにした。

・当該の機材(Win10 homeプリインストール・M/B上にライセンスのあるデジタルライセンス機)では、Win 8.1 ProからWin 10 Proへ通常のアップグレードができない!!!

注1:Win8.1でoffice 2010を利用していた方は、MS365(旧office 365)であれば更新可能です。

注2:Win10に対応していないアプリなどには、引き継ぐことができないものがあります。

さて、どうしましょう?

対象 内容
キーワード Windows 10/8.1、Windows Update、アップグレード、不具合/不都合

デジタルライセンス、OS認証

最新の更新 2020/10/18…初版

2022/5/10…アップグレード前にプロダクトキーをPro版に変更することでの回避方法を追記

さて、どうしましょう?

Windows OSのアップグレードでは、通常次のような制限があります。

・アップグレード元のOSとアップグレード後のOSの種類やVer.により引き継げる内容が決まっている。また、アップグレードはOSが起動した状態でなければできない。

1)そのため現在利用中のOSが正常に起動すること。

2)移行が可能なOS間でしかアップグレードはできない。

例:

Windows VISTA(XP)からはWindows 10に直接アップグレードできない。Windows VISTAからWindows 8.1のアップグレードもクリーンインストールのみとなっている。

home/Pro/エンタープライズ/教育版などの間で、ファイルのみ・ファイルとアプリや個人設定などのように引き継げる項目が異なる。

今回は、機材が「Win10 homeプリインストール・M/B上にライセンスのあるデジタルライセンス機」であるため、「本来なら可能なWin8.1ProからWin10 Proへのアプリなどの環境を含めて引き継ぐアップグレード」ができないということになってしまったのです。

1)MSのアップグレードツールを使ってオンラインで実行。

2)メデイアを作成してオフラインで実行。

どちらでやっても「ユーザーのファイル」を引き継げるだけで、アプリや設定、メールなどは引き継げないようです…。

なお、この問題はWin7/8.1のPCでM/B上のBIOSにOSのキーが注入されている場合にも同様に発生するようです。

さて、それではどうやってアップグレードをすることになるのかを見ていきましょう。

アプリを含めたアップグレードを可能にする手段

この問題の発生原因は、アップグレード時の準備動作の中でインストールして利用しているOSよりも、M/B上のBIOSに保存されているOSの情報が優先される仕組みになっているためと考えられます。

今回の場合ですと「Win8.1 Pro ⇒ Win10 Pro」にしようとしても、Win10 homeのデジタルライセンスを読んだインストーラーが「Win8.1 Pro ⇒ Win10 home」にしようとしていると判定してしまうため個人ファイルのみしか引き継げなくなってしまったのです。

この場面で異なるプロダクトキーを入力する選択肢があるとよいのですが、そのような作りにはなっていません。

Lenovoさんのサポートにも問い合わせましたが、このケースでなんとか修正するような方法はないということでした。(BIOSの修正は可能かもしれませんが、手段を提供していないということです)

More

今回検証はしていませんが、Win7/8.1の機材で購入当初はデジタルライセンスのhomeで、後にProに変更した機材なども同様に元OSはhomeと判定されるのではないかと考えられます。

しかしながら、homeからProのように上位のグレードに移行するケースではアプリや設定などをそのまま引き継げますので問題が発生しない形になります。

問題が発生するのは、デジタルライセンスのグレードより上位のグレードの旧OSから、Win10の本来すべてを引き継いで移行できるはずであるグレードに移行しようとする場合になります。

それではどうしたらよいか考えてみましょう。

1)PCが当該のデジタルライセンス機しかないか、ほかのPCもデジタルライセンス。

2)当該のデジタルライセンス機のほかにデジタルライセンスが付与されていないPCを所有している。

この二つに分けて考えてみます。なお、Win10 homeの機材でWin7/8.1などのOSの上位グレードを利用しているということは、利用しているOSはパッケージ版ないしはDSPバンドルいうことになりますので、その前提でライセンス違反にならないケースのお話をします。

また、2020年9月後半ぐらいからドライバーのデジタル署名が厳格になったため、Win10にすると動かなくなるパーツが発生することがあるのには留意してください。PDF関連のソフトなどもドライバー扱いのため、古いものなど場合によっては動作しなくなることがあります。

1)PCが当該のデジタルライセンス機しかないか、ほかのPCもデジタルライセンス。

まず最初に単純な方からお話しします。

所有しているほかのPCにアップグレードしたいProのライセンスが付与されたものがあれば、2)と同様の手法で環境を引き継いだOS移行が可能です。(注:まれに、どうしてもhomeからProのアップがうまくできない機材があるようです。この場合はお手上げです)

問題は、デジタルライセンスのhome機しかない場合です。

その場合は以下のようになります。

A)デジタルライセンスの無い機材か、Win10 Proの機材を新たに購入して移行する。

B)当該PC上でWin10 Proにしたい場合。

ツールを利用するか、すべて手動でやるかの2種類の方法がありますが、途中までの手順は同じです。

共通
旧PCでファイルやメールなどのバックアップをとり、MSアカウントの設定でできる限りの設定などの同期をオンにします。うまくいかない場合に備えてイメージバックアップもとっておいてください。

プログラムの追加と削除 一覧出力を利用するなどして導入しているアプリの一覧を取得します。

【メーカーPCもOK】ドライバを一括で抽出する【Win10クリーンインストール】を参考にドライバーのバックアップを取得します。

ケース1)
当該PCのOSをWin10ホームにリストアします。(回復メディア等が無い場合は、MSサイトからWin10 homeのメディアを作成して、プロダクトIDなしでインストールしてもかまいません)

OSの認証を実行します。

実行後にWin10 Proのメディアでアップグレードします。(二度手間ですが、いきなりWin10 Proを導入しようとすると失敗する場合があります)

ケース2)ユーザーファイルのみしか引き継げませんが、Win8.1 ProをそのままWin10 homeにアップグレードし、その後にWin10 Proにアップグレードします。(デジタルライセンスのhomeの機材でも多くの場合はProへのアップは可能です。)

このケースでは、元のHDD/SSDが無くなってしまうためツールを利用した引っ越しができなくなってしまいます。

ツールを利用したい場合は、あらかじめ新しいHDD/SSDと外付けケースを購入して、元の状態のHDD/SSDのクローンを作っておいてくださいね。

ツールを利用する場合
手軽ですが、すべての内容の移行ができない(移行できないものがある)場合があります。しかしながら、Win10の同じグレード/Ver.でビット数が同じであれば移行に失敗することは多くありません。

ただし、引き継ぐ項目の選択の仕方によっては旧PCのかすやゴミも引き継ぐことになりますので留意してくださいね。

ツールにはいろいろなものがあり、Zinstall Migration Kit Proを元製品にしているケースなど元製品が同じで価格が異なるものが販売されていますので同じ元製品ならば安い方を買うということでよいでしょう。

今回はPCが1台しかないケースでも引っ越しが可能なタイプのソフトを紹介しておきます。

前段で書いているようにPCが一代しか無い場合は、「元のPCのDHH/SSD(ないしはそのクローン)と外付けケース」が必要になります。

パッケージ版には、クロスタイプのLANケーブルが付属しています。660円の価格差ですから、必要な方はパッケージ版を購入するのもありかと思います。

Win10 ProにアップしたPCにソフトの操作手順に沿って、ソフト・データや設定などを引っ越してください。

すべて手動で行う場合
手間がかかりますし、なかなかうまくいかない場合も多いメールの移行のようなものも出てきます…。ただし、従来のPCにたまっていたかすやゴミが無くなり、すっきりとしますのでその意味では(手間を嫌わないのであれば)おすすめでもあります。

A)クリーンインストールした場合
Win10 ProにアップしたPCでMSアカウントにてサインインしてアカウントの同期を設定し再起動します。

必要な場合は保存してあるドライバーをリストアします。

ソフトウエアを導入します。

ファイルやメールのデータなどをバックアップから書き戻します。

B)Win8.1 ProからWin10 Home⇒Proとした場合
Win10 ProにアップしたPCでMSアカウントにてサインインしてアカウントの同期を設定し再起動します。

必要な場合は保存してあるドライバーをリストアします。

ソフトウエアを導入します。

メールやソフトのデータなどでバックアップしたりエクスポートしたデータがあり、新しいOS上で不足しているものがあれば書き戻します。

2)当該のデジタルライセンス機のほかにデジタルライセンスが付与されていないPCを所有している。

対象者はアップグレード対象のOSが、パッケージ版・DPS版(部品バンドルあり/なし。バンドルありの方は番鳥部品も一時的に移設する必要があります。)など、OSの移動が認められている製品の方になります。

なお、Win8発表時のキャンペーンで購入した3,000円のライセンスはパッケージ版扱いとなります。(例えば元のWin7がメーカーPCのOEM版であってもWin8/8.1の権利はパッケージ版扱いとなります)

注:このケースでもバックアップは必ず取得しておきましょう。

この場合はWin8.1 ProからWin10 Proへのアップ操作が可能なPCにHDD/SSDをつなぎ替えます。(厳密にはライセンス違反となります。あららしいPCにリストアするのは違反では無いということですから、どうしてもライセンス違反は嫌という方はそちらの方法をとってください。元のPCに戻す場合も同様です。)

次にWin10 Proへのアップに使用するPCをインターネットから切り離します。更新を探しに行くなどして時間がかかったり、自動的に移行先のPCのデジタルライセンスでOS認証されてしまうのを防ぐためとなります。

重要 「プロダクトIDを入れないで」Win10 Proにアップします。

アップが完了したら、元のPCに戻します。

最後に

記事を最後までお読みくださりありがとうございました。

今回の記事は以上です。

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